マツダCX-60は失敗作?乗り心地・不具合・価格を徹底検証

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マツダCX-60は2022年の発売当初から「失敗作」という厳しい評価を受けてきました。

しかし、果たしてそれは正当な評価なのか?

発売から2年以上が経過した現在、初期の問題点は改善され、CX-60の真の実力が見えてきています。

この記事では、CX-60購入検討者の方に向けて、「失敗作」と言われる理由を客観的に検証し、現在の改善状況、競合車との比較、そして実際に「買い」なのかを徹底解説します。

購入を迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。

CX-60が失敗作と言われる7つのポイント

CX-60が「失敗作」と評される背景には、発売当初から指摘されている複数の問題があります。

これらは主に初期モデルで顕著だった課題ですが、購入検討時には知っておくべき重要なポイントです。

  • 乗り心地・サスペンションの不満
  • 価格設定の不満
  • 燃費の不満
  • 内装・スペース・装備などの不満
  • 駆動系の不具合
  • 電子制御の不具合
  • リコール・信頼性の課題

以下より、それぞれの問題点について詳しく検証していきます。

乗り心地・サスペンションの不満

CX-60の最も大きな批判の一つが乗り心地の硬さです。特に発売当初のモデルでは、「足が硬すぎる」「突き上げ感が強い」といった評価が相次ぎました。

webCGの試乗記では、初期モデルについて「突き上げ感があった」と指摘されており、価格.comの口コミでも多くのユーザーから乗り心地への不満が寄せられています。

車男爵

特に市街地の段差や首都高の継ぎ目では、車が上下に大きく揺れる現象が報告されています。

この問題の原因として指摘されているのが以下の要素です。

  • リアサスペンション設計 ⇒ ピロボール採用による摩擦の増大
  • サスペンション調整不足 ⇒ 開発時間の不足によるセッティング未完成
  • 車体剛性とのバランス ⇒ 高剛性ボディに対するサスペンション設定のミスマッチ

マツダ自身もこの問題を認識しており、2024年以降の改良モデルではサスペンション全体のリファインメントを実施。特にリアスタビライザーを非装着とするなど、大幅な改良が加えられています。

価格設定の不満

CX-60の価格設定は大きな批判の対象となっています。価格帯は299万円~646万円と、従来のマツダ車と比較して大幅に高額化しました。

この価格設定の問題点は以下の通りです。

価格設定の課題
  • 従来のマツダ車からの大幅値上げ ⇒ CX-5から100万円以上アップ
  • 競合車と同等の価格帯 ⇒ ハリアー、レクサスNXと競合

特に問題視されているのが、マツダブランドでの価格としては高すぎるという点です。

500万円台の価格設定では、レクサスやドイツ車との比較が避けられず、ブランド力や仕上げの質で劣る部分が目立ってしまいます。

車男爵

マツダとしては高級化路線を目指していますが、ユーザーの期待値とのギャップが大きく、「高すぎる」という声が多く聞かれます。

燃費の不満

CX-60は燃費性能でも期待値とのギャップが指摘されています。

カタログ燃費と実燃費の乖離が大きく、ユーザーからは不満の声が上がっています。

燃費性能の現実
  • ディーゼルモデル ⇒ WLTCモード21.1km/L、実燃費17.1km/L
  • ガソリンモデル ⇒ WLTCモード13.1km/L、実燃費13.5km/L
  • ハイブリッドモデル ⇒ カタログ値ほどの燃費向上効果なし

Motor-Fanの長距離試乗記では、「つねに抜群の燃費性能を発揮してくれるマツダとしては物足りない」と評価されており、従来のマツダ車への期待との乖離が指摘されています。

特にディーゼルモデルでは、軽油価格の安さを考慮してもガソリン車との差額を回収するには相当な走行距離が必要となり、コストメリットを感じにくいという声もあります。

車男爵

価格を考えると物足りない燃費数値で、特に都市部走行では期待値を大きく下回る結果となることが多いようです。

内装・スペース・装備などの不満

価格に見合わない部分として、内装や装備面での不満も多数指摘されています。主な批判点は以下の通りです。

  • 内装質感が価格に見合わない
  • 静粛性に課題がある
  • スペース効率に制約がある

以下より、それぞれの批判点について詳しく解説します。

内装質感が価格に見合わない

500万円台の価格設定にも関わらず、内装質感で競合車に劣る部分が指摘されています。

主な内装の不満
  • プラスチック素材の多用 ⇒ 500万円クラスとしてはチープ
  • ナッパレザーの質感 ⇒ レクサスNXとの差が明確
  • 操作系のフィーリング ⇒ スイッチ類の作動感が安っぽい
  • 組み立て精度 ⇒ 一部にガタつきや隙間の不均一

特にダッシュボードやドアトリムの一部では、高級車として期待される質感に達していない部分があり、「価格の割に質感が物足りない」という評価につながっています。

静粛性に課題がある

マツダが高級化を目指したにも関わらず、静粛性で課題が残っています。

具体的な課題
  • ロードノイズ ⇒ 高速走行時のタイヤ音
  • エンジン音の侵入 ⇒ ディーゼル音が室内に響く
  • 風切り音 ⇒ サイドミラー周辺の風切り音
  • 車体共振 ⇒ 特定の回転域での振動

特にディーゼルモデルでは、エンジン音の遮音が不十分で、「高級車としては静粛性が物足りない」という声が多く聞かれます。

スペース効率に制約がある

FRレイアウト採用により、一部でスペース効率が犠牲になっています。

スペース関連の制約
  • 室内幅 ⇒ 縦置きエンジンによる制約
  • 足元空間 ⇒ プロペラシャフトトンネルの影響
  • 車体サイズ ⇒ 全幅1,890mmで日本では大きすぎる
  • 取り回し ⇒ 狭い駐車場や道路での制約

これらの問題が重なり、「価格に見合った価値がない」という厳しい評価につながりました。

駆動系の不具合

CX-60には新開発の8速AT(トルクコンバーターレス)が採用されていますが、このトランスミッションの制御に大きな問題がありました。

特に問題となったのが以下の症状です。

具体的な課不具合
  • 変速ショックの大きさ ⇒ 1速→2速、2速→3速での突き上げ
  • 低速時のギクシャク感 ⇒ 渋滞時や駐車場での前後の揺れ
  • 発進時の違和感 ⇒ スムーズな発進ができない
  • 停止間際の異音 ⇒ ガチャガチャという機械的な音

実際のオーナーレビューでは、「まるで600万円を払ってベータ版のテストに参加した気分」という厳しい評価もありました。

車男爵

トルクコンバーターレスATは燃費とダイレクト感を両立する新技術ですが、制御プログラムの熟成不足が露呈しました。

このトランスミッション問題は、CX-60の評価を大きく下げる要因となり、「失敗作」との評価につながる最大の要因の一つとなりました。

電子制御の不具合

駆動系の問題に加えて、電子制御システムでも深刻な問題が発生しています。

電子制御の主な不具合
  • スマートブレーキサポートの誤作動 ⇒ 障害物がないのに急制動
  • ハイブリッドシステムの制御不良 ⇒ エンジンとモーターの協調不良
  • 車両制御コンピュータの不具合 ⇒ 各種警告灯の誤表示
  • AWD制御の不具合 ⇒ 4WDシステムの動作異常

特に深刻なのがスマートブレーキサポートの誤作動で、道路横の金属壁などを障害物と誤認識し、危険性がないにも関わらず急ブレーキがかかるという問題が発生しました。

また、ハイブリッドモデルでは、エンジンとモーターの協調制御が適切に機能せず、加速時の違和感や燃費悪化を招いていました。

車男爵

これらの電子制御問題により、多くのユーザーが「新技術の実験台にされた」と感じ、CX-60の評価低下につながりました。

リコール・信頼性の課題

CX-60は発売から短期間で大規模なリコールを複数回実施しており、信頼性への懸念が高まりました。

主要なリコール情報
  • 2024年10月リコール ⇒ 約3万5千台(動力伝達装置・原動機・電気装置)
  • 電動パワステ関連 ⇒ 2024年2月実施
  • スマートブレーキサポート ⇒ 制御プログラム不具合
  • トランスミッション制御 ⇒ 複数回のソフトウェア修正

国土交通省への届出によると、最大のリコールでは34,461台が対象となっており、発売台数に対する比率が非常に高くなっています。

リコールの頻度と規模から、「品質管理が不十分」「市場投入を急ぎすぎた」という批判が相次ぎました。

車男爵

初期オーナーからは「開発ドライバー扱い」という声も上がっており、メーカーへの信頼に影響を与えています。

マツダのリコール対応履歴と改善状況

CX-60の問題を受けて、マツダは積極的な改善対応を実施しています。現在の車両は発売当初とは大きく異なる完成度に達しており、多くの問題が解決されています。

  • ハードウェアの改善
  • ソフトウェアの改善

以下より、具体的な改善内容をお伝えします。

ハードウェアの改善

マツダは物理的な部品交換を伴う大規模な改善を実施しています。主要な改善内容は以下の通りです。

  • リアショックアブソーバーの交換(2023年11月~)
  • リアスタビライザーの変更(2024年改良モデル)
  • 電動パワーステアリング関連部品の交換(2024年2月)
  • サスペンション全体のリファインメント(2024年改良モデル)

以下より、それぞれの改善内容について詳しく解説します。

リアショックアブソーバーの交換(2023年11月~)

初期モデルで問題となった突き上げ感を改善するため、減衰力特性を変更したショックアブソーバーへの交換が実施されました。

この対策により、段差通過時の衝撃が大幅に緩和され、乗り心地が改善されています。既存オーナーには無償交換が提供されており、多くのユーザーから「劇的に改善された」との評価を得ています。

リアスタビライザーの変更(2024年改良モデル)

2024年改良モデルでは、思い切ってリアスタビライザーを非装着とする改良が実施されました。

この変更により、リアサスペンションの動きがより自然になり、乗り心地が大幅に向上しています。webCGの改良モデル試乗記では、「以前にあった突き上げ感がなくなり、乗り心地が改善されている」と評価されています。

電動パワーステアリング関連部品の交換(2024年2月)

2024年2月のリコールで電動パワーステアリング関連部品が交換され、操舵フィールと信頼性が向上しました。

この改善により、ステアリングの応答性が向上し、直進時の安定感も増しています。

サスペンション全体のリファインメント(2024年改良モデル)

2024年改良モデルでは、フロント・リア共にブッシュ類やダンパー設定を見直し、総合的な乗り味を向上させています。

バックドアロックアクチュエータの改善(2024年2月)

作動不良解消のため、バックドアロックアクチュエータの部品交換が実施されました。

この改善により、バックドアの開閉がスムーズになり、ロック機構の信頼性が向上しています。

ストライカー清掃・グリスアップ対応(2024年2月)

ドア開閉時の異音改善のため、ストライカーの清掃とグリスアップが実施されました。

この対策により、ドアの開閉音が改善され、より上質な操作感が得られるようになっています。

エンジン関連部品の交換(2024年3月)

ハイブリッドシステム構成部品の交換により、エンジンとモーターの協調動作が改善されています。

この改善により、ハイブリッドシステムの効率性と信頼性が向上しました。

ソフトウェアの改善

CX-60の問題の多くは制御プログラムに起因していたため、継続的なソフトウェアアップデートによる改善が実施されています。

  • トランスミッション制御プログラムの複数回更新(2023年7月~)
  • スマートブレーキサポートの制御修正(2024年5月)
  • ハイブリッドシステム制御の改善(2024年3月)
  • 車両制御コンピュータの制御修正(2024年10月)

以下より、それぞれの改善内容について詳しく解説します。

トランスミッション制御プログラムの複数回更新(2023年7月~)

最も重要な改善がトランスミッション制御です。2023年7月から複数回にわたってアップデートが実施されています。

実際のオーナーレビューでは、「ソフトウェアアップデートでほとんど解消された」「とても滑らかでいい車に乗っている感じがする」と評価が一変しています。

車男爵

変速ショックの大きさは、複数回のアップデートでほぼ気にならないレベルまで改善されました。

スマートブレーキサポートの制御修正(2024年5月)

道路横の金属壁などを誤認識して急制動がかかる問題を解決するため、制御プログラムが修正されました。

この修正により、誤作動による危険な急制動は大幅に減少しています。

ハイブリッドシステム制御の改善(2024年3月)

エンジンとモーターの協調制御が改善され、ハイブリッドシステムの動作がスムーズになりました。

車両制御コンピュータの制御修正(2024年10月)

各種センサー情報の処理精度が向上し、警告灯の誤表示などが解消されています。

継続的なアップデート体制
  • 定期的な制御改善 ⇒ 月1回程度のペースで小規模更新
  • AWD制御最適化 ⇒ 4WDシステムの制御精度向上
  • 燃費制御改善 ⇒ エンジン・モーター制御の最適化

マツダは今後も継続的にソフトウェア更新を行う体制を構築しており、購入後も性能向上が期待できます。

車男爵

ただし、今の状態まで熟成させた上でリリースすべきだったという意見も多く、品質管理体制の見直しが求められます。

現在購入する場合は、これらの改善がすべて反映された状態で納車されるため、初期の問題を心配する必要はありません。

競合車比較|ハリアー、エクストレイル、レクサスNXとの違い

CX-60の購入を検討する際は、同価格帯の競合車との比較が重要です。400~600万円のSUV市場では、それぞれ異なる特徴を持つ魅力的な車種が競合しています。

  • 装備比較
  • 価格比較

以下より、主要競合車との詳細比較をお伝えします。

装備比較

同価格帯で最も重要な比較ポイントは装備内容です。各車の最上級グレードでの装備を詳細比較してみましょう。

主要装備比較表(最上級グレード)

項目 CX-60
プレミアムモダン
ハリアー
Zレザーパッケージ
エクストレイル
G e-4ORCE
レクサスNX
バージョンL
シート材質 ナッパレザー 合成レザー セミアニリンレザー プレミアムレザー
運転席調整 10way電動 8way電動 8way電動 10way電動
助手席調整 10way電動 4way手動 4way手動 8way電動
タイヤサイズ 235/50R20 225/55R19 235/55R20 235/50R20
オーディオ BOSE 12スピーカー JBL 9スピーカー BOSE 10スピーカー Mark Levinson 17スピーカー
サンルーフ パノラマルーフ パノラマルーフ なし ムーンルーフ
荷室容量 570L 409L+21L 575L 520L
安全装備 i-ACTIVSENSE Toyota Safety Sense ProPILOT 2.0 Lexus Safety System+

特徴的な装備の詳細比較

項目 CX-60 ハリアー エクストレイル レクサスNX
独自装備・特徴 直6ディーゼル、FRレイアウト ハイブリッド、FF設計 e-POWER、e-4ORCE レクサス品質、プレミアム装備
優位点 荷室容量、シート調整機能 燃費性能、値引き対応 荷室容量、モーター駆動 内装質感、安全装備、ブランド
弱点 内装質感の一部 荷室容量、助手席機能 内装質感、サンルーフなし 価格、値引きなし

価格比較

同グレード帯での価格比較が購入判断の重要な要素です。

エントリーグレード価格比較

項目 CX-60 ハリアー エクストレイル レクサスNX
グレード XD Sパッケージ ハイブリッドS X e-4ORCE NX350h
価格(4WD) 380.6万円 393.8万円 384.1万円 550万円~
主要装備 直6ディーゼル・18インチAW 2.5Lハイブリッド・18インチAW e-POWER・19インチAW 2.5Lハイブリッド・18インチAW

最上級グレード価格比較

項目 CX-60 ハリアー エクストレイル レクサスNX
グレード XDハイブリッド プレミアムモダン Zレザーパッケージ G e-4ORCE NX350h バージョンL
価格(4WD) 547.3万円 514.8万円 533.3万円 635万円
主要装備 ナッパレザー・BOSE・20インチAW レザー・JBL・19インチAW セミアニリンレザー・BOSE・20インチAW プレミアムレザー・Mark Levinson・20インチAW

値引き・購入条件の違い

価格面で重要なのが値引き条件です。

値引き条件の現実
  • CX-60 ⇒ 値引きは限定的(5~10万円程度)
  • ハリアー ⇒ 交渉次第で20~40万円の値引き可能
  • エクストレイル ⇒ 10~20万円程度の値引き
  • レクサスNX ⇒ 基本値引きゼロ

実質的な購入価格では、ハリアーが最も安くなる可能性が高く、CX-60は値引きが期待できない分、表示価格に近い金額での購入となります。

車男爵

ただし、CX-60は装備内容を考慮すると、価格に対する価値は決して低くありません。特に荷室容量の大きさは他車を大きく上回る優位点です。

試乗レビューから見るCX-60の特徴

実際の試乗レビューを分析すると、CX-60の真の特徴と向き不向きが見えてきます。特に2024年以降の改良モデルについては、初期の問題点が大幅に改善されているという評価が一般的です。

高速道路での優秀な性能

複数の試乗記で一致しているのが、高速道路での安定感の高さです。

webCGでは「スピードを上げるほど安定するような感覚すら覚える」と評価されており、Car Watchでも「高速道路での直進安定性は秀逸」とされています。

この安定感の源は以下の要素にあります。

安定感の源
  • FRレイアウト ⇒ 重量配分の良さによる安定性
  • ロングホイールベース ⇒ 2,870mmによる直進安定性
  • 車体剛性 ⇒ 高剛性ボディによる一体感
  • 直6ディーゼルエンジン ⇒ スムーズで力強い加速

車男爵

特に長距離ドライブでは疲労軽減効果が大きく、高速道路メインの使用では競合車を上回る快適性を発揮します。

市街地での課題

一方、市街地では課題が残っています。

価格.comの長期レビューでは「段差を乗り越えるときに上下にかなり揺られる挙動を示す」と指摘されており、特に首都高K1横羽線のような継ぎ目の多い道路では乗り心地に不満が生じます。

市街地での課題
  • 段差での突き上げ ⇒ 改良されたが完全ではない
  • 車体サイズ ⇒ 狭い道での取り回し
  • 最小回転半径 ⇒ 5.4mで小回りは平均的

エンジン・トランスミッション性能

2024年以降のモデルでは、最大の問題だったトランスミッション制御が大幅に改善されています。

実際のオーナーレビューでは「とても滑らかでいい車に乗っている感じがする」「変速時にたまにギクシャクすることがあるが、もう気になるレベルではない」と評価が一変しています。

直6ディーゼルエンジンについては、一貫して高い評価を得ています。

高い評価
  • 滑らかな回転フィール ⇒ V6に匹敵する振動の少なさ
  • 豊富なトルク ⇒ 500Nmによる余裕ある加速
  • 音質の良さ ⇒ ディーゼルとは思えない上質な音

室内空間・装備面の評価

室内空間については、ホイールベースの長さが活かされており、後席の足元空間や荷室容量で高い評価を得ています。

BOSEサウンドシステムやパノラマルーフなどの装備についても、「長距離ドライブがさらに楽しくなる」として好評価されています。

車男爵

総合的に見ると、CX-60は「用途を選ぶ車」です。高速道路メインなら競合車を上回る魅力がありますが、市街地メインなら他の車も検討した方が良いでしょう。

CX-60は買いか?向いているユーザーと向かないユーザー

これまでの検証結果を踏まえ、CX-60が「買い」かどうかを判断するため、向いているユーザーと向かないユーザーをお伝えします。

現在のCX-60は初期の問題が大幅に改善されており、特定の用途では非常に魅力的です。となっています。

  • 向いているユーザー
  • 向かないユーザー

以下より、具体的なユーザー像をお伝えします。

向いているユーザー

CX-60は以下のようなユーザーには非常におすすめできる車です。

  • 高速道路・長距離ドライブをメインに使用する方
  • 運転そのものを楽しみたい方
  • 室内空間・荷室容量を重視する方
  • 装備・質感にこだわる方

以下より、それぞれのユーザー像について詳しく解説します。

高速道路・長距離ドライブをメインに使用する方

CX-60の最大の魅力は高速道路での安定感です。

FRレイアウトと2,870mmのロングホイールベースにより、高速道路では圧倒的な直進安定性を発揮します。

直6ディーゼルエンジンの豊富なトルク(500Nm)は追い越し加速に余裕をもたらし、高速域での風切り音も抑えられているため長距離ドライブでの疲労軽減効果が大きくなります。

高速道路での優位性
  • 圧倒的な直進安定性 ⇒ 疲労軽減効果が大きい
  • 豊富なトルク ⇒ 追い越し加速に余裕
  • 静粛性 ⇒ 高速域での風切り音が小さい
  • 乗り心地 ⇒ 一定速度での快適性

車男爵

週末の500km以上の長距離ドライブが多い方、毎日高速道路を使用する通勤の方、年数回の家族旅行で長距離移動をする方には特に最適といえます。

運転そのものを楽しみたい方

FRレイアウトと直6エンジンの組み合わせは、運転好きには非常に魅力的です。

フロントエンジン・リアドライブの自然な重量配分により、ハンドリングがナチュラルで予測しやすく、直6ディーゼルエンジンの滑らかな回転フィールはV6に匹敵する上質感があります。

また、改良後のトランスミッションはダイレクト感が向上しており、意のままの操作感を味わえます。

欧州車からの乗り換えユーザーには、FRレイアウトの自然な動特性が好評で、運転する楽しさを重視する方には他の国産SUVでは得られない満足感が得られるでしょう。

車男爵

特に欧州車からの乗り換えユーザーには、FRレイアウトの自然な動特性が好評です。

室内空間・荷室容量を重視する方

ファミリー使用では、CX-60の空間効率が大きなメリットとなります。

2,870mmのホイールベースにより後席の足元空間が非常に広く、大人4人が快適に移動できます。

荷室容量570Lは競合車の中でも最大級で、室内高1,215mmにより圧迫感もありません。

空間面での優位性
  • ホイールベース ⇒ 2,870mmで後席足元が広い
  • 荷室容量 ⇒ 570Lで競合車最大級
  • 室内高 ⇒ 1,215mmで圧迫感がない
  • シートアレンジ ⇒ 大型荷物にも対応

車男爵

ファミリーキャンプやスポーツ用品の運搬、大型の買い物など、荷物をたくさん積む必要がある方には他の競合車では得られない利便性がありますよ。

装備・質感にこだわる方

同価格帯では装備内容が非常に充実しています。

BOSEサウンドシステムの12スピーカー構成は高音質を実現し、パノラマルーフは開放感のある室内空間を演出します。

ナッパレザーシートは運転席・助手席共に10way調整機能を備え、20インチホイールは迫力のある外観を作り出しています。

これらの装備により、長距離ドライブがより楽しくなり、同乗者にも上質な移動体験を得られるでしょう。

車男爵

装備面でのコストパフォーマンスを重視する方には、競合車と比較しても優位性が高いでしょう。

向かないユーザー

一方、以下のようなユーザーにはCX-60はおすすめできません。

  • 市街地メインで使用する方
  • 絶対的な信頼性を求める方
  • 燃費を最重視する方
  • レクサスレベルの質感を期待する方

以下より、それぞれについて詳しく解説します。

市街地メインで使用する方

CX-60の弱点は市街地での使い勝手です。

改良されたとはいえ、段差での突き上げは完全には解消されておらず、特にストップ&ゴーの多い渋滞路では車体の上下動が気になります。

全幅1,890mmの車体サイズは狭い道や駐車場で苦労することが多く、最小回転半径5.4mは平均的ですが小回りが利くとは言えません。

市街地での課題
  • 段差での突き上げ ⇒ 改良されたが完全ではない
  • 車体サイズ ⇒ 狭い道や駐車場で苦労
  • 低速域の乗り心地 ⇒ ストップ&ゴーで揺れが気になる

都市部の通勤で渋滞路がメインの方、買い物や送迎などの近距離使用が中心の方、住宅街の細い道を頻繁に使用する方には、他の競合車の方が適している可能性が高いでしょう。

絶対的な信頼性を求める方

初期の問題を受けて、完璧な信頼性を求める方には向かない面があります。新型車の初期モデルを避けたい方、リコール情報に敏感でストレスを感じる方、発売時点で完璧な完成度を求める方には、CX-60は適さないかもしれません。

ただし、現在のモデルは大幅に改善されており、過度に心配する必要はありません。

むしろ重要なのは、CX-60が新技術にチャレンジした結果として初期に問題があったことを理解し、それがマツダの積極的な改善対応により解決されているという事実を受け入れられるかどうかです。

車男爵

ただし、現在のモデルは改善済みなので、過度に心配する必要はありません。

燃費を最重視する方

燃費性能を最優先する場合は他の車の方が良いでしょう。

CX-60ディーゼルの実燃費は17.1km/L程度で、カタログ値の21.1km/Lとは乖離があります。

ガソリンモデルはさらに厳しく13.5km/L程度となっており、価格を考えると物足りない数値です。

カタログ燃費通りの性能を期待する方、ランニングコストを最重視して燃料費を抑えたい方、ハイブリッドのモーター走行を重視する方には、ハリアーハイブリッドやエクストレイルのe-POWERの方が満足度が高いでしょう。

レクサスレベルの質感を期待する方

価格帯から高級車レベルの質感を期待する場合は注意が必要です。

500万円台の価格設定にも関わらず、内装の一部にはプラスチック感が残っており、静粛性もレクサスNXには及びません。

また、マツダブランドとしての限界もあり、レクサスのような圧倒的なブランド価値は期待できません。

質感面での限界
  • 内装質感 ⇒ 一部にプラスチック感
  • 静粛性 ⇒ レクサスNXには及ばない
  • ブランド価値 ⇒ マツダブランドの限界

レクサスや欧州プレミアムブランドと同等の質感を期待する方は、価格差を考慮してもレクサスNXを選択する方が満足度が高いでしょう。

まとめ

CX-60は「失敗作」ではなく未完成でデビューしてしまったといえます。

発売当初の問題点は確かに深刻で、乗り心地の硬さ、トランスミッションの制御不良、相次ぐリコールなど、500万円台の車としては受け入れがたい課題が多数ありました。

しかし、マツダの積極的な改善対応により、現在のCX-60は発売当初とは別物の完成度に達しています。

現在購入を検討している方は、2025年モデルの改良済み仕様であれば、初期の心配をすることなく、CX-60本来の魅力を存分に享受できます。

まずは必ず試乗して、ご自身の使用用途との適合性を確認することが重要です。特に高速道路での試乗と市街地での試乗の両方を体験し、CX-60の特性を理解した上で購入判断を行ってください。

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