「タイヤ交換が出来ない男はダサい」と言われて傷ついた経験はありませんか?
昔は「男ならタイヤ交換くらいできないと」と言われることもありましたが、現代の車両はタイヤ交換の難易度が格段に上がっています。
実は、タイヤ交換でのミスによる事故は年間800件近く報告されており、安全面からもプロに任せるのが賢明な選択と言えるのです。
この記事では、タイヤ交換ができない男性に対する世間の本音や、いざという時の対処法まで詳しく解説します。
結論|タイヤ交換できない男性=ダメ男ではない
結論から言えば、「タイヤ交換ができない男性」はダメではありません。
むしろ、安全性と車の性能維持を考えれば、専門家に任せる判断力こそが現代の賢い選択です。
今や車は高度に複雑化し、タイヤ交換も専門知識と適切な工具、そして経験が必要な作業になっています。
国土交通省の調査によれば、タイヤが外れる「脱輪・脱落事故」は2003年4月から2020年3月末までの間に計794件発生しており、毎年平均47件のペースで発生しています。
DIYでの失敗が高額修理費(5~15万円)につながるケースもあり、プロに依頼するのは「安全意識の高さ」の表れともいえるでしょう。
車男爵
男ならタイヤ交換出来るべき?女性・男性の本音
「男ならタイヤ交換くらいできるべき」という意見もありますが、実際の調査結果を見ると、性別に関わらず多くの人がタイヤ交換を自分でしていないのが現実です。
- 女性の本音
- 男性の本音
以下より、女性と男性それぞれの本音について詳しく解説します。
女性の本音
女性からの意見を調査したところ、「タイヤ交換ができない=魅力がない」とは考えていないことがわかりました。
Yahoo!知恵袋の「タイヤ交換できない男性をどう思いますか?」という質問に対する女性からの回答では、以下のような意見が見られました。
- 「できなくても普通」という意見が大多数
- 「プロに頼む方が安全で、それを選べる判断力を評価する」
- 「タイヤ交換より人間性や思いやりの方が大切」
また、日本グッドイヤーが実施した自動車保有者400名を対象とした調査によると、女性自身もタイヤ交換をDIYする割合は10%未満であり、大多数がプロに依頼しています。
参考
自動車を保有する男女400人に聞いた「タイヤ」に関する意識・実態調査日本グッドイヤー
男性の本音
男性自身の間でも、タイヤ交換をプロに任せる傾向が強まっています。
「教えて!goo」の投稿によれば、「タイヤ交換ができないのは恥ずかしい」という質問に対し、多くの男性が以下のように回答しています。
- 「昔はできたが、今の車は複雑になって自分でやらなくなった」
- 「若い世代では自分でやる人の方が少数派」
- 「安全のためにプロに任せる選択は正しい」
実際、日本グッドイヤーの調査では、自分でタイヤ交換を行う割合は50代男性が最も高いものの約45%に留まり、若い世代ではさらに低い割合となっています。
参考
自動車を保有する男女400人に聞いた「タイヤ」に関する意識・実態調査日本グッドイヤー
車男爵
タイヤ交換!DIY&プロの費用と時間比較
タイヤ交換は自分でやるべきか、プロに頼むべきか、費用と時間の観点から比較してみましょう。
DIY | プロ | |
費用 | 工具(ジャッキ、インパクトレンチなど)の初期投資で2~3万円 | 工賃は4本で3,000~10,000円程度(持ち込み交換の場合) |
時間 | 初心者なら4本で2~3時間、経験者でも1時間以上 | 実作業は約30分(予約待ち時間を除く) |
費用については、DIYは工具が必要で初期投資がかかることに注意しましょう。
時間においても、DIYは慣れない人だと4本で2~3時間もかかるのに対し、プロは30分程度と時間のロスもありません。
また、技術面や安全性では、DIYは誤った作業で高額修理リスクがあるため注意が必要です。
車男爵
一昔前とは違う!タイヤ交換の難度と危険性
かつてのタイヤ交換と現代のタイヤ交換では、作業の難易度に大きな差があります。
- 最近の車はDIY難度が急上昇している
- DIYで失敗!脱輪事故で修理費15万円もあり
以下より、現代の車におけるタイヤ交換の難しさについて詳しく解説します。
最近の車はDIY難度が急上昇している
最近の車は、かつての車と比べてタイヤ交換の難易度が格段に上がっています。その理由として、以下のポイントが挙げられます。
- 多くの新車にTPMSが搭載され、交換時に専用機器でのリセットやセンサー学習が必要
- 誤った作業でセンサーを損傷すると、修理費用が発生(1個あたり1~2万円)
- 16インチ以上の大径ホイールが増加し、重量も増加(1本20kg超も珍しくない)
- 複雑な形状のホイールは取り付け位置のミスが生じやすい
- 車種ごとに適切なトルク値が設定され、トルクレンチでの精密な締め付けが必要
- 締め付けトルク不足・過剰はどちらも事故につながる危険性あり
2022年からは日本においても、新車へのTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)搭載が義務化の動きがあり、自分でタイヤ交換する際の難易度はさらに上昇しています。
車男爵
DIYで失敗!脱輪事故で修理費15万円もあり
タイヤ交換の失敗は軽微なものから重大事故につながるものまで様々です。特に多いのが、ホイールナットの締め付け不良による脱輪事故です。
国土交通省の調査によると、車輪脱落事故の主な発生原因は「タイヤ交換時の作業不備」と「タイヤ交換後の保守管理の不備」の2つと推定されています。
DIYでのタイヤ交換失敗による主な事例と修理費用は以下の通りです。
- 被害状況 ⇒ ホイールハブの破損、ブレーキディスクの損傷、足回り部品の破損
- 修理費用 ⇒ 10~15万円
- 被害状況 ⇒ ホイールハブのネジ山破損、ボルト折れ
- 修理費用 ⇒ 5~8万円
- 被害状況 ⇒ サイドシルやジャッキアップポイントの変形・破損
- 修理費用 ⇒ 3~7万円
- 被害状況 ⇒ 振動発生、ホイールベアリングの早期摩耗
- 修理費用 ⇒ 2~5万円
タイヤ交換後は「増し締め」と呼ばれる作業が必要です。タイヤ交換直後に50~100km走行後、再度ナットの締め付け具合を確認する作業ですが、DIYでは忘れがちな作業です。
タイヤ交換が出来ない男でも頼れる方法3選
タイヤ交換を自分で行わなくても、安全かつ効率的に任せられる方法はいくつもあります。
- ① カー用品店(オートバックス・イエローハット)へ持参
- ② JAF・ロードサービス付き自動車保険を活用
- ③ タイヤ専門店で保管+履き替えセット契約
以下より、それぞれの方法について詳しくメリットや利用方法を解説します。
① カー用品店(オートバックス・イエローハット)へ持参
タイヤ交換を任せる最も一般的な方法が、カー用品店での持ち込み交換です。
- 予約制で待ち時間が少ない(繁忙期を除く)
- 工賃が明確で比較的安価(4本で3,000~10,000円程度)
- TPMSリセットなどの専門作業にも対応
- 作業後の増し締めも依頼可能な店舗あり
- 事前に電話またはWebで予約(特に季節の変わり目は混雑するため必須)
- 予約時間に車とタイヤを持参
- 作業完了まで店内で待機(30分~1時間程度)
カー用品店のタイヤ交換工賃を比較した調査によると、2024年5月時点の持ち込みタイヤ交換工賃(4本・16インチ)はオートバックスで6,600円、イエローハットで5,500円となっています。
② JAF・ロードサービス付き自動車保険を活用
急なパンクや出先でのタイヤトラブルでは、ロードサービスを利用するのが便利です。
- 年会費 ⇒ 4,000円程度
- スペアタイヤ交換サービス ⇒ 無料(パンク修理は別途費用)
- 全国対応で24時間365日利用可能
- スペアタイヤがない車両も対応(近くの修理工場までのレッカー)
- 保険料に含まれるためサービス単体の追加費用なし
- 保険会社により対応範囲・内容に差あり
- スペアタイヤ交換やパンク時の応急処置に対応
- 年間利用回数に制限あり(多くは1~2回まで)
JAFによれば、スペアタイヤがない車種の場合でも、最寄りの修理工場などへのレッカーけん引サービスが利用可能です。
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③ タイヤ専門店で保管+履き替えセット契約
季節ごとのタイヤ交換が発生する地域では、タイヤ保管サービス付きの履き替えパックがおすすめです。
- タイヤの保管場所が不要(マンション住まいの方に特におすすめ)
- 交換時期をお店が管理し、連絡してくれる
- 長期契約で1回あたりの交換費用が割安に
- 保管中のタイヤメンテナンスも実施(店舗による)
- 履き替え工賃 ⇒ 3,000~6,000円/回
- 保管料金 ⇒ 5,000~12,000円/年(タイヤサイズにより変動)
- 2年パック契約などでさらに割引あり
日本グッドイヤーの調査によれば、約2人に1人(49.0%)がシーズン毎のタイヤ交換に煩わしさを感じていることがわかっています。このようなサービスはその煩わしさを大幅に軽減できます。
参考
自動車を保有する男女400人に聞いた「タイヤ」に関する意識・実態調査日本グッドイヤー
簡易ステップ|もし出先でパンクしたらどう行動する?
万が一の出先でのパンクに遭遇した場合、冷静に対処することが重要です。車種によって対応方法が異なるため、自分の車のタイプを把握しておきましょう。
- スペアタイヤ搭載車|安全帯に停車→非常点灯→ロードサービス連絡
- パンク修理キット搭載車|安全帯に停車→非常点灯→修理キット使用
以下より、車種別の対応方法について詳しく解説します。
スペア搭載車|安全帯に停車→非常点灯→ロードサービス連絡
タイヤがパンクして車を動かせない場合の対処法として、保険の「ロードアシスタンス特約」に加入しておけば、スタッフが現場に急行して「スペアタイヤ交換」などの対応をしてくれます。
参考
パンク修理代は自動車保険で補償される?タイヤの交換方法や保険が適用される事例を解説教えて!おとなの自動車保険
車男爵
パンク修理キット搭載車|安全帯に停車→非常点灯→修理キット使用
最近の車は、スペアタイヤの代わりにパンク修理キットが搭載されていることが多くなっています。
パンク修理キットは、タイヤのトレッド面(接地面)のパンクを一時的に修理するための応急処置用です。
サイドウォール(側面)のパンクや大きな損傷には対応できないため、そのような場合はロードサービスを利用しましょう。
パンク修理キットによる応急処置の場合、修理後は80km/h以下の速度で走行し、なるべく早く専門店で正式な修理または交換を行う必要があります。
車男爵
まとめ
タイヤ交換ができるかどうかは、「男らしさ」とは無関係です。現代の複雑化した車両では、安全を優先してプロフェッショナルに任せる選択肢こそが賢明と言えます。
タイヤ交換を自分でしない理由として、以下のポイントがあります。
- 現代の車両は複雑化(TPMSの普及や大径ホイール化でDIY難度が上昇)
- 安全リスクの回避(国土交通省データによると、タイヤ脱落事故は年間約47件発生)
- コスト効率の観点(DIYでの失敗で修理費が5~15万円かかるケースも)
- 時間と労力の節約(プロの作業は迅速で、保管サービスなどで手間も削減可能)
「自分でできることは自分でやる」という姿勢は大切ですが、現代の高度な技術を要する整備作業では、「できないことはプロに任せる判断力」もまた重要なスキルです。
車男爵
タイヤ交換に限らず、自分の車を安全に維持するための知識を持ち、適切なサポートを利用する選択肢を持つことが、現代のドライバーに求められている賢い姿勢ではないでしょうか。
工具や体力、車の装備が多様化する現代では、「できない=ダメ」という単純な図式は通用しません。むしろ安全を最優先に考え、プロに頼る判断力を持つことこそが、真の意味での「かっこいい男性」と言えるのではないでしょうか。