プリウスからプラスαの価値を追求したステーションワゴン「プリウスα」。
2011年の発売から2021年の生産終了まで、多くのファミリー層に愛された車でしたが、中古車市場では39万円~298万円と、かなり手頃な価格で取引されています。
なぜこれほどまでに安くなってしまったのか、そして安いからといって飛びついて大丈夫なのか。
この記事では、プリウスα中古車が安い4つの理由と、購入時に注意すべき4大故障、そして後悔しないための8つの選び方まで徹底的に解説します。
プリウスαの中古はなぜ安い?4つの理由を解説
プリウスαの中古車が市場で手頃な価格で取引される背景には、供給過多、生産終了、競合の進化、そして維持費の問題という4つの明確な市場原理があります。
- 【理由1】流通台数が圧倒的に多いから
- 【理由2】2021年3月で生産終了した旧モデルだから
- 【理由3】最新ハイブリッド車と比較して性能に差があるから
- 【理由4】予防メンテや突発的な故障で費用がかさみやすいから
以下より、詳しく解説します。
【理由1】流通台数が圧倒的に多いから
プリウスαは発売当初から法人需要が非常に高い車種でした。
特にタクシー会社やレンタカー会社、企業の営業車として大量に導入され、年間を通じて安定した販売台数を記録していました。
これらの法人車両は定期的に入れ替えられるため、使用期間3~5年程度で中古車市場に大量に放出される傾向があります。
車男爵
さらに、プリウスαは10年間という長期にわたって販売されたため、累計販売台数が多く、必然的に中古車市場への供給量も豊富です。
需要と供給のバランスから考えると、供給過多の状態が続いているため、価格が下がりやすい環境にあります。
【理由2】2021年3月で生産終了した旧モデルだから
プリウスαは2021年3月をもって生産終了となりました。
生産終了の背景には、ベース車両であるプリウスが2015年にフルモデルチェンジしたにもかかわらず、プリウスαはマイナーチェンジと一部改良のみで、フルモデルチェンジが一度も行われなかったという事情があります。
- 2011年5月 ⇒ 初代(唯一のモデル)発売
- 2015年12月 ⇒ ベースのプリウスが4代目にフルモデルチェンジ
- 2021年3月 ⇒ 一度もフルモデルチェンジせず生産終了
このように10年間基本設計が変わらなかったプリウスαは、技術的な古さが目立つようになり、販売台数も徐々に低下していきました。
生産終了により「旧型車」というイメージが定着し、新車時の価格帯からの値下がり幅が大きくなっています。
また、後継モデルが存在しないため、メーカーからの積極的なサポートも期待できず、これも中古車価格を押し下げる要因となっています。
【理由3】最新ハイブリッド車と比較して性能に差があるから
プリウスαの燃費性能は、JC08モードで26.2km/Lと当時としては優秀でしたが、最新のハイブリッド車と比較すると見劣りする数値です。
| 車種 | 燃費(WLTCモード) | 価格帯(新車) |
| プリウスα(生産終了) | 約20.0km/L(推定) | 247~355万円 |
| 新型プリウス(2023年~) | 28.6~32.6km/L | 320~460万円 |
| カローラツーリングHV | 24.9~29.5km/L | 267~304万円 |
さらに、安全装備の面でも大きな差があります。
最新のトヨタ車には「Toyota Safety Sense 3.0」が搭載されていますが、プリウスαは2017年11月の一部改良で初めて「Toyota Safety Sense P」が標準装備されたため、それ以前のモデルは先進安全装備が不十分です。
車男爵
【理由4】予防メンテや突発的な故障で費用がかさみやすいから
ハイブリッド車特有の高額な維持費リスクも、中古車価格を押し下げる大きな要因です。
特にプリウスαの場合、発売から10年以上経過した車両が多く、各部品の経年劣化が進んでいます。
- 駆動用バッテリー交換 ⇒ 15~20万円
- インバーター故障 ⇒ 30~40万円以上
- 電動ウォーターポンプ交換 ⇒ 3~6万円
- EGRバルブ清掃・交換 ⇒ 2~5万円
これらの修理費用は、場合によっては車両本体価格に匹敵する金額になることもあり、購入を検討する人にとって大きな不安材料となっています。
特にインバーターが故障した場合、修理費用が40万円を超えることもあり、車両価格を上回る可能性さえあります。
このような維持費のリスクを嫌う購入者が多いため、中古車価格が低く抑えられているのです。
要注意!プリウスαの中古で頻発する4大故障と修理費用
プリウスαの維持費を跳ね上げる可能性があるのは「駆動用バッテリー」「インバーター」「EGRバルブ」「ウォーターポンプ」の4つです。
- 【故障事例1】駆動用バッテリーの寿命と高額な交換費用
- 【故障事例2】走行不能に直結するインバーターの故障
- 【故障事例3】エンジン異音の原因となるEGRバルブの詰まり
- 【故障事例4】オーバーヒートを招くウォーターポンプの不具合
以下より、それぞれの故障について詳しく解説します。
【故障事例1】駆動用バッテリーの寿命と高額な交換費用
ハイブリッド車の心臓部である駆動用バッテリーは、走行距離15~20万km、使用期間10年程度が寿命の目安とされています。
バッテリーが劣化すると、燃費の悪化、加速性能の低下、最終的にはハイブリッドシステムの警告灯が点灯します。
- 5人乗り(ニッケル水素)と7人乗り(リチウムイオン)の違い
- バッテリー交換費用の目安(ディーラー vs 専門店)
以下より、各項目を詳しく見ていきます。
5人乗り(ニッケル水素)と7人乗り(リチウムイオン)の違い
プリウスαの駆動用バッテリーは、5人乗りはニッケル水素電池、7人乗りはリチウムイオン電池という違いがあります。
- 5人乗り(ニッケル水素) ⇒ ラゲージルーム下部に搭載、容量約1.31kWh
- 7人乗り(リチウムイオン) ⇒ センターコンソール内に搭載、容量約1.03kWh
この違いは単なる技術的な差ではなく、実際の維持費に大きく影響します。
7人乗りのリチウムイオン電池は、3列目シートを設置するスペースを確保するために小型化されていますが、その分、流通量が少なく、交換時の選択肢が限られます。
一方、5人乗りのニッケル水素電池は、プリウスと共通部品のため、リビルト品や中古品の流通量が豊富で、交換費用を抑えやすいという利点があります。
バッテリー交換費用の目安(ディーラー vs 専門店)
駆動用バッテリーの交換費用は、交換場所と使用する部品によって大きく変わります。
| 交換場所 | 5人乗り(ニッケル水素) | 7人乗り(リチウムイオン) |
| ディーラー(新品) | 17~20万円 | 25~30万円 |
| 専門店(リビルト品) | 10~12万円 | 15~20万円 |
| 専門店(中古品) | 6~8万円 | 流通量少なく困難 |
車男爵
【故障事例2】走行不能に直結するインバーターの故障
インバーターは、駆動用バッテリーの直流電力を交流に変換し、モーターを駆動させるハイブリッドシステムの中核部品です。
この部品が故障すると、ハイブリッドシステムが機能せず、最悪の場合は走行不能に陥ります。
- ハイブリッドシステム異常の警告灯点灯
- 加速時の異常な振動や異音
- 突然の出力低下やエンジン停止
- 修理費用 ⇒ 新品交換で30~40万円以上
インバーターの故障は、冷却系統の不具合が原因となることが多く、インバーター用ウォーターポンプの故障や、冷却水(LLC)の劣化が引き金となるケースがあります。
修理費用が非常に高額なため、リサイクルパーツやリビルト品の活用が一般的です。
リビルト品なら12~15万円程度で交換可能な場合もありますが、それでも決して安くはない金額です。
【故障事例3】エンジン異音の原因となるEGRバルブの詰まり
プリウスαのエンジン始動時に「ガラガラ」「ガタガタ」という異音が発生する場合、その多くはEGRバルブのカーボン詰まりが原因です。
EGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブは、排気ガスの一部を吸気側に戻して燃焼温度を下げ、窒素酸化物を減少させる環境対策部品です。
- 症状 ⇒ 冷間時のエンジン異音、アイドリング不安定
- 清掃での対処 ⇒ 2~3万円
- バルブ交換 ⇒ 4~5万円
- インテークマニホールド清掃も必要な場合 ⇒ 追加で2~3万円
EGRバルブの詰まりは、短距離走行を繰り返す使用環境で発生しやすい傾向があります。
車男爵
清掃で改善する場合も多いですが、詰まりが酷い場合や再発を繰り返す場合は、バルブ交換が必要になります。
【故障事例4】オーバーヒートを招くウォーターポンプの不具合
プリウスαには、エンジン用とインバーター用の2つの電動ウォーターポンプが搭載されています。
これらのポンプが故障すると、冷却水の循環が停止し、エンジンやインバーターのオーバーヒートにつながる危険があります。
- エンジン用ウォーターポンプ故障 ⇒ エンジンオーバーヒート
- インバーター用ウォーターポンプ故障 ⇒ ハイブリッドシステム異常
- 交換費用 ⇒ 各3~6万円(工賃込み)
- 放置すると ⇒ エンジンやインバーターの致命的損傷
特にインバーター用ウォーターポンプの故障は、前述のインバーター本体の故障につながる可能性があるため、早期の対処が重要です。
チェックランプが点灯したり、冷却水の減りが早い場合は、すぐに点検を受けることをおすすめします。
安いだけじゃない!中古プリウスαが持つ5つの魅力
中古プリウスαには価格の安さ以外にも、実用性と経済性を兼ね備えた多くの魅力があります。
新車時の価値を考えると、中古市場での価格設定は非常にお買い得であり、さらにプリウス譲りの優れた燃費性能と、ワゴンならではの広大な荷室空間を併せ持つことで、ファミリーカーとしての実力は十分です。
- 新車の半額以下で買える価格優位性と同クラス車との価格逆転現象
- ステーションワゴンならではの圧倒的な積載能力
- ハイブリッドシステムによる圧倒的な経済性
- 充実したアフターマーケットによるカスタマイズの楽しさ
- 2017年11月以降なら最新安全装備も標準装備
以下より、中古プリウスαの隠れた魅力について詳しく解説します。
新車の半額以下で買える価格優位性と同クラス車との価格逆転現象
中古プリウスαの最大の魅力は、新車価格から数年で約30%から40%減少し、5年落ちで新車価格の半分程度まで値下がりする価格優位性です。
カーセンサーの2024年のデータによると、プリウスαの中古車平均価格は約94.5万円、価格帯は24.3万円~275万円となっています。新車平均価格が314万円だったことを考えると、約70%もの値下がりを示しています。
つまり、プリウスの予算でワンランク上の広さと実用性を手に入れられるのが中古プリウスαの大きなメリットです。
ステーションワゴンならではの圧倒的な積載能力
プリウスαの荷室は、通常時でも535Lという大容量を確保しています。
これは通常のプリウス(445L)より約90L多く、日常の買い物から大型の荷物まで余裕で積載可能です。
- 5人乗り通常時 ⇒ 535L(プリウスの1.2倍)
- セカンドシート収納時 ⇒ 最大1,070L
- 荷室長(シート収納時) ⇒ 最大1,830mm
- 荷室最大幅 ⇒ 1,390mm
- 荷室高さ ⇒ 715mm
特に注目すべきは荷室のアレンジ性です。セカンドシートを倒せば荷室長は985mmまで拡大し、7人乗りでもセカンド&サードシートを倒せば1,830mmもの長尺物も積載可能となります。
車男爵
ハイブリッドシステムによる圧倒的な経済性
プリウスαの実燃費は17~20km/Lと、このサイズのワゴン車としては驚異的な数値を記録し、年間1万km走行で計算すると、ガソリン代は97,000円(レギュラー175円/L、実燃費18km/L換算)となります。
同クラスのガソリン車なら175,000円(実燃費10km/L程度)となり、比較すると年間7~8万円のガソリン代節約が可能です。
| 項目 | 1年間のガソリン代 |
| プリウスα | 97,000円 |
| 同クラスガソリン車 | 175,000円 |
| 差額(節約額) | 78,000円 |
さらに、プリウス譲りの成熟したハイブリッドシステムは信頼性が高く、多くのオーナーから「全く壊れない」「長期間安定したパフォーマンス」という評価を得ています。
充実したアフターマーケットによるカスタマイズの楽しさ
プリウスαには豊富な社外パーツが用意されており、自分好みにカスタマイズする楽しみがあります。
- エアロパーツ ⇒ M’z SPEED、ROWEN、TRD、アドミレイション
- LEDパーツ ⇒ ジュナック、REVIER
- インテリア ⇒ クラッツィオ(レザーシートカバー)
- メッキパーツ ⇒ グラージオ、DAD
専門のカスタムショップも多く、パーツ入手や取り付けに困ることはありません。中古車として購入した後、浮いた予算でカスタマイズを楽しめるのも中古プリウスαならではの魅力です。
車男爵
2017年11月以降なら最新安全装備も標準装備
2017年11月21日の一部改良以降のモデルには、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車標準装備されています。
- プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付衝突回避支援)
- レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)
- オートマチックハイビーム
- レーダークルーズコントロール
これらの先進安全装備により、ドライバーの安全をサポートします。中古車でありながら最新の安全装備を備えた車両を選べるのは、プリウスαが比較的新しいモデルであることの恩恵です。
車男爵
プリウスαの中古がおすすめな人・おすすめしない人
プリウスαの魅力と欠点を理解した上で、どんな人に向いているのか、逆にどんな人には向かないのかを明確にしていきます。
燃費性能、積載能力、価格のバランスが優れているプリウスαですが、すべての人に最適というわけではありません。ライフスタイルや使用目的によって、向き不向きがはっきりと分かれる車です。
- プリウスαがおすすめな人
- プリウスαをおすすめしない人
以下より、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
プリウスαがおすすめな人
中古のプリウスαは、実用性と経済性を重視する層に特に適した車です。
- ファミリー層(4~5人家族) ⇒ 広い室内空間と7人乗り仕様で家族全員が快適
- 長距離通勤者 ⇒ 優れた燃費で通勤費を大幅削減できる
- 荷物を多く載せる人 ⇒ 535Lの大容量荷室でレジャー用品も楽々収納
- 車中泊やアウトドア派 ⇒ フラットな荷室で車中泊も可能
- 予算を抑えたい人 ⇒ 中古なら100万円前後から購入可能
- 維持費を抑えたい人 ⇒ 実燃費17-20km/Lで燃料費を大幅節約
- カスタマイズを楽しみたい人 ⇒ 豊富な社外パーツで自分好みに
特に、「子供が小学生~中学生のファミリー」や「週末にキャンプや釣りを楽しむアウトドア派」には最適な選択肢となるでしょう。また、年間走行距離が1万km以上の方は、燃費の良さによる恩恵を大きく受けることができます。
車男爵
プリウスαをおすすめしない人
一方で、プリウスαには明確な弱点もあり、特定のニーズを持つ人には向かない場合があります。
- 運転の楽しさを求める人 ⇒ パワー不足でスポーティーな走りは期待できない
- 6人以上で頻繁に移動する人 ⇒ 3列目シートは子供でも厳しい狭さ
- 高速道路メインの人 ⇒ 高速走行時の加速力に余裕がない
- 小回り重視の人 ⇒ 最小回転半径5.5~5.8mで取り回しが悪い
- 最新技術を求める人 ⇒ 2021年生産終了で設計が古い
- 短距離走行が中心の人 ⇒ ハイブリッドの恩恵を受けにくい
- 新車の安心感を求める人 ⇒ バッテリー劣化や突発的な高額修理費のリスクがある
特に「走りの楽しさ」や「最新の装備」を重視する方には、プリウスαは物足りなく感じるでしょう。また、3列目シートの狭さは致命的で、大人が座ると体操座り状態になってしまうため、7人フル乗車での使用を考えている方には向きません。
車男爵
後悔しない安い中古プリウスαの選び方
安全性能、走行距離、乗車定員、グレード、整備履歴、車両状態、履歴、そして販売店の保証という8つのポイントを押さえることが失敗しない鍵です。
- 【選び方1】年式は安全性を重視するなら2017年11月以降一択
- 【選び方2】走行距離は「走りすぎ」よりも「走らなすぎ」に注意
- 【選び方3】5人乗りか7人乗りかは用途とバッテリーリスクで選ぶ
- 【選び方4】グレードの違い(S/G/ツーリング)を理解する
- 【選び方5】整備記録簿の有無(HV系の履歴)を確認
- 【選び方6】修復歴の有無と車両状態の確認
- 【選び方7】車検証の「使用者」欄でタクシー/レンタカー上がりか確認する
- 【選び方8】保証の範囲にHV系が含まれる販売店を選ぶ
以下より、各ポイントについて詳しく解説していきます。
【選び方1】年式は安全性を重視するなら2017年11月以降一択
プリウスαの安全装備は、2017年11月の一部改良で大きく進化しました。
この改良で、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備となり、安全性が飛躍的に向上しています。
- プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付)
- レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)
- オートマチックハイビーム
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
これらの機能は、現在では当たり前の装備ですが、2017年11月以前のプリウスαには搭載されていません。
特にファミリーユースを考えている場合、家族の安全を守るためにも、2017年11月以降のモデルを選ぶことを強く推奨します。
車男爵
【選び方2】走行距離は「走りすぎ」よりも「走らなすぎ」に注意
一般的に走行距離が少ない方が良いとされますが、ハイブリッド車の場合は極端な低走行車にも注意が必要です。
- 理想的な走行距離 ⇒ 年間8,000~12,000km程度
- 過走行(年間15,000km以上) ⇒ 各部の消耗が進行
- 極端な低走行(年間3,000km未満) ⇒ バッテリー劣化の可能性
ハイブリッドシステムは定期的に使用することで性能が維持されます。
長期間放置されていたり、極端に走行距離が少ない車両は、駆動用バッテリーの劣化が進んでいる可能性があります。
例えば、10年落ちで走行距離2万kmという車両は一見魅力的ですが、年間2,000kmしか走っていない計算になり、バッテリーの状態が心配です。
【選び方3】5人乗りか7人乗りかは用途とバッテリーリスクで選ぶ
5人乗りと7人乗りの選択は、単なる座席数の違いだけでなく、駆動用バッテリーの種類が決定的に違うため、購入後の満足度を大きく左右します。
| 比較項目 | 5人乗り | 7人乗り |
| バッテリー種類 | ニッケル水素 | リチウムイオン |
| バッテリー位置 | ラゲージ下部 | センターコンソール内 |
| 交換費用(リビルト) | 10~12万円 | 15~20万円 |
| 荷室容量 | 535L | 505L(3列目使用時200L) |
将来のバッテリー交換費用を抑えたいなら5人乗り、緊急時の多人数乗車を優先するなら7人乗りと、リスクを理解した上で選択しましょう。
車男爵
【選び方4】グレードの違い(S/G/ツーリング)を理解する
プリウスαのグレード構成は、基本的に「S」と「G」の2系統で、それぞれに「ツーリングセレクション」が設定されています。
- S ⇒ 基本グレード、必要十分な装備
- S Lセレクション ⇒ 最廉価グレード、装備を簡素化
- G ⇒ 上級グレード、クルーズコントロール、本革巻きステアリング標準
- ツーリングセレクション ⇒ 17インチアルミ、専用サスペンション
グレード「G」は装備が充実しており、特にクルーズコントロールや上質な内装材を求める方におすすめです。
一方、「ツーリングセレクション」は17インチタイヤと専用サスペンションにより、乗り心地が硬めでスポーティーな設定になっています。
家族での使用がメインなら標準グレード、走りも楽しみたいならツーリングセレクションという選び方が基本です。
【選び方5】整備記録簿の有無(HV系の履歴)を確認
中古車選びで最も重要な書類の一つが整備記録簿(メンテナンスノート)です。
特にハイブリッド車の場合、以下の整備履歴は必ず確認しましょう。
- インバーターのリコール対応履歴
- 駆動用バッテリーの点検・交換履歴
- インバーター冷却水の交換履歴
- ハイブリッドシステムの診断記録
整備記録簿があれば、過去のトラブルや修理内容が把握でき、将来の故障リスクをある程度予測できます。
逆に整備記録簿がない車両は、どんなに安くても避けた方が無難です。
【選び方6】修復歴の有無と車両状態の確認
修復歴車(事故車)は絶対に避けるべきです。
骨格部位に損傷があった車両は、見た目は修理されていても、走行安定性や安全性に問題が残る可能性があります。
- エンジン始動時の異音(特に冷間時のEGRバルブ音)
- ハイブリッドシステムの切り替わりのスムーズさ
- ブレーキの効き具合と異音の有無
- エアコンの効き具合(コンプレッサーの動作音)
特に冷間時(エンジンが冷えている状態)での始動は必ず確認してください。
EGRバルブの不具合は冷間時に最も症状が出やすいためです。
【選び方7】車検証の「使用者」欄でタクシー/レンタカー上がりか確認する
車検証の「使用者」欄を確認することで、その車両の使用履歴がある程度把握できます。
- 法人名(○○タクシー、○○レンタカー等) ⇒ 営業車使用の可能性
- カーシェア会社名 ⇒ 不特定多数が使用
- 個人名 ⇒ 一般的な個人使用車
所有者欄はローン会社や販売会社名になることが多いため、判別は「使用者欄」を確認することが基本です。
さらに実車でも以下の痕跡をチェックしましょう。
- 内装の異常な摩耗
- タクシーメーターやドラレコの取付痕
- 全塗装の形跡(色の違い)
- 走行距離と年式の不自然な関係
営業車使用の車両は、メンテナンスはしっかりしている反面、使用頻度が高く各部の劣化が進んでいる可能性があります。
【選び方8】保証の範囲にHV系が含まれる販売店を選ぶ
中古車購入時の保証内容は販売店によって大きく異なりますが、ハイブリッドシステムが保証対象に含まれているかが最重要ポイントです。
- 駆動用バッテリーが保証対象
- インバーターが保証対象
- 保証期間は最低6ヶ月以上
- 走行距離無制限または1万km以上
多くの中古車保証では、ハイブリッドシステムは保証対象外となっているケースが多いため、必ず事前に確認しましょう。
保証料が多少高くても、バッテリーやインバーターが保証対象になっている方が、結果的に安心です。
車男爵
参考
プリウスの中古はやめたほうがいい?お得で安心な一台の選び方とは車男爵
まとめ|安いプリウスαの中古はこんな人におすすめ
プリウスαの中古車が安い理由から、頻発する故障、そして失敗しない選び方まで解説してきました。
プリウスαは、ステーションワゴンの使い勝手とハイブリッドの経済性を両立した優れた車です。
ただし、故障リスクを考えると、維持費の面では通常のガソリン車より高額になる可能性があることを理解しておく必要があります。
プリウスαの中古車は「安いには理由がある」ということを理解した上で、リスクを把握し、適切な個体を選べば、コストパフォーマンスの高い買い物になります。
特に2017年11月以降のToyota Safety Sense搭載モデルで、整備記録がしっかりしており、信頼できる販売店から購入すれば、家族で使える実用的なハイブリッドワゴンとして十分活躍してくれるでしょう。
車男爵


