アウディQ5は、洗練されたデザインと高い走行性能で人気のプレミアムSUVです。
しかし、欠点を知らずに購入すると「こんなはずじゃなかった」と後悔するオーナーも少なくありません。
特に故障リスクや維持費、日本の道路環境での使い勝手など、ディーラーではあまり説明されない現実的な問題が存在します。
この記事では、実際のオーナーの声や修理専門店のデータをもとに、アウディQ5の7つの欠点を解説します。
購入を検討している方は、これらのポイントを理解した上で、後悔のない選択をしてください。
アウディQ5の7つの欠点とは?購入前に必ず確認すべきポイント
アウディQ5には魅力的な点も多いですが、購入前に知っておくべき7つの欠点があります。
- 【欠点1】故障リスクが高い部品と対処法
- 【欠点2】維持費・修理費が想像以上に高額
- 【欠点3】車体サイズが大きく都市部での運転が困難
- 【欠点4】室内空間と実用性の問題点
- 【欠点5】乗り心地と快適性の課題
- 【欠点6】燃費性能が期待以下
- 【欠点7】その他の細かな不満点
これらの欠点を詳しく理解することで、購入後の予期せぬトラブルを回避できます。
以下より、各欠点について詳しく解説していきます。
【欠点1】故障リスクが高い部品と対処法
アウディQ5で特に故障しやすい部品があり、修理費用が数万円から100万円を超えるケースもあります。
以下の4つの故障は、多くのオーナーが経験している代表的なトラブルです。
- MMI(ナビ)システムの不具合
- 冷却水漏れとエンジン関連トラブル
- パワーウィンドウの故障前兆
- ディーゼルエンジン特有の故障
これらの故障について、症状と対処法を詳しく見ていきましょう。
MMI(ナビ)システムの不具合
アウディQ5で最も多く報告される故障の一つが、MMI(マルチメディアインターフェース)システムの不具合です。
- 画面が突然消える(ブラックアウト)
- 音は出るがモニターだけ映らない
- システムが頻繁にフリーズする
- タッチ操作に反応しない
修理費用は故障の程度により大きく異なり、ヒューズ交換なら数千円で済みますが、本体交換となると5万円から100万円かかることもあります。
海外フォーラムでは、「電源ボタンとナビゲーションノブを10~15秒間押し続けるリセット方法」が紹介されていますが、一時的な解決に過ぎない場合が多いです。
車男爵
冷却水漏れとエンジン関連トラブル
経年劣化による冷却水漏れは、アウディQ5の定番トラブルの一つです。
- 駐車場所の地面に水たまりがないか
- エンジンルーム内に冷却水の跡がないか
- 冷却水の減りが早くないか
- 甘い臭いがしないか
修理費用は漏れている箇所により異なり、ホース交換なら2万円程度、ラジエーター交換となると10万円以上かかります。
放置するとエンジンのオーバーヒートにつながり、最悪の場合エンジン本体の交換(100万円以上)が必要になることもあります。
パワーウィンドウの故障前兆
アウディ車全般に見られる弱点として、パワーウィンドウの故障があります。
- 窓の開閉時に異音(ガタガタ音)がする
- 動作が遅くなる
- 途中で止まることがある
- 完全に閉まらない・開かない
最も深刻なのは「窓落ち」と呼ばれる現象で、窓ガラスがドア内部に落下してしまうトラブルです。
修理にはドア内部の分解が必要となり、部品代と工賃を合わせて5万円から10万円程度かかることが一般的です。
車男爵
ディーゼルエンジン特有の故障
アウディQ5のディーゼルモデル(TDI)では、ガソリンエンジンにはない特有の故障リスクがあります。
- DPF(ディーゼル微粒子フィルター)の詰まり ⇒ 約30万円
- インジェクターの故障 ⇒ 1本あたり8~10万円
- DEF(尿素水)システムの不具合 ⇒ 約5万円
- ターボチャージャーの故障 ⇒ 数十万円
特にDPFの交換は高額で、海外フォーラムでは「2,350ドル(約35万円)の見積もりでパニックになった」という投稿も見られます。
短距離走行が多いとDPFが詰まりやすくなるため、ディーゼルモデルは長距離走行が多い方に向いています。
【欠点2】維持費・修理費が想像以上に高額
アウディQ5の維持費は、国産SUVと比較して2~3倍程度高くなる傾向があります。
購入時の車両価格だけでなく、長期的な維持費を考慮することが重要です。
- 年間維持費は最低でも30万円以上必要
- 故障時の修理費用が国産車の2~3倍
- 常時50万円の予備費が必要な理由
それぞれの費用について、具体的な金額を見ていきましょう。
年間維持費は最低でも30万円以上必要
アウディQ5の年間維持費の内訳を見ると、最低でも30万円以上は必要となります。
- 自動車税 ⇒ 36,000円
- ガソリン代(年間12,000km走行)⇒ 約125,000円
- 自賠責保険料 ⇒ 約11,000円
- 任意保険料 ⇒ 約80,000~120,000円
- 車検費用(2年で20万円として)⇒ 約100,000円
- 定期点検・オイル交換等 ⇒ 約50,000円
これらを合計すると、年間40万円~45万円程度が基本的な維持費となります。
さらに、タイヤ交換(4本で15万円~20万円)や予期せぬ修理が発生すれば、維持費はさらに跳ね上がります。
故障時の修理費用が国産車の2~3倍
アウディQ5の修理費用は、純正部品の価格と工賃が国産車より高く設定されているため、高額になりがちです。
- ミッション(DSG)故障 ⇒ 60~80万円
- エアサスペンション交換 ⇒ 1本20万円(4本で80万円)
- ターボチャージャー交換 ⇒ 数十万円
- エンジン本体交換 ⇒ 100万円以上
国産車なら20万円程度で済む修理が、アウディQ5では50万円を超えることも珍しくありません。
車男爵
常時50万円の予備費が必要な理由
アウディQ5のオーナーには、常に50万円程度の修理費用を準備しておくことをおすすめします。
- 突発的な故障は予測不可能
- 複数箇所が同時に故障することもある
- 部品の取り寄せに時間がかかる場合がある
- 代車費用も考慮する必要がある
特に5年落ち以降の中古車では、保証期間も終了しているため、すべての修理費用が自己負担となります。
「故障したら売却する」という選択肢もありますが、故障車は査定額が大幅に下がるため、修理してから売却した方が結果的に得になることが多いです。
【欠点3】車体サイズが大きく都市部での運転が困難
アウディQ5の全幅は約1,893mm(ミラーを除く)と、日本の道路環境では大型の部類に入ります。
この大きさが、日常使いで様々な問題を引き起こします。
- 機械式駐車場に入らない問題
- 狭い道でのすれ違いや駐車の難しさ
都市部での使用を考えている方は、これらの問題を十分に理解しておく必要があります。
機械式駐車場に入らない問題
日本の機械式駐車場の多くは、幅制限1,850mmで設計されています。
- 一般的な機械式駐車場(幅1,850mm制限)
- 古いタワーパーキング(高さ制限もある)
- 一部の立体駐車場(狭い設計のもの)
- 商業施設の一部駐車場
アウディQ5の全幅約1,893mmは、これらの駐車場には物理的に入らないため、駐車場選びに苦労することになります。
都心のマンションやオフィスビルでは機械式駐車場が主流のため、駐車場を借りられないという深刻な問題に直面することもあります。
狭い道でのすれ違いや駐車の難しさ
日本の住宅街や商店街の道路は、車幅1,900mm級の車を想定していない場合が多いです。
- 住宅街の狭い道でのすれ違い
- コインパーキングでの切り返し
- スーパーの狭い駐車スペース
- 歩行者や自転車との距離確保
実際のオーナーからは、「電柱を避けながらのすれ違いは本当に神経を使う」「買い物に行くたびに駐車で疲れる」といった声が聞かれます。
車男爵
【欠点4】室内空間と実用性の問題点
見た目の大きさに反して、室内空間は意外と狭いというのがアウディQ5の特徴です。
特に実用性を重視する方にとっては、期待を裏切られる可能性があります。
- 後部座席の狭さ(特にスポーツバック)
- 収納スペースの少なさ
- スポーツバックの視界問題
それぞれの問題点を詳しく見ていきましょう。
後部座席の狭さ(特にスポーツバック)
アウディQ5の後部座席は、大人が長時間座るには窮屈と感じることが多いです。
- レッグルーム(足元空間)が狭い
- 頭上空間が限られる(特にスポーツバック)
- 3人乗車は実質的に困難
- チャイルドシート装着時はさらに狭くなる
特にスポーツバックモデルでは、クーペライクなルーフラインのため、後部座席の頭上空間が犠牲になっています。
身長170cm以上の大人が後部座席に座ると、頭が天井に当たりそうになることもあります。
収納スペースの少なさ
日常使いで不便を感じるのが、車内の収納スペースの少なさです。
- ドアポケットが浅く500mlペットボトルが不安定
- センターコンソールの収納が小さい
- グローブボックスも容量不足
- 後部座席用の収納がほぼない
国産SUVと比較すると、小物入れの数と大きさが明らかに劣るため、車内が散らかりやすくなります。
スポーツバックの視界問題
スポーツバックモデルは、デザイン優先で視界が犠牲になっています。
- 後方視界が極端に狭い
- 斜め後方の死角が大きい
- リアウィンドウが小さい
- 駐車時の確認が困難
バックカメラは標準装備されていますが、目視での確認が難しいため、運転に慣れるまで時間がかかります。
車男爵
【欠点5】乗り心地と快適性の課題
アウディQ5はスポーティな走りを重視した結果、快適性が犠牲になっている面があります。
特に日本の道路環境では、その硬さが顕著に感じられます。
- 硬めのシート設定
- エンジン音の大きさ(特にディーゼル)
- 足回りの硬さと乗り心地
長距離ドライブや日常使いでの快適性について詳しく見ていきましょう。
硬めのシート設定
アウディQ5のシートは、ドイツ車特有の硬めの設定となっています。
- 長時間運転で腰や背中が痛くなる
- 日本人の体型に合わない場合がある
- クッション性が少ない
- シートヒーターを使っても硬さは変わらない
特に2時間以上の連続運転では疲労を感じやすく、休憩を頻繁に取る必要があります。
オプションのコンフォートシートを選択しても、基本的な硬さは大きく変わらないという声も聞かれます。
エンジン音の大きさ(特にディーゼル)
アウディQ5のディーゼルエンジン(TDI)は、車外では意外とうるさいという特徴があります。
- アイドリング時のガラガラ音
- 加速時のディーゼル特有の音
- 早朝や深夜の住宅街では気を使う
- 立体駐車場では音が響く
車内の遮音性は高いため運転中はそれほど気になりませんが、車外にいる人には不快に感じられることがあります。
車男爵
足回りの硬さと乗り心地
アウディQ5の足回りは、スポーティな走りを実現するために硬めにセッティングされています。
- 路面の凹凸を直接的に感じる
- 段差での突き上げ感が強い
- 同乗者が車酔いしやすい
- 荷物が跳ねやすい
特に19インチ以上の大径ホイール装着車では、乗り心地の硬さがより顕著になります。
エアサスペンション装着車でも、基本的にはスポーティな味付けのため、ファミリーカーとしての快適性は期待できません。
【欠点6】燃費性能が期待以下
アウディQ5の実燃費は、カタログ値と大きく乖離していることで知られています。
環境意識の高まりとガソリン価格の高騰により、燃費の悪さは大きな欠点となっています。
- 街乗りでの実燃費は8-9km/L
- 高速道路でも期待ほど伸びない燃費
実際のオーナーの燃費データを基に、現実的な数値を見ていきましょう。
街乗りでの実燃費は8-9km/L
アウディQ5の街乗り実燃費は、平均8~9km/Lという厳しい数値です。
- 車重が約1,900kgと重い
- 四輪駆動システムによる抵抗
- ストップ&ゴーが多い日本の道路環境
- エアコン使用時はさらに悪化
カタログ燃費が13~16km/Lとされているモデルでも、実際の街乗りでは半分程度しか走らないのが現実です。
月間1,000km走行する場合、ハイオクガソリン代だけで月額16,000円以上かかる計算になります。
高速道路でも期待ほど伸びない燃費
高速道路での燃費も、期待するほど改善されません。
- 100km/h巡航で約11~13km/L
- 追い越し加速時は大幅に悪化
- 向かい風や上り坂で10km/L以下に
- エコモードでも大きな改善は見込めない
オーナーからは「高速道路でもせいぜい12km/L程度」「長距離ドライブでもガソリンスタンドを気にする必要がある」といった声が聞かれます。
【欠点7】その他の細かな不満点
日常使いで気になる細かな欠点も、積み重なると大きなストレスになります。
これらは個別では小さな問題ですが、毎日の使用で不満が蓄積していきます。
- エアコンの効きが遅い
- アイドリングストップの振動
- 内装の質感に対する不満
購入前に知っておくべき、細かな不満点を確認しましょう。
エアコンの効きが遅い
アウディQ5のエアコンは、効き始めるまでに時間がかかるという特徴があります。
- 夏場の最初の5分間は効きが悪い
- 冬場の暖房も立ち上がりが遅い
- 後部座席への効きが特に悪い
- 燃費を気にすると使用を控えがち
実際のオーナーからは「夏場の最初の5分間は窓全開で走る」という対処法が推奨されています。
アイドリングストップの振動
環境性能向上のために装備されたアイドリングストップ機能ですが、再始動時の振動が大きいという問題があります。
- エンジン再始動時にガクッとなる
- 信号待ちのたびに不快な振動
- エアコン使用時は頻繁に再始動
- オフにしても次回始動時に自動でオンになる
多くのオーナーが「乗車後すぐにアイドリングストップをオフにする」という習慣を持っています。
内装の質感に対する不満
価格帯を考えると、内装の質感が期待以下という声が多く聞かれます。
- プラスチック部分が多い
- きしみ音が発生しやすい
- レザーシートの質感が価格に見合わない
- メルセデスやBMWと比較して見劣りする
特に700万円を超える価格帯にもかかわらず、「国産高級車の方が質感が高い」と感じるオーナーも少なくありません。
年式・グレード別の欠点比較表
アウディQ5は、年式やグレードによって欠点の程度が異なります。
購入を検討する際は、これらの違いを理解しておくことが重要です。
- 初代(2009-2017年)vs 2代目(2017年~)の違い
- ガソリン vs ディーゼルモデルの欠点比較
以下より、それぞれの特徴と欠点の違いを詳しく解説します。
初代(2009-2017年)vs 2代目(2017年~)の違い
初代と2代目では、改善された点と新たに生じた問題点があります。
| 比較項目 | 初代(2009-2017年) | 2代目(2017年~) |
| MMIシステム | ブラックアウトが頻発 | 改善されたが完全ではない |
| 燃費 | 実燃費7-8km/L | 実燃費8-10km/L(若干改善) |
| 室内空間 | 狭い | わずかに拡大 |
| 故障頻度 | 5年目以降急増 | 初期不良は減少 |
2代目では技術的な改善が見られますが、基本的な欠点は引き継がれているのが現状です。
ガソリン vs ディーゼルモデルの欠点比較
パワートレインの違いにより、それぞれ特有の欠点があります。
| 比較項目 | ガソリンモデル(TFSI) | ディーゼルモデル(TDI) |
| 燃費 | 街乗り8-9km/L | 街乗り10-12km/L |
| 静粛性 | 比較的静か | エンジン音が大きい |
| 主な故障 | ターボ関連、点火系 | DPF、インジェクター |
| 維持費 | ハイオク使用で高い | 軽油だが修理費高額 |
どちらを選んでも一長一短があり、使用環境に応じた選択が必要です。
アウディQ5の欠点を理解した上での購入戦略
これまで解説してきた欠点を踏まえた上で、賢い購入方法を提案します。
欠点があることを理解し、適切な対策を講じれば、アウディQ5との付き合い方も変わってきます。
- 狙い目モデルと避けるべきモデル
- 必須オプションと不要オプション
- 購入前の必須チェックリスト
以下より、具体的な購入戦略を解説します。
狙い目モデルと避けるべきモデル
アウディQ5を購入するなら、リスクとコストパフォーマンスを考慮したモデル選びが重要です。
- 2代目(2017年~)の認定中古車
- 2.0TFSIガソリンモデル(故障リスクが比較的低い)
- 走行距離3万km以下の個体
- ワンオーナー車で整備記録完備
- 初代の5年落ち以上(故障多発期)
- 走行距離10万km超えの個体
- 修復歴・事故歴のある車両
- 並行輸入車(部品調達が困難)
特に保証期間が残っている認定中古車なら、初期の故障リスクを回避できます。
必須オプションと不要オプション
欠点を軽減するために、適切なオプション選択が重要です。
- アダプティブエアサスペンション(乗り心地改善)
- パークアシスト(駐車の困難さを軽減)
- 360度カメラ(視界の悪さをカバー)
- 延長保証(高額修理に備える)
- 21インチ以上の大径ホイール(乗り心地悪化)
- パノラマサンルーフ(故障リスク増)
- 高額な内装オプション(リセールに影響小)
- 純正ナビ(MMI標準で十分)
オプション選択を間違えると、欠点がさらに強調されることになるため注意が必要です。
購入前の必須チェックリスト
購入を決断する前に、必ず確認すべき項目があります。
- MMIシステムの動作確認(フリーズしないか)
- エアコンの効き具合(夏場は特に重要)
- パワーウィンドウの異音確認
- アイドリング時の振動チェック
- 狭い道での取り回し確認
- 駐車場への入出庫テスト
- 年間維持費の試算(最低40万円以上)
- 最寄りの正規ディーラーまでの距離
- 機械式駐車場の利用可否
- 修理費用50万円の準備可否
これらをすべてクリアできない場合は、購入を見送る勇気も必要です。
まとめ
アウディQ5の7つの欠点について詳しく解説してきました。
- 故障リスクが高く、修理費用が高額になる可能性があること
- 年間維持費が最低でも40万円以上必要であること
- 車体サイズが大きく、日本の道路環境では不便なこと
- 室内空間や実用性が期待以下であること
- 乗り心地や燃費性能に課題があること
これらの欠点は、アウディQ5の持つ高級感やブランド価値と引き換えになっている部分でもあります。
重要なのは、これらの欠点を理解した上で、自分のライフスタイルに合うかどうかを冷静に判断することです。
車男爵
もし維持費や故障リスクに不安を感じるなら、レクサスNXやマツダCX-5などの国産プレミアムSUVも検討してみてはいかがでしょうか。
アウディQ5との生活を楽しむためには、「欠点も含めて愛せるか」という視点が最も重要です。


