「スキーには行きたいけれど、年に数回のためにスタッドレスタイヤを買うのは保管場所も費用も大変」
そう考えて、オールシーズンタイヤでのスキー場アクセスを検討している方も多いのではないでしょうか。
確かに、最近のオールシーズンタイヤは性能が向上しており、多少の雪道なら走れるようになっています。しかし、行き先や路面状況によっては「登れない」「止まれない」という命に関わる事態に陥るリスクも潜んでいます。
特に、関東からのアクセスで人気のある「苗場スキー場」などは、道中に難所があり、安易な装備で向かうと立ち往生の原因になりかねません。
この記事では、オールシーズンタイヤでスキーに行くための「条件」と、決して超えてはいけない「限界ライン」について解説します。
オールシーズンタイヤでスキーに行く前に!知っておくべき知識

結論から言うと、オールシーズンタイヤでスキーに行けるかどうかは、道の「難易度」によって変わります。
特に「雪」には強くても「氷」には弱いという特性を理解しておく必要があります。ここでは、オールシーズンタイヤで雪山を目指す際に知っておくべき基本的な知識について解説します。
- 結論|高速はOKでもスキー場手前の「坂と氷」が最大の壁
- 基礎知識①|チェーン規制は「タイヤ問わず全車装着」が必須
- 基礎知識②|オールシーズンタイヤはス「ノーフレークマークあり」を推奨
- 注意|圧雪でも過信禁物!特に「アイスバーン」に弱い
以下より、詳しく解説します。
結論|高速はOKでもスキー場手前の「坂と氷」が最大の壁

高速道路は除雪体制が整っているため、オールシーズンタイヤでも問題なく走行できるケースが大半です。しかし、本当に恐ろしいのはインターチェンジを降りてからの「ラストワンマイル」、つまりスキー場手前の一般道です。
特にスキー場直前の急な坂道や、日陰で凍結した路面(アイスバーン)は、オールシーズンタイヤにとって最大の難所となります。
車男爵
実際、JAF(日本自動車連盟)が行ったユーザーテストでは、厳しい現実が明らかになっています。
- 勾配12%の圧雪路における坂道途中からの発進テストを実施
- スタッドレスタイヤとタイヤチェーン装着車は再発進して登りきれた
- オールシーズンタイヤはスリップして登りきることができなかった
このように、スタッドレスタイヤならクリアできる坂道でも、オールシーズンタイヤでは登れなくなる可能性があります。
高速道路を順調に走ってきても、目的地手前の最後の坂で立ち往生してしまうリスクがあることを、まずは強く認識しておく必要があります。
基礎知識①|チェーン規制は「タイヤ問わず全車装着」が必須

「オールシーズンタイヤはチェーン規制が出たら走れないの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。これには、規制の種類による明確な違いがあります。
NEXCOなどの高速道路会社が実施する規制には、主に「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」の2種類があります。
- 冬用タイヤ規制 ⇒ スタッドレスやスノーフレークマーク付きオールシーズンタイヤなら通行可能
- チェーン規制 ⇒ タイヤの種類に関わらず、チェーンを装着していない車は通行不可
「冬用タイヤ規制」であれば、適切なオールシーズンタイヤで通行できます。
しかし、大雪特別警報レベルの緊急時に発令される「チェーン規制」の場合、たとえ最高級のスタッドレスタイヤを履いていても、チェーンを巻かなければ通行できません。
車男爵
JAFの解説でも、チェーン規制時には「チェーン装着」が必要になる前提で説明されています。つまり、オールシーズンタイヤでスキーに行くなら、万が一のチェーン規制に備えてチェーンの携行は必須と言えます。
参考
雪道走行の際の注意点や冬用タイヤ規制・チェーン規制について教えてください。NEXCO東日本
基礎知識②|オールシーズンタイヤは「スノーフレークマークあり」を推奨

すべてのオールシーズンタイヤが冬の高速道路を走れるわけではありません。「冬用タイヤ規制」をクリアするためには、タイヤ側面に特定の刻印があるかどうかが重要になります。
- スリーピーク・マウンテン・スノーフレーク(3PMSF) ⇒ 山の中に雪の結晶が描かれたマーク
- M+S(マッド&スノー) ⇒ 泥と雪に対応していることを示す表記
ミシュランのCrossClimateシリーズのように、「スリーピーク・マウンテン・スノーフレーク(3PMSF)」の刻印があるタイヤは、国際基準で冬用タイヤとしての性能が認められており、高速道路の冬用タイヤ規制時もそのまま走行可能です。
一方で、「M+S」表記しかないタイヤの場合、現場の警察官や係員の判断によっては、積雪量が多い状況などで通行不可とされるリスクがあります。
車男爵
参考
MICHELIN CROSSCLIMATE 3日本ミシュランタイヤ
注意|圧雪でも過信禁物!特に「アイスバーン」に弱い

オールシーズンタイヤで最も警戒すべきなのは、雪が踏み固められて鏡のようになった「圧雪路」や、完全に凍りついた「氷盤路(アイスバーン)」です。
前述の通り、オールシーズンタイヤは低温下でゴムが硬くなりやすく、氷の表面に密着する能力がスタッドレスタイヤより劣ります。
JAFのユーザーテストにおいて、時速40kmから氷盤路で急ブレーキをかけた際の制動距離(止まるまでの距離)のデータが公表されています。
- スタッドレスタイヤ ⇒ 78.5m
- オールシーズンタイヤ ⇒ 101.1m
- ノーマルタイヤ ⇒ 105.4m
このデータから分かるように、氷の上ではオールシーズンタイヤはノーマルタイヤとほとんど変わらないほど止まりにくいという衝撃的な事実があります。スタッドレスタイヤと比較すると、実に20m以上も制動距離が伸びてしまいます。
参考
突然の雪でも「オールシーズンタイヤ」なら大丈夫? スタッドレレスとの違いとはくるまのニュース
車男爵
また、JAFは氷盤路において、チェーン装着が最も短い距離で停止できたという結果も示しています。このことからも、凍結路面が予想されるシーンでは、オールシーズンタイヤ単体で挑むのではなく、チェーンの活用が合理的であると言えます。
【難易度1】一般道の走行距離が短い

オールシーズンタイヤでスキーに行く場合、最も重要な戦略は雪道を走る距離を極限まで短くすることです。
一般道は高速道路に比べて除雪が遅れることがあり、凍結リスクも高いため、インターチェンジからスキー場までの距離が短いほど安全性が高まります。ここでは、特に雪道走行距離を短く抑えやすいスキー場を紹介します。
- 【長野】佐久スキーガーデンパラダ|PA直結で一般道を回避しやすい
- 【長野】軽井沢プリンスホテルスキー場|晴天率が高く雪道区間が短い傾向
それでは、それぞれのスキー場の特徴を見ていきましょう。
【長野】佐久スキーガーデンパラダ|PA直結で一般道を回避しやすい
佐久スキーガーデンパラダは、日本で唯一の高速道路直結スキー場です。
上信越自動車道の佐久平パーキングエリア(PA)に車を停め、そのままジャンボエスカレーターに乗ってゲレンデへ向かうことができます。
車男爵
- 高速道路(上信越道)を降りずに利用可能
- 練馬ICから約150kmとアクセス良好
- 晴天率90%(公式発表)と天候が安定している傾向
施設側も高速道路を降りずに施設利用ができると謳っており、雪道運転に不安があるドライバーにとっては心理的なハードルが低いスキー場と言えます。
ただし、高速道路自体がチェーン規制になる可能性はゼロではないため、油断は禁物です。
【長野】軽井沢プリンスホテルスキー場|晴天率が高く雪道区間が短い傾向
軽井沢プリンスホテルスキー場も、雪道リスクを低減しやすいスキー場の一つです。
上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから約13km(平常時約14分)というアクセスの良さに加え、このエリアは比較的晴天率が高く、路面がドライである確率が高い傾向にあります。
軽井沢駅南口からは徒歩約10分という立地のため、駅周辺の道路も除雪が行き届いていることが多いです。
しかし、「晴天率が高い」=「凍結しない」ではありません。
軽井沢は標高が高く気温が低いため、日陰に残った雪が溶けて再凍結したブラックアイスバーンが発生しやすいエリアでもあります。
路面に雪がなくても凍結している可能性があるため、スタッドレスタイヤやチェーンの準備を怠らないようにしましょう。
【難易度2】インター激近でも坂があると難易度が上がる

インターから近いというだけで油断してはいけません。
地図上では数キロの距離でも、その区間が急な登り坂であったり、日陰の凍結路であったりする場合、オールシーズンタイヤでは登りきれずに立ち往生(スタック)するリスクが急激に高まります。
ここでは、アクセスは良いものの「最後の坂」に注意が必要なスキー場を挙げます。
- 【群馬】ノルン水上スキー場|インター3kmだが急坂区間に注意
- 【山梨】ふじてんスノーリゾート|朝イチの路面凍結を警戒せよ
以下より、詳しく解説します。
【群馬】ノルン水上スキー場|インター3kmだが急坂区間に注意
ノルン水上スキー場は、関越自動車道の水上ICから約3km(車で5分)と、非常にアクセスが良いことで知られています。
しかし、この短い区間には罠があります。インターチェンジ(標高約530m)からスキー場ベース(標高約830m)までの間に、標高差約300mを一気に駆け上がる急な登り坂が存在するのです。
- ICから近いが、ずっと上り坂が続く
- 降雪時はスタック車両が発生しやすい
- 運営側も「坂道を登る前にチェーン装着」を呼びかけている
実際に運営側のSNSでも、坂道の手前でのチェーン装着を推奨する投稿が見られます。
また、JAFのテスト結果でも示されている通り、勾配のある圧雪路ではオールシーズンタイヤは再発進が困難になることがあります。
車男爵
参考
ノルン水上 アクセス情報 ずっと上り坂で降雪時はスタック注意るたけブログ
【山梨】ふじてんスノーリゾート|朝イチの路面凍結を警戒せよ
富士山の麓に位置するふじてんスノーリゾートも、河口湖ICなどから約13km(国道139号経由)とアクセス良好です。
しかし、標高が高い富士山麓エリアは、夜間の冷え込みが厳しく、早朝の路面凍結(アイスバーン)が頻発します。
- 雪がなくても路面が凍結していることが多い
- 公式情報でも積雪時は「ノーマル不可」「スタッドレスまたはチェーン」と明言
- 分岐後の約5kmの区間で路面状況が悪化しやすい
ふじてん公式(現地情報アカウント)でも、積雪15cmの条件下で「ノーマルタイヤでは来れない」「スタッドレスまたはチェーン装着で来場」を強く呼びかける投稿がありました。
日中は溶けていても、朝イチのアクセス時はカチカチに凍っていることがあります。オールシーズンタイヤの苦手な「氷」の路面になりやすいため、チェーンの携行は必須と考えましょう。
参考
ふじてんスノーリゾート公式ツイートX(旧Twitter)
【難易度3】苗場など峠越えはオールシーズンタイヤの難所

ここからは、いよいよオールシーズンタイヤにとっての「鬼門」とも言えるエリアです。
本格的な峠越えが必要なスキー場は、標高が高く、路面状況も刻一刻と変化します。オールシーズンタイヤ単体での到達は困難になる可能性が高いため、十分な覚悟と準備が必要です。
- 【新潟】苗場スキー場|三国峠越えはチェーン装着場所の把握も必須
- 【群馬】丸沼高原スキー場|標高が高く路面凍結リスク大
それぞれの難所の特徴と対策について、詳しく解説します。
【新潟】苗場スキー場|三国峠越えはチェーン装着場所の把握も必須
関東からのアクセスで人気の高い苗場スキー場ですが、ここへ辿り着くためには国道17号線の難所「三国峠」を越える必要があります。
関越自動車道「月夜野IC」からスキー場までは約33km、時間にして約50分の道のりですが、この区間は標高差のある連続カーブが続きます。
- 急勾配と急カーブが連続する山岳道路
- トンネルの出入り口付近は路面凍結(ブラックアイスバーン)が多発
- 安全にチェーンを装着できる場所(チェーンベース)が限られている
レポートでも触れられている通り、三国峠の山岳区間に入ると、安全に停車してチェーンを装着できる退避スペースは極めて限定的になります。
「まだ行けるだろう」と判断を遅らせて峠道に突入し、途中の凍結路面で進めなくなってしまうと、Uターンも停車もできず、後続車を巻き込んだ深刻な立ち往生を引き起こすことになります。
車男爵
参考
大雪時の道路交通確保に向けた取り組みについて(注意喚起)国土交通省
【群馬】丸沼高原スキー場|標高が高く路面凍結リスク大
丸沼高原スキー場は、関越自動車道の沼田ICから国道120号経由で約37km(約50分)の位置にあります。
このスキー場の特徴は、何と言ってもその標高の高さです。ベースエリアの標高が高いため雪質は良いのですが、それは同時に気温が極めて低く、路面が凍結しやすい環境であることを意味します。
- 標高が高いため、平地が雨でも現地は雪や氷であることが多い
- 日陰部分の路面凍結リスクが非常に高い
- スタッドレスタイヤ推奨エリアである
るるぶ等の観光情報でも、アクセスには冬用タイヤやチェーンが必要であることが示されています。
特に、日中でも日陰になっているカーブなどは、一見濡れているだけに見えても凍結している(ブラックアイスバーン)可能性が高く、オールシーズンタイヤの苦手なシチュエーションです。好天予報以外の日や、冷え込みが厳しい日は、チェーンなしでのアクセスは避けるのが無難です。
スキーに行く際の「チェーン」と「スタッドレス」の考え方

ここまで見てきた通り、オールシーズンタイヤでのスキー場アクセスは、場所と条件を選べば可能です。
しかし、山の天気や路面状況は変わりやすく、絶対はありません。結論として、オールシーズンタイヤで雪山に入る以上、チェーンの携行は原則として必須と考えるべきです。
- お守りとして「非金属チェーン」を常備
- スキー頻度が高いならスタッドレス「購入」か「レンタル」
- チェーンなしor装着が不安なら「運転しない」(新幹線+バス/チェーン確約のレンタカー)
それぞれの対策について、具体的に解説します。
お守りとして「非金属チェーン」を常備
「チェーン規制」や「予期せぬ凍結」、「スタックからの脱出」に備えて、必ずタイヤチェーンを車に積んでおきましょう。
チェーンには大きく分けて「金属製」「非金属(ゴム・樹脂製)」「布製」の3タイプがありますが、オールシーズンタイヤの補助として常備するなら、耐久性のある「非金属チェーン」がおすすめです。
- 金属チェーンよりも走行時の振動や騒音が少ない
- 乾燥路面を走っても切れにくい耐久性がある
- ジャッキアップ不要で装着できるタイプが多い
JAFやJATMA(日本自動車タイヤ協会)の資料によると、金属チェーンは積雪・凍結路以外での走行(乾燥路走行)に弱く、切れやすい傾向があります。
高速道路のトンネル内など、乾燥路面が混在するルートを走る場合、耐久性のある非金属チェーンの方が、着け外しの手間や破損リスクを減らせるため合理的です。
布製カバー(オートソック等)は軽量で装着も簡単ですが、耐久性が低く緊急脱出用としての側面が強いです。長距離の走行には不向きなため、あくまで予備として考えましょう。
スキー頻度が高いならスタッドレス「購入」か「レンタル」
もし、シーズン中に3回以上スキーに行く予定があるなら、オールシーズンタイヤよりも氷上性能に優れたスタッドレスタイヤを用意した方が、圧倒的に安全で快適です。
もちろんスタッドレスタイヤでも「チェーン規制(全車装着規制)」時にはチェーンが必要になりますが、それ以外の多くの雪道ではそのまま走行できるため、毎回チェーンを巻く手間やリスクを大幅に減らすことができます。
保管場所がないという方には、以下の選択肢があります。
- 格安購入 + タイヤ保管サービス ⇒ カー用品店などでタイヤを預かってもらう
- タイヤレンタル ⇒ 必要な期間だけスタッドレスタイヤを借りて履き替える
最近では、東京や埼玉などの都市部で、スキーに行く数日間だけスタッドレスタイヤを貸し出してくれる「タイヤレンタルサービス」も増えています。
購入して保管場所に悩むよりも、必要な時だけ高性能なスタッドレスを借りる方が、コストパフォーマンスと安全性のバランスが良い賢い選択と言えるでしょう。
チェーンなしor装着が不安なら「運転しない」(新幹線+バス/チェーン確約のレンタカー)
「チェーンを巻く自信がない」「雪道運転が怖い」という場合は、無理に自分の車で運転しないという判断が最も安全で確実です。
- 新幹線 + バス・タクシー ⇒ 越後湯沢駅からバスで苗場まで約45分
- スタッドレス・チェーン確約のレンタカー ⇒ 雪道装備が万全な車を借りる
例えば苗場スキー場へは、越後湯沢駅から路線バスや急行バスが出ており、平常時で約45分で到着します。
また、レンタカーを利用する場合は、必ず「スタッドレスタイヤ装着」に加えて「チェーンの携行(持込可否)」も事前に確認しましょう。レンタカーであっても、チェーン規制時にはチェーンがないと通行できない点は同じだからです。
雪道で後悔しないための「オールシーズンタイヤ」スキー運用術

オールシーズンタイヤで雪山へ向かう場合、スタッドレスタイヤ以上にシビアな状況判断と準備が求められます。
タイヤの性能限界を知り、それを補うための正しい運用ルールを守ることで、事故やトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。ここでは、雪道で後悔しないための具体的な運用術を解説します。
- 出発前の判断|スキー場の天気予報で「寒波・大雪」なら撤退する
- 装備の鉄則|チェーンは「用途」で使い分ける
- 運転のコツ|「急」操作厳禁と車間距離で限界をカバー
以下より、詳細なノウハウを解説します。
出発前の判断|スキー場の天気予報で「寒波・大雪」なら撤退する
最も重要かつ効果的なリスク回避策は、「危険な日は行かない」という勇気ある決断です。
国土交通省なども、大雪が予想される場合は「不要不急の外出を控える」よう呼びかけています。特に以下のような予報が出ている場合は、オールシーズンタイヤでのアクセスは諦めるべきです。
- 「警報級の大雪」や「寒波」の予報が出ている
- 高速道路で広範囲なチェーン規制や通行止めが予測される
- 夜間の移動(気温低下による路面凍結リスクが最大化するため)
これらの条件下では、プロドライバーや高性能スタッドレスタイヤ装着車であっても立ち往生するリスクがあります。
ましてや氷上性能に不安のあるオールシーズンタイヤで突っ込むのは、無謀と言わざるを得ません。「迷ったら行かない」が、事故を防ぐ最大のテクニックです。
参考
大雪時の道路交通確保に向けた取り組みについて国土交通省
装備の鉄則|チェーンは「用途」で使い分ける
チェーンを携行する際、どのようなタイプを選ぶかも重要なポイントです。
JAFの分類などに基づき、自分の目的に合ったチェーンを準備しましょう。基本的には、「長く使うか、緊急用か」で選び分けます。
- 非金属チェーン(ゴム・樹脂) ⇒ 峠越えなどでしっかり走行する予定がある場合に推奨
- 布製カバー(オートソック等) ⇒ あくまでスタック時の緊急脱出用や予備として携行
本格的な峠越えを想定するなら、耐久性と走破性に優れた「非金属チェーン」が適しています。
一方、布製カバーは安価で軽量ですが、長距離走行には向きません。「万が一のための保険」としてトランクに入れておく用途であれば、場所を取らない布製カバーも賢い選択肢の一つです。
運転のコツ|「急」操作厳禁と車間距離で限界をカバー
雪道運転の基本は「急発進」「急ブレーキ」「急ハンドル」を避けることですが、オールシーズンタイヤの場合はさらに慎重な運転が必要です。
前述した通り、氷の上ではスタッドレスタイヤよりも制動距離が大幅に伸びる傾向があります。
車男爵
- 車間距離を通常の2倍以上、十分に空ける
- カーブの手前で十分に減速し、カーブ中はブレーキを踏まない
- 日陰や橋の上など、凍結しやすい場所を予測して早めに減速する
これらは「予知運転」と呼ばれるものです。タイヤの性能限界を、ドライバーの技術と慎重さでカバーする意識を持ちましょう。
特に下り坂では、重量のある車ほど止まりにくくなります。エンジンブレーキを活用し、フットブレーキだけに頼らない運転を心がけてください。
オールシーズンタイヤでスキーに行く人のよくある質問

最後に、オールシーズンタイヤでスキーに行く際によくある疑問についてお答えします。
- オールシーズンタイヤ+チェーンだけでスキー場まで行ける?
- 4WDならオールシーズンタイヤのみでも雪道は大丈夫?
- 高速道路でチェーン規制が出たらどこで巻けばいい?
以下より、それぞれの疑問に回答します。
オールシーズンタイヤ+チェーンだけでスキー場まで行ける?
結論としては、条件が合えば可能です。
多くのスキー場へは、除雪された道路とオールシーズンタイヤの性能、そして難所でのチェーン装着を組み合わせることで到達できます。
ただし、頻繁にスキーに行く場合や、北海道・東北などの厳寒地へ行く場合は、毎回チェーンを巻く手間やリスクを考えると、スタッドレスタイヤへの履き替えを強くおすすめします。
4WDならオールシーズンタイヤのみでも雪道は大丈夫?
これは大きな誤解です。4WDは「進む力(駆動力)」は強いですが、「止まる力(制動力)」や「曲がる力」は2WDと変わりません。
車男爵
登り坂はグイグイ登れても、下り坂のカーブで止まれずにガードレールに衝突するという事故は、4WD車でも頻繁に起きています。
4WDであっても、オールシーズンタイヤの氷上性能の限界は同じですので、凍結路では慎重な運転とチェーンの準備が必要です。
高速道路でチェーン規制が出たらどこで巻けばいい?
チェーン規制が発令されると、規制区間の手前にあるパーキングエリア(PA)、サービスエリア(SA)、または臨時のチェーン着脱場(チェーンベース)に誘導されます。
そこでチェーン装着の確認が行われ、装着していない車はそれ以上先へ進むことができません。
路上や路肩でのチェーン装着は、後続車にはねられる危険性があり、また渋滞の原因にもなるため絶対に行ってはいけません。必ず指定された安全な場所で装着してください。
規制区間に入ってから慌てないよう、早めの情報収集と、手前の施設での装着準備を心がけましょう。
まとめ

オールシーズンタイヤでのスキー場アクセスについて、条件やリスク、具体的な対策を解説しました。
- オールシーズンタイヤは「雪」には強いが「氷」には弱い特性がある。
- 高速道路は走れても、スキー場手前の「坂道」と「凍結」が最大の難所になる。
- 苗場などの峠越えルートでは、オールシーズンタイヤ単体での到達は高リスク。
- 万が一の規制やスタックに備え、チェーンの携行は原則「必須」である。
「スタッドレスを買わずに済ませたい」という気持ちは分かりますが、雪山では「安全」が最優先です。
無理のない範囲でオールシーズンタイヤを活用しつつ、状況に応じてチェーンを使ったり、レンタカーや公共交通機関を選んだりする柔軟な判断が、楽しいスキー旅行を守る鍵となります。

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1本だけパンクしても、条件によっては最大4本すべてを新品に交換できる手厚い保証内容となっています。
保証上限額は最大10万円(税込)で、この金額内であればタイヤ代金・交換料金・送料がすべてカバーされます。雪道など過酷な環境を走る機会が増えるなら、万全の備えができるタイヤフッドでの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
車男爵

