「そろそろタイヤ交換の時期だな」と思ったとき、多くの方がまず悩むのが「どこでタイヤ交換をしたらいいのか」という点ですよね。
ディーラー、カー用品店、タイヤ専門店、ネット通販など様々な選択肢がありますが、特にディーラーでの交換は「高い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、ディーラーでのタイヤ交換は他と比べて高いのか?について検証しました。
この記事では、ディーラーと他の業者のタイヤ交換料金を徹底比較、ディーラー交換のメリット・デメリットも解説してます。

ディーラーのタイヤ交換は本当に高い?カー用品店&タイヤ専門店と比較
結論からいうと、ディーラーでのタイヤ交換は、他の業者に比べて平均40%程度高くなります。これは、タイヤ本体価格、交換工賃、その他付帯費用を全て含めた総額で比較した場合の結果です。
実際に16インチタイヤ(205/55R16:カローラやシビックなどの人気車種に使用)を4本交換する場合の総費用を、販売チャネル別に比較してみましょう。
比較項目 | ディーラー | カー用品店 | タイヤ専門店 (オートウェイ) |
タイヤ専門店 (タイヤフッド) |
タイヤ本体価格 (ECOPIA等/1本) |
28,000円~30,000円 | 18,000円~22,000円 | 15,400円 | 19,580円 |
交換工賃 (1本) |
2,000円~4,000円 | 2,200円 | 2,420円 | 込み |
バルブ交換料 (1本) |
500円~1,000円 | 550円 | 330円 | 込み |
廃タイヤ処分料 (1本) |
250円~500円 | 550円~660円 | 770円 | 込み |
4本総額 | 120,000円~140,000円 | 84,000円~98,000円 | 75,680円 | 78,320円 |
この比較から明らかなように、全く同じブリヂストンECOPIAタイヤを4本交換する場合でも、ディーラーとタイヤ専門店では約40%の価格差が生じることがあります。特徴的なのは以下の点です。
- ディーラー(タイヤ本体価格が最も高く、4本総額が12~14万円程度)
- カー用品店(オートバック・イエローハット)(タイヤ本体価格がディーラーより30%ほど安く、4本総額が8~10万円程度)
- オートウェイ(タイヤ本体価格が最安で、バルブや廃タイヤ料を合わせても安い)
- タイヤフッド(工賃込みの明瞭価格設定で分かりやすい)
車男爵
ディーラーが高くなる4つの仕組み
なぜディーラーでのタイヤ交換は他の業者に比べて高くなるのでしょうか?その理由には、以下の4つの要因があります。
- ① タイヤ本体が定価販売(値引きが基本ない)
- ② 工賃が高い
- ③ タイヤ処分料・バルブ交換料がフル加算
- ④ 持ち込み不可で囲い込み(価格競争が働かない)
以下より、詳しく解説します。
① タイヤ本体が定価販売(値引きが基本ない)
ディーラーは基本的にタイヤを定価で販売しています。これは、ディーラーのビジネスモデルが「車両販売」をメインとしており、タイヤ販売は追加サービスとして位置づけられているためです。
ディーラーは取り扱うタイヤに利益を上乗せして販売価格を設定しているため、タイヤ専門店や通販サイトのような大量仕入れによるコスト削減や値引き競争が起きにくい環境にあります。
また、ディーラーで販売するタイヤは一般的に「純正タイヤ」や「OEMタイヤ」と呼ばれるものが多く、メーカー指定の高品質なタイヤを提供していることも価格が高くなる一因となっています。
車男爵
② 工賃が高い
ディーラーでのタイヤ交換工賃は、一般的に1本あたり2,000円~4,000円と設定されています。これに対してカー用品店では1,100円~2,200円、タイヤ専門店ではさらに安価な場合があります。
工賃が高い理由は、以下のような点が挙げられます。
- 専門教育を受けた整備士による高品質な作業
- タイヤ交換だけでなく足回りの点検など総合的なサービスの提供
- メーカー独自のトレーニングを受けたスタッフによる技術力
- 快適な待合スペースやドリンクサービスなどの付加価値
③ タイヤ処分料・バルブ交換料がフル加算
ディーラーでのタイヤ交換では、タイヤ本体価格と工賃に加えて、廃タイヤ処分料(250円~500円/本)とバルブ交換料(500円~1,000円/本)が別途必要となります。これらの付帯費用も合わせると、4本交換の場合で3,000円~6,000円の追加費用が発生します。
一方、タイヤフッドのようなオールインクルーシブの料金体系を採用している業者では、これらの費用が全て込みになっているため、見た目以上に差が開くことになります。
④ 持ち込み不可で囲い込み(価格競争が働かない)
多くのディーラーでは、自分で購入したタイヤの持ち込み交換を基本的に受け付けていないか、受け付けていても通常の1.5倍程度の割増工賃を設定しているケースが一般的です。
この「持ち込み制限」によって、ユーザーはディーラーが販売するタイヤを購入せざるを得ない状況になります。つまり、価格競争が働きにくい「囲い込み」の状態となり、結果的に高価格が維持されるのです。
車男爵
タイヤをディーラーで交換するメリット・デメリット
ディーラーでのタイヤ交換は高額になりがちですが、それでも選ぶ価値があるケースがあります。ここでは、メリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
- メリット
- デメリット
以下より、詳しく紹介します。
メリット
1. 車種に最適なタイヤ選びと専門知識
ディーラーの最大の強みは、自社メーカー車に関する深い知識を持っていることです。車種の特性に合わせたタイヤを提案し、快適な乗り心地や燃費を実現できるよう専門的なアドバイスを受けられます。
2. 高い安全性と信頼の技術力
ディーラーでは、メーカー直系の技術トレーニングを受けた整備士がタイヤ交換を行います。これにより、適切なトルク管理、エア圧調整、バランス調整が行われ、安全性が確保されます。
また、タイヤ交換と同時に足回りを丁寧に点検してくれるため、潜在的な問題を早期に発見できるメリットもあります。
3. 充実したアフターサービス
ディーラーはアフターサービスが充実していることも特徴です。タイヤ交換後に問題が発生した場合のフォローアップや、お得な車検パッケージなど総合的なサービスを提供しています。
4. 快適な顧客体験と時間の節約
多くのディーラーでは、待合室が快適に整備されており、無料のドリンクサービスやWi-Fiなどが提供されています。
また、一部のディーラーでは、自宅まで車を引き取りに来てくれるサービスもあり、忙しい方にとっては時間の節約になります。
デメリット
1. 高価格
最大のデメリットは、やはり価格の高さです。同じタイヤでも、ディーラーでの購入・交換はタイヤ専門店やネット通販に比べて30~40%ほど高くなります。特に複数のタイヤを交換する場合は、価格差が大きく開きます。
2. タイヤ選択の制限
ディーラーでは取り扱うタイヤブランドやモデルが限られていることが多く、選択肢が少ない傾向にあります。価格帯の異なる様々なタイヤから選びたい場合は、選択肢が限られてしまいます。
3. 作業に時間がかかる
ディーラーでは整備スタッフが常駐していない場合も多く、アポなしでは即日対応が難しいこともあります。また、タイヤ交換と同時に総合点検なども行うため、カー用品店などに比べて作業時間が長くなる傾向があります。
4. 持ち込み不可または割増料金
前述のとおり、多くのディーラーでは自分で購入したタイヤの持ち込み交換に対応していないか、割増料金を設定しているケースが多いです。これにより、より安価なタイヤを自分で調達してコストを抑えることが難しくなります。
ディーラー交換がおすすめの人・あまり向かない人
ディーラーでのタイヤ交換は、誰にでも最適というわけではありません。どのような人に向いているのか、向いていないのかを見ていきましょう。
- おすすめの人
- あまり向かない人
以下より、詳しく紹介します。
おすすめの人
1. 安全性や品質を最優先する人
価格よりも安全性や品質を重視する方にとって、メーカー推奨のタイヤと確かな技術力を持つディーラーは最適な選択肢です。安心して愛車を任せることができます。
2. 車に詳しくない人
タイヤの知識が少なく、専門家のアドバイスが必要な方には、ディーラーのプロフェッショナルなサポートが役立ちます。車種に適したタイヤの選択から、適切な交換時期のアドバイスまで受けられます。
3. 高級車・輸入車のオーナー
高級車や輸入車を所有している方は、車種特性を熟知したディーラーでの交換がおすすめです。特に特殊なタイヤサイズや、車両特性に合わせた専門的な調整が必要な場合に安心です。
4. 総合的なメンテナンスを希望する人
タイヤ交換と同時に総合的なメンテナンスを希望する方には、ディーラーでの一貫したサービスが適しています。タイヤ交換のついでに車検や点検、オイル交換などをまとめて依頼できます。
あまり向かない人
1. 価格重視の人
単純にタイヤ交換コストを抑えたい方には、ディーラーはおすすめできません。同じ品質のタイヤをより安価に交換したい場合は、タイヤ専門店やネット通販の方が適しています。
2. 自分でタイヤを選びたい人
様々なブランドやモデルから自分でタイヤを選びたい方にとって、ディーラーの限られた選択肢は物足りないでしょう。より多くの選択肢を求める方は、品揃えの豊富なタイヤ専門店やカー用品店をおすすめします。
3. 急いでいる人
急いでタイヤ交換をしたい方には、予約が必要で作業時間も長めになりがちなディーラーよりも、即日対応可能なカー用品店やタイヤ専門店の方が向いています。
4. 持ち込みタイヤで交換したい人
自分で調達したタイヤで交換したい方には、持ち込み不可または割増料金のディーラーは不向きです。
車男爵
タイヤを安く交換したいなら専門店がおすすめ
ディーラーよりも安価にタイヤ交換をしたい場合、特におすすめなのがネット系タイヤ専門店です。代表的な2社を紹介します。
- とにかく安さを追求するなら「オートウェイ」
- パンク保証の充実させたいなら「タイヤフッド」
以下より、詳しく紹介します。
とにかく安さを追求するなら「オートウェイ」
オートウェイは、国内最大級のタイヤ通販サイトで、圧倒的な低価格が最大の魅力です。特に以下のような特徴があります。
ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーなどの有名メーカーから、コスパに優れた海外メーカーまで幅広く取り扱っています。
さらに、全国3,500店以上の提携店ネットワークを持っており、タイヤを購入する際に近くの取付店を指定できるため、配送と取付が一度に完結します。
また、ディーラー価格と比較すると、同じタイヤでも最大40%ほど安く購入できるのもオートウェイの大きな魅力です。
車男爵

パンク保証の充実させたいなら「タイヤフッド」
タイヤフッドは、三菱商事グループと大手カー用品店「オートバックス」が共同運営する安心のタイヤ通販サイトです。以下のような特徴があります。
タイヤ本体、工賃、バルブ交換、廃タイヤ処分料など全てを含んだ「コミコミ価格」を表示しているため、わかりやすく安心です。
また、オートバックスを含む全国4,600以上の取付提携店でタイヤ交換が可能で、ネットで予約から決済まで完結できます。
さらに、全てのタイヤに6ヶ月間の無料パンク保証が付いており、有料オプションで最大24ヶ月まで延長可能です。
タイヤフッドのパンク保証は3種類あり、標準の6ヶ月ベーシック保証のほか、有料で12ヶ月スタンダード保証や24ヶ月プレミアム保証にアップグレードできます。
特に24ヶ月プレミアム保証では、1本パンクしても条件によっては4本まるごと新品交換が可能になる手厚い保証内容となっています。
車男爵
まとめ
ディーラーでのタイヤ交換は、他の業者と比較して確かに高額になりがちです。この価格差が生じる理由は、以下の4つの要因が重なることによるものです。
- タイヤ本体が定価販売(値引きが基本ない)
- 工賃が高い
- タイヤ処分料・バルブ交換料がフル加算
- 持ち込み不可で囲い込み(価格競争が働かない)
これらの要因により、同じタイヤでも最大40%もの価格差が生まれています。
しかし、ディーラーでのタイヤ交換には、車種に最適なタイヤの提案や高い技術力、丁寧なアフターサービスなど、価格以外の価値も存在します。
安全性を最重視する方や、車に詳しくない方、高級車オーナーの方などにはメリットがあります。
一方で、できるだけ安くタイヤを交換したい場合は、ネット系タイヤ専門店の「オートウェイ」や「タイヤフッド」が大変おすすめです。
特にタイヤフッドは工賃込みの明瞭価格設定で、初めての方でも安心して利用できるでしょう。