「アウディなのに、なんだか内装が安っぽい…」
ショールームで実車を見て、そんな違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。
プレミアムブランドの代表格として君臨してきたアウディですが、近年の内装品質については厳しい評価が目立つようになりました。
実は2024年2月、アウディの製品・技術コミュニケーション責任者が「過去の方が品質は良かった」と異例の自己批判をしたことが、自動車業界で大きな話題となりました。
この記事では、実際のオーナーの声や専門家の評価を基に、アウディの内装が「安っぽい」と言われる理由を徹底検証します。
車男爵
アウディの内装が安っぽいと言われる5つの理由
高級車ブランドとして長年愛されてきたアウディ。
しかし近年、「内装が期待外れ」「プラスチック感が強い」といった声が増えています。
特に2021年以降のモデルでは、内装品質に関する批判的な意見が目立つようになりました。
なぜプレミアムブランドのアウディで、このような評価が生まれてしまうのでしょうか。
- エントリーモデルのセンターコンソールに多用される無塗装プラスチック
- エアコン吹き出し口とスイッチ類の処理の甘さ
- ドアトリムとピラー周りの硬質素材使用
- シンプルすぎるデザイン哲学による装飾の少なさ
- グレード間の内装差が大きすぎる問題
以下より、詳しく解説します。
【理由1】エントリーモデルのセンターコンソールに多用される無塗装プラスチック
アウディの内装で最も批判を受けているのが、センターコンソール周りの素材感です。
特にA1やA3といったエントリーモデルでは、無塗装のハードプラスチックが目立つ配置となっています。
実際のオーナーからは「触った瞬間にプラスチックの安っぽさを感じる」「高級車とは思えない質感」といった厳しい声が上がっています。
- シフトレバー周辺のパネル
- カップホルダー周りの素材
- センターアームレスト下部
- 収納ボックスの内側
これらの部分は運転中に頻繁に触れる場所だけに、質感の低さが特に気になってしまいます。
車男爵
【理由2】エアコン吹き出し口とスイッチ類の処理の甘さ
アウディの内装で次に指摘されるのが、エアコン吹き出し口周辺の仕上げの甘さです。
ルーバーの動きにカチャカチャという安っぽい音が伴い、操作感も軽すぎるという評価が目立ちます。
- ルーバーを動かすと発生するプラスチック音
- 風向き調整の節度感の不足
- 吹き出し口周辺のバリ(成型時の余分な部分)
- スイッチ類のクリック感の安っぽさ
特に静粛性の高い車内では、これらの操作音が余計に目立ってしまいます。
日本車の同価格帯モデルと比較しても、明らかに劣る部分があるのは事実です。
【理由3】ドアトリムとピラー周りの硬質素材使用
ドアを開けて最初に目に入るドアトリム。
ここでもハードプラスチックの使用が目立ち、高級感を損なう要因となっています。
Motor1.comの記事では、アウディ関係者自身が「ドアパネルやグローブコンパートメントのハードプラスチックは驚くほどシンプル」と認めています。
- ドア下部のトリム全体
- Bピラーのカバー部分
- リアドアのアームレスト下
- グローブボックス内部
これらの部分は、メルセデスベンツやBMWの同クラスモデルではソフトパッドが使用されることが多く、比較すると見劣りしてしまいます。
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【理由4】シンプルすぎるデザイン哲学による装飾の少なさ
アウディは「Less is more(少ないほど豊か)」というデザイン哲学を掲げています。
しかし、このミニマリズムが日本市場では「質素」「物足りない」と受け取られることが多いのです。
- 装飾的なステッチの少なさ
- クローム装飾の控えめな使用
- ダッシュボードの平面的なデザイン
- アンビエントライトの地味な演出
特に日本市場では、レクサスのような豪華な装飾を好む傾向があり、アウディのシンプルさは物足りなく感じられてしまいます。
しかし、これはデザインの方向性の違いであり、必ずしも品質の低さを意味するわけではありません。
【理由5】グレード間の内装差が大きすぎる問題
アウディで最も顕著な問題が、グレード間での内装品質の格差です。
ベースグレードとS line、さらに上級グレードでは、まるで別の車のような差があります。
- ベースグレード ⇒ ハードプラスチック中心
- S line ⇒ 部分的にソフトパッド採用
- 上級グレード ⇒ 本革とアルミニウムを多用
この差は他のドイツ車ブランドと比較しても極端で、「ベースグレードを選ぶと後悔する」という声が多く聞かれます。
実際、中古車市場でもS line以上のグレードの方が人気が高く、リセールバリューにも影響しています。
モデル別で安っぽいを検証!A1からA8まで内装クオリティ完全ガイド
アウディの内装品質は、モデルによって大きく異なります。
エントリーモデルからフラッグシップまで、価格帯が上がるにつれて内装の質感も劇的に向上していきます。
ここでは、各モデルの内装の実態を詳しく解説し、あなたの予算に合った最適な選択をサポートします。
- エントリーモデル(A1・A3)の内装の実態
- ミドルクラス(A4・A5・A6)で変わる質感
- フラッグシップ(A7・A8)の圧倒的な内装クオリティ
以下より、詳しく解説します。
エントリーモデル(A1・A3)の内装の実態
アウディのエントリーモデルであるA1とA3は、最も内装への批判が集中するモデルです。
価格を抑えるためのコストカットが随所に見られ、プレミアムブランドとしての期待に応えきれていない部分があります。
- A1の内装:コンパクトカーとしての限界と工夫
- A3の内装:ベースグレードとS lineの決定的な違い
以下より、各モデルの詳細を見ていきます。
A1の内装:コンパクトカーとしての限界と工夫
A1はアウディ最小のモデルとして、限られたコストの中で最大限の質感を実現しようとしています。
しかし、実際のオーナーからは厳しい評価が寄せられています。
- ダッシュボード全体がハードプラスチック
- ドアトリムにソフトパッドがほぼ皆無
- シートの質感が同価格帯の国産車以下
- 収納スペースの内装が簡素すぎる
一方で、デジタルメーターやMMIタッチといった最新のテクノロジーは標準装備されており、機能面では充実しています。
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A3の内装:ベースグレードとS lineの決定的な違い
A3では、グレードによる内装の差が特に顕著に現れます。
ベースグレードとS lineでは、まるで別の車のような違いがあります。
| 比較項目 | ベースグレード | S line |
| シート素材 | ファブリック | レザー/アルカンターラ |
| 装飾パネル | 無塗装プラスチック | アルミニウム調 |
| ステアリング | ウレタン | 本革巻き(パドルシフト付) |
| ペダル | ゴム製 | アルミニウム製 |
S lineを選択することで、内装の質感は大幅に向上します。
ミドルクラス(A4・A5・A6)で変わる質感
A4以上のミドルクラスになると、内装の質感が明らかに向上します。
プレミアムブランドらしい上質な素材が使われ始め、批判的な声も少なくなります。
- A4以上で採用される上質な素材と仕上げ
- バーチャルコックピットがもたらす先進性
これらの要素について詳しく見ていきましょう。
A4以上で採用される上質な素材と仕上げ
A4からは、ソフトパッドの使用範囲が大幅に拡大します。
ダッシュボード上部やドアトリムの肘が当たる部分など、触れる機会の多い場所に柔らかい素材が採用されています。
- ダッシュボード上部のソフトパッド
- ドアアームレストの本革巻き
- センターコンソールのピアノブラック仕上げ
- アルミニウム調の装飾パネル標準装備
特にA6では、オプションで本木目パネルも選択可能で、より高級感のある内装を実現できます。
バーチャルコックピットがもたらす先進性
アウディの代名詞とも言えるバーチャルコックピットは、内装の先進性を大きく高めています。
12.3インチの高解像度ディスプレイが、従来のアナログメーターを完全に置き換えています。
- カスタマイズ可能な表示レイアウト
- ナビゲーション地図の全画面表示
- スポーツモードでの専用デザイン
- 夜間でも見やすい高輝度ディスプレイ
このデジタル化により、物理的な素材の質感不足を技術でカバーしている側面もあります。
フラッグシップ(A7・A8)の圧倒的な内装クオリティ
A7とA8は、アウディの技術とクラフトマンシップの粋を集めたフラッグシップモデルです。
エントリーモデルとは別次元の内装クオリティを誇ります。
- 最高級素材のみで構成される室内空間
- 職人技が光る組み立て精度と静粛性
その圧倒的な品質を詳しく見ていきましょう。
最高級素材のみで構成される室内空間
A7・A8では、妥協のない素材選びが行われています。
触れる部分すべてに最高級の素材が使用され、プレミアムブランドの名に恥じない仕上がりです。
- バルコナレザーによる全面張り
- 本物のアルミニウムやカーボンファイバー
- ヨーロッパ産の天然木目パネル
- アルカンターラのヘッドライニング
これらの素材は見た目だけでなく、触感や経年変化まで考慮して選ばれています。
職人技が光る組み立て精度と静粛性
A8の内装は、ドイツ本国の熟練工による手作業で仕上げられています。
パネル間の隙間は0.5mm以下に管理され、どこを触ってもガタつきや軋み音は皆無です。
- 走行中の異音が一切発生しない
- 10年経過してもガタつきが出ない耐久性
- ドアの開閉音の重厚感
- スイッチ類の上質な操作感
車男爵
アウディvsベンツvsBMW 内装クオリティ徹底比較
ドイツ御三家と呼ばれるアウディ、メルセデスベンツ、BMW。
それぞれのブランドは独自の哲学を持ち、内装デザインにもその個性が色濃く反映されています。
ここでは、同価格帯のモデルを比較しながら、各ブランドの特徴と違いを明らかにしていきます。
- 同価格帯モデルで比較
- メルセデスベンツ|伝統的な高級感を重視した内装
- BMW|スポーティーさと上質さのバランス
- アウディ|先進性とミニマリズムの追求
以下より、詳しく解説します。
同価格帯モデルで比較
ドイツ御三家の中核を担うミドルクラスセダンで比較してみましょう。
アウディA4、メルセデスベンツCクラス、BMW 3シリーズは、いずれも500~700万円の価格帯で競合します。
| 比較項目 | アウディA4 | Cクラス | 3シリーズ |
| 基本的な質感 | シンプル・機能的 | 豪華・装飾的 | スポーティ・上質 |
| デジタル化 | 最先端 | バランス型 | 保守的 |
| 素材の質 | グレード差大 | 全体的に高品質 | 一貫して良好 |
| 静粛性 | やや劣る | 状況により変化 | 非常に高い |
各ブランドの特徴を詳しく見ていきましょう。
メルセデスベンツ|伝統的な高級感を重視した内装
メルセデスベンツは、伝統的なラグジュアリー感を大切にしています。
最新のCクラスでも、豪華さと先進技術を巧みに融合させた内装デザインが特徴です。
- アンビエントライトの豊富なカラーバリエーション(64色)
- タービンデザインのエアコン吹き出し口
- 大型ディスプレイとアナログ要素の融合
- ベースグレードでも上質な素材を使用
特にエントリーグレードでも手を抜かない姿勢は、アウディとの大きな違いです。
車男爵
一方で、操作系がタッチスクリーンに集約されすぎており、物理スイッチが少ない点は賛否が分かれます。
BMW|スポーティーさと上質さのバランス
BMWは「駆け抜ける歓び」を内装にも反映させています。
ドライバー中心の設計思想により、運転席周りの作り込みは特に秀逸です。
- ドライバー側に傾斜したセンターコンソール
- 物理ダイヤルを残したiDriveシステム
- スポーツシートの優れたホールド性
- 驚くほど高い静粛性
最新の3シリーズは、スポーティなモデルでありながら静粛性で他を圧倒しており、内装の質感向上に真剣に取り組んでいることがわかります。
アウディ|先進性とミニマリズムの追求
アウディは「技術による先進」を掲げ、デジタル化を最も推し進めています。
しかし、その分物理的な素材への投資が疎かになっている面は否めません。
- デジタル偏重による物理素材の軽視
- グレード間の品質差が極端
- コストカットの跡が見えやすい
- 静粛性で他社に遅れを取る
一方で、以下のような強みもあります。
- バーチャルコックピットの完成度
- 直感的な操作が可能なMMIシステム
- シンプルで飽きのこないデザイン
- S line以上での質感の高さ
車男爵
安っぽいを回避!アウディのグレード選びと必須オプション
アウディで満足度の高い1台を手に入れるには、適切なグレードとオプション選びが不可欠です。
ここでは、内装の質感を重視する方に向けて、後悔しない選び方を具体的にアドバイスします。
- グレード選びの鉄則|最低でもA4以上を狙うべき理由
- 必須オプション3選|内装の質感を劇的に向上させる装備
以下より、詳しく解説します。
グレード選びの鉄則|最低でもA4以上を狙うべき理由
アウディでプレミアムブランドらしい内装を求めるなら、最低でもA4以上のモデルを選ぶべきです。
その理由は、素材の質や組み立て精度に明確な差があるからです。
- ソフトパッドの使用範囲が大幅に拡大
- 標準装備が充実(バーチャルコックピット等)
- 遮音材の使用量が増え静粛性が向上
- リセールバリューが安定している
価格差は確かに大きいですが、長期的な満足度を考えると、その差額以上の価値があります。
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必須オプション3選|内装の質感を劇的に向上させる装備
アウディでは、オプション選択によって内装の印象が大きく変わります。
特に以下の3つは、内装の質感向上に直結する重要なオプションです。
- S lineパッケージで得られる特別な内装
- レザーパッケージの費用対効果
- アンビエントライティングで演出する高級感
それぞれの効果を詳しく見ていきましょう。
S lineパッケージで得られる特別な内装
S lineパッケージは、内装の質感を最も効果的に向上させるオプションです。
価格は30~50万円程度ですが、その効果は絶大です。
- スポーツシート(レザー/アルカンターラ)
- アルミニウム調装飾パネル
- S line専用ステアリングホイール
- ステンレススポーツペダル
- 専用フロアマット
これらの装備により、ベースグレードとは別次元の内装空間が実現します。
レザーパッケージの費用対効果
レザーパッケージは約40~60万円の高額オプションですが、長期的に見れば十分な価値があります。
- 全席本革シートによる統一感
- 経年劣化に強く10年以上使える耐久性
- 手入れが簡単で清潔を保ちやすい
- リセールバリューが15~20%向上
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アンビエントライティングで演出する高級感
アンビエントライティングは、夜間の車内の雰囲気を劇的に変えるオプションです。
価格は5~10万円程度と比較的手頃で、費用対効果は抜群です。
- 30色から選べるカラーバリエーション
- ドアトリムやセンターコンソールを美しく照明
- 夜間でも内装の質感が際立つ
- 同乗者からの評価が格段に向上
特に内装がシンプルなアウディでは、照明による演出効果が大きく感じられます。
アウディ購入前の内装チェックポイント
アウディの購入を検討する際は、実車での内装確認が極めて重要です。
カタログやWebサイトだけでは分からない質感や細部の仕上げを、自分の目と手で確かめましょう。
- 素材の質感
- シートのサポート性能
- スイッチ類の操作感と異音の有無
- 収納スペースの使い勝手と実用性
以下より、詳しく解説します。
素材の質感の見極め方
内装の素材は、実際に触れてみないと質感は分かりません。
特に以下のポイントを重点的にチェックしましょう。
- ダッシュボードを軽く押して硬さを確認
- ドアトリムの肘が当たる部分の柔らかさ
- プラスチック部分の厚みと剛性感
- レザーシートの手触りと張りの状態
中古車の場合は、経年劣化の兆候も見逃さないようにしましょう。
シートのサポート性能
シートは長時間のドライブ快適性を左右する重要な要素です。
実際に座って、以下の点を確認しましょう。
- サイドサポートの効き具合
- 腰部のサポート調整機能
車男爵
スイッチ類の操作感と異音の有無
アウディの内装で問題になりやすいのが、スイッチ類の操作感です。
すべてのスイッチを実際に操作して、品質を確認しましょう。
- エアコン吹き出し口のルーバー
- パワーウィンドウスイッチ
- センターコンソールの各種ボタン
- グローブボックスの開閉
カチャカチャという安っぽい音がする場合は、そのグレードの品質レベルを表しています。
収納スペースの使い勝手と実用性
ドイツ車全般に言えることですが、収納スペースは日本車と比べて少なめです。
日常使いでストレスにならないか、しっかり確認しましょう。
- ドアポケットが浅く500mlペットボトルが不安定
- センターコンソールボックスが小さい
- グローブボックスの容量不足
- 後席用の収納がほぼ皆無
これらの点を理解した上で購入すれば、後悔することはないでしょう。
まとめ
アウディの内装品質について、実際のオーナーの声や専門家の評価を基に詳しく検証してきました。
- 2021年以降のモデルで内装品質の低下が顕著になり、アウディ自身もこの問題を認めています。
- 特にエントリーモデル(A1・A3)のベースグレードでは、ハードプラスチックの多用により「安っぽさ」を感じやすくなっています。
- 一方で、A4以上のモデルやS lineグレードを選べば、プレミアムブランドにふさわしい内装品質を得られます。
アウディの内装が「安っぽい」と言われる主な理由は以下の5つでした。
- エントリーモデルでの無塗装プラスチックの多用
- エアコン吹き出し口やスイッチ類の仕上げの甘さ
- ドアトリムやピラー周りの硬質素材使用
- 日本市場では「質素」に見えるシンプルすぎるデザイン
- グレード間での品質差が極端に大きい
ドイツ御三家の比較では、メルセデスベンツは全グレードで一定の品質を保ち、BMWは静粛性と質感のバランスに優れていることが分かりました。
アウディはデジタル技術では先行していますが、物理的な素材への投資では後れを取っています。
アウディで満足度の高い1台を選ぶためのポイント:
- 最低でもA4以上のモデルを選ぶ
- S lineパッケージは必須オプション
- レザーシートは長期的に見て価値がある
- 購入前の実車確認を徹底する
アウディは確かに「良くも悪くも割り切りが明確」なブランドです。
しかし、適切なモデルとグレードを選べば、先進的なデジタル技術と洗練されたデザインを楽しめる、魅力的なプレミアムカーであることに変わりありません。
購入を検討される方は記事を参考に、ご自身の予算と求める品質レベルに合った最適な1台を見つけてください。


