ホンダの人気SUV「ヴェゼル」について、インターネット上で「貧乏人が乗る車」という厳しい評価を目にしたことはありませんか?
2024年上半期のSUV新車販売台数で第1位を獲得するほど人気の高いヴェゼルですが、なぜこのような評判が生まれるのでしょうか。
この記事では、ヴェゼルが「貧乏人の車」と言われる具体的な理由を調査し、実際の価格や維持費、年収別の購入シミュレーションまで詳しく解説します。
車選びで後悔しないためにも、噂に惑わされない正確な情報をお届けします。
「ヴェゼル=貧乏人」と言われる4つの理由!価格&維持費と噂の真相
インターネット上でヴェゼルに対する「貧乏人の車」という評価が見られますが、この評判にはいくつかの背景があります。
実際にユーザーフォーラムや車関連サイトを調査したところ、主に以下の理由が挙げられていることが分かりました。
- 手頃な価格帯でSUVとしては「安い」部類
- 販売台数が多く「普及車」のイメージ
- 維持費の安さが「節約志向」を連想させる
- コスパ重視の選択と見られがち
以下より、それぞれの理由について詳しく分析していきます。
手頃な価格帯でSUVとしては「安い」部類
ヴェゼルが「貧乏人の車」と言われる最大の理由は、SUVとしては比較的手頃な価格設定にあります。
2024年マイナーチェンジ後のエントリーモデル「G(4WD)」は264万9千円からとなっており、他のSUVと比較すると確かに購入しやすい価格帯です。
例えば、同クラスの競合車種と比較すると以下のような価格差があります。
- トヨタ カローラクロス ⇒ 約218万円~
- ホンダ ヴェゼル ⇒ 約265万円~
- マツダ CX-30 ⇒ 約239万円~
- トヨタ ハリアー ⇒ 約310万円~
この価格帯の手頃さが、「誰でも買えるSUV」というイメージを生み出し、結果として「貧乏人でも買える車」という評価につながっていると考えられます。
車男爵
販売台数が多く「普及車」のイメージ
ヴェゼルは2024年上半期のSUV新車販売台数で第1位を獲得するほど人気が高く、街中でよく見かける車種です。
この高い普及率が、「特別感のない普通の車」「誰でも乗っている車」というイメージを作り出している面があります。
販売台数の多さは本来、多くのユーザーに支持される優秀な車である証拠ですが、「希少性がない」「ステータス性に欠ける」という見方をする人もいるのが実情です。
車男爵
維持費の安さが「節約志向」を連想させる
ヴェゼルのハイブリッドモデルは燃費性能が21.0km/Lと優秀で、ガソリン代を大幅に節約できます。
また、1.5Lエンジンのため自動車税も年間34,500円と比較的安く、全体的な維持費が抑えられる設計になっています。
- 年間ガソリン代 ⇒ ハイブリッド車で約3~7万円
- 自動車税 ⇒ 年間34,500円
- 車検費用 ⇒ 2年で約8~12万円
この維持費の安さは本来メリットですが、一部では「お金のない人が選ぶ節約志向の車」という見方をされることがあります。
ですが、維持費の安さは家計に優しく、合理的な判断の結果と考える方が適切でしょう。
コスパ重視の選択と見られがち
ヴェゼルは「価格に対する装備の充実度」「燃費性能」「使い勝手の良さ」など、コストパフォーマンスの高さで評価される傾向があります。
この「コスパの良さ」が強調されることで、「お金をかけられないからコスパで選んだ」という見方をされることがあります。
実際には、限られた予算で最大の価値を得ようとする賢明な選択ですが、「妥協の産物」として捉えられがちなのが現実です。
車男爵
【結論】貧乏人の車は誤解!ヴェゼルは賢い人の選択肢
「ヴェゼル=貧乏人の車」という評判は、実際には大きな誤解に基づいています。
現実的に考えると、264万円以上の新車を購入できる経済力がある人を「貧乏人」と呼ぶのは明らかに不適切です。
ヴェゼルを選ぶ人の多くは、以下の合理的な理由に基づいて判断しています。
- 実用性重視 ⇒ 日常使いから週末レジャーまで幅広く対応
- 経済性重視 ⇒ 燃費の良さで長期的なコスト削減
- 信頼性重視 ⇒ ホンダブランドの品質と安心感
- 将来性重視 ⇒ リセールバリューの高さ
これらは「貧乏だから選ぶ」のではなく、「賢く選ぶ」という言葉の方が適切でしょう。
無駄な装備やブランド料にお金をかけず、本当に必要な機能と性能にコストをかける判断は、むしろ経済的に成熟した考え方と言えるでしょう。
車男爵
ヴェゼルの価格&維持費
ヴェゼルの購入を検討する際に最も重要なのが、実際の価格と維持費の正確な把握です。
噂や印象ではなく、具体的な数字を基に判断することが大切です。
- ヴェゼルのグレード別!新車価格と中古車価格の相場
- 見落とし厳禁!ヴェゼルの年間維持費を項目別に計算
以下より、それぞれの詳細を具体的にお伝えします。
ヴェゼルのグレード別!新車価格と中古車価格の相場
2024年マイナーチェンジ後のヴェゼル新車価格は以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | 新車価格(税込) |
G | 4WD | 264万9千円 |
e:HEV X | FF | 299万2千円 |
e:HEV X | 4WD | 320万1千円 |
e:HEV Z | FF | 329万1千円 |
e:HEV Z | 4WD | 350万円 |
e:HEV PLaY | FF | 377万6千円 |
中古車市場での相場は年式や走行距離によって大きく変動しますが、現行モデル(2021年~)の場合、以下が目安となります。
年式 | 走行距離 | 中古車価格相場 |
2021年式 | 1~3万km | 約200~280万円 |
2022年式 | 1~2万km | 約220~300万円 |
2023年式 | 1万km未満 | 約250~320万円 |
ヴェゼルはリセールバリューが比較的高く、中古車市場でも安定した価格を保っています。
見落とし厳禁!ヴェゼルの年間維持費を項目別に計算
ヴェゼルの年間維持費を項目別に詳しく計算すると以下のようになります。
費用項目 | ガソリン車 | ハイブリッド車 |
自動車税 | 34,500円 | 34,500円 |
自動車保険料(車両保険込み) | 50,000~70,000円 | 50,000~70,000円 |
ガソリン代(年間1万km) | 約90,000円 | 約65,000円 |
車検費用(2年に1回) | 80,000~120,000円 | 80,000~120,000円 |
定期メンテナンス代 | 30,000~50,000円 | 30,000~50,000円 |
駐車場代(月額1万円の場合) | 120,000円 | 120,000円 |
年間維持費の合計目安は以下の通りです。
- ガソリン車 ⇒ 約35~45万円
- ハイブリッド車 ⇒ 約32~42万円
駐車場代は地域によって大きく異なるため、都市部では年間維持費がさらに高くなる可能性があります。
一方、郊外や地方では駐車場代がかからない場合もあり、年間15~25万円程度に抑えることも可能です。
年収・ライフスタイル別|ヴェゼル購入費用&維持費シミュレーション
ヴェゼルが本当に「貧乏人の車」なのかを検証するため、実際の年収とライフスタイルに基づいた購入シミュレーションを行ってみましょう。
一般的に車にかけられる費用は年収の15~20%が適正とされています。
- 【ケース1】年収300万円台・独身・都市部在住の場合
- 【ケース2】年収400万円台・夫婦・郊外在住の場合
- 【ケース3】年収500万円台・子供1人・週末レジャーを楽しむ場合
以下より、それぞれのケースでヴェゼル購入がどの程度の負担になるかを詳しく分析します。
【ケース1】年収300万円台・独身・都市部在住の場合
年収350万円・独身・都市部在住の場合のシミュレーションです。
- 年収 ⇒ 350万円(手取り約280万円)
- 月の手取り ⇒ 約23万円
- 適正な車関連費用 ⇒ 年収の10~15%(35~52万円)
- 駐車場代 ⇒ 月額12,000円(都市部)
この条件でヴェゼルを購入する場合の費用負担は以下のようになります。
- 車両購入費(中古車200万円・5年ローン) ⇒ 月額約4万円
- 年間維持費(駐車場代込み) ⇒ 約40万円(月額約3.3万円)
- 月額合計負担 ⇒ 約7.3万円
- 手取りに占める割合 ⇒ 約32%
- 手取りの3分の1が車関連費用となり、家計への負担は重い
- 新車購入は困難だが、中古車なら検討可能
- 他の支出を大幅に節約する必要がある
- 独身であることが購入可能な要因
車男爵
【ケース2】年収400万円台・夫婦・郊外在住の場合
年収450万円・夫婦・郊外在住の場合のシミュレーションです。
- 年収 ⇒ 450万円(手取り約360万円)
- 月の手取り ⇒ 約30万円
- 適正な車関連費用 ⇒ 年収の15~20%(67~90万円)
- 駐車場代 ⇒ 月額5,000円(郊外)
この条件でヴェゼルを購入する場合の費用負担は以下のようになります。
- 車両購入費(新車280万円・5年ローン) ⇒ 月額約5.6万円
- 年間維持費(駐車場代込み) ⇒ 約34万円(月額約2.8万円)
- 月額合計負担 ⇒ 約8.4万円
- 手取りに占める割合 ⇒ 約28%
- 適正な車関連費用の範囲内での購入が可能
- 新車購入も十分に検討できる
- 家計への負担は適正レベル
- 郊外在住で駐車場代が安いことがプラス要因
車男爵
【ケース3】年収500万円台・子供1人・週末レジャーを楽しむ場合
年収550万円・子供1人・週末レジャー派の場合のシミュレーションです。
- 年収 ⇒ 550万円(手取り約440万円)
- 月の手取り ⇒ 約37万円
- 適正な車関連費用 ⇒ 年収の15~20%(82~110万円)
- 駐車場代 ⇒ 月額8,000円(地方都市)
この条件でヴェゼルを購入する場合の費用負担は以下のようになります。
- 車両購入費(新車330万円・5年ローン) ⇒ 月額約6.6万円
- 年間維持費(駐車場代込み) ⇒ 約37万円(月額約3.1万円)
- 月額合計負担 ⇒ 約9.7万円
- 手取りに占める割合 ⇒ 約26%
- 上級グレードも無理なく購入できる
- 週末のレジャー費用も確保可能
- 家計に余裕を残した購入が可能
- 子供の教育費も考慮した適正な車選択
年収500万円台では、ヴェゼルは「余裕をもって選択できる車」の位置づけになります。
車男爵
「ダサい」「安っぽい」は本当?デザインと内装の評判
ヴェゼルに対する批判は価格面だけでなく、デザインや内装についても見られます。
特に「ダサい」「安っぽい」という評価が一部で話題になっていますが、これらの評判には具体的な理由があります。
- 他社デザインとの類似性が指摘される
- メッキ使いが「安っぽい」印象を与える
- 個性の薄い「金太郎飴」デザイン
以下より、デザイン評判の実態について詳しく解説します。
他社デザインとの類似性が指摘される
新型ヴェゼルのデザインで最も批判されているのが、他社の人気車種との類似性です。
特に以下の点が指摘されています。
- フロントマスク ⇒ マツダCXシリーズの「魂動デザイン」に似ている
- リアデザイン ⇒ トヨタ ハリアーのテールランプ周りと酷似
- サイドライン ⇒ 欧州SUVのデザイントレンドを踏襲
自動車デザインの専門家からも「正常進化ではなくトレンド満載を選んだ」との評価があり、オリジナリティの不足が指摘されています。
参考
新型「ヴェゼル」賛否両論デザインの是非を問う東洋経済オンライン
ただし、これらの「類似性」は必ずしもマイナス要素ではなく、完成度の高いデザインを取り入れた結果とも解釈できます。
メッキ使いが「安っぽい」印象を与える
ヴェゼルのエクステリアで批判を受けているのが、メッキパーツの使い方です。
特に以下の部分で「安っぽい」という評価が見られます。
- フロントグリル周りの過度なメッキ装飾
- ドアハンドル部分のメッキ仕上げ
- リアガーニッシュのメッキライン
近年の高級車市場ではブラックアウト仕様やマットな質感が好まれる傾向にあり、「メッキ=高級感」という考え方が古く感じられることが要因の一つです。
実際に日本市場では、メッキ装飾が多い車種に対して「成金趣味」「品がない」という批判が向けられることがあります。
個性の薄い「金太郎飴」デザイン
最も根本的な批判として、コンパクトSUV全般に共通する「金太郎飴デザイン」の問題があります。
現在の国産コンパクトSUV市場では、似たようなデザインの車種が多く、ヴェゼルもその例外ではありません。
- 流行のクーペ風ルーフライン
- 大型化されたグリル
- スリム化されたヘッドライト
- フェンダーのプラスチック加飾
これらの要素は現在のSUVデザイントレンドを踏襲しており、「どこかで見たことのあるデザイン」という印象を与えがちです。
しかし、これはヴェゼルに限った問題ではなく、SUV市場全体の課題でもあります。
デザインの好みは個人差が大きく、「ダサい」と感じる人がいる一方で、「洗練されている」「バランスが良い」と評価する人も多いのが実情です。
まとめ
「ヴェゼル=貧乏人の車」という評判を詳しく調査した結果、この評価は大きな誤解に基づいていることが分かりました。
確かにヴェゼルには以下の特徴があります。
- SUVとしては手頃な価格設定(264万円~)
- 販売台数が多く普及率が高い(2024年上半期SUV販売1位)
- 維持費が比較的安い(年間32~45万円程度)
- コストパフォーマンスが高い
しかし、これらは「貧乏人向け」の特徴ではなく、「合理的で賢い選択」をする人に支持される理由です。
年収別シミュレーションでも明らかになったように、ヴェゼルを無理なく購入できるのは年収400万円以上の層が中心であり、決して「貧乏人の車」ではありません。
デザインについても、確かに「他社との類似性」や「メッキ使いの好みの問題」といった批判はありますが、これらは主観的な評価であり、多くのユーザーに支持されている現実もあります。
車選びにおいて重要なのは、他人の評価や偏見に惑わされることなく、自分のライフスタイルと経済状況に最も適した選択をすることです。
車男爵