北欧スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ。
世界で初めて3点式シートベルトを開発し、その特許を無償公開するなど、「世界一安全な車」というブランドイメージで知られています。
しかし、インターネット上では「ボルボは買ってはいけない」という声も少なくありません。
年間維持費の高さ、故障リスク、リセールバリューの低さなど、購入を躊躇させる要因が多く挙げられています。
この記事では、ボルボを買ってはいけないと言われる5つの理由と、それらを解消する具体的な方法を詳しく解説します。
車男爵
ボルボを買ってはいけないと言われる5つの理由
ボルボの購入を検討している方が知っておくべき、買ってはいけないと言われる5つの理由をお伝えします。
- 【理由1】年間維持費30万円以上?高額な維持費の実態
- 【理由2】電装系を中心に故障が多い?信頼性への不安
- 【理由3】3年で半額に?リセールバリューの低さ
- 【理由4】地方では特に不便?ディーラー網の少なさ
- 【理由5】年収600万円以上必要?高い購入ハードル
以下より、詳しく解説します。
【理由1】年間維持費30万円以上?高額な維持費の実態
ボルボの維持費は、年間約30~32万円(月々約2.7~3万円)かかるとされています。
実際のオーナーの報告では、2年間で72万円の維持費がかかったケースもあり、これは月々3万円に相当します。
- 車検費用 ⇒ 7~15万円(修理なしの場合でも)
- 輸入車特有の部品代の高さ
- 専門知識を要する整備費用
- 保険料が国産車より高額
特に注意すべきは、車種別の予備費用の推奨額です。
- V40クラス ⇒ 常時30万円を用意
- V60・XCクラス ⇒ 常時50万円を用意
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【理由2】電装系を中心に故障が多い?信頼性への不安
ボルボの故障に関しては、賛否両論の意見が存在します。
「故障しやすい」という声がある一方で、「国産車より故障が少ない」という意見もあり、実態は複雑です。
- 電装系のトラブル(センサー類の不具合)
- CVT(無段変速機)の不具合
- ブレーキマスターシリンダーの故障
- ターボエンジンのオイル漏れ
故障が多いと言われる背景には、日本とスウェーデンの環境差があります。
- 高温多湿な日本の気候 ⇒ 電装系への負担増
- 北欧仕様の設計 ⇒ 日本の環境に完全適合していない
- 定期的なメンテナンスの必要性 ⇒ 怠ると故障リスク上昇
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【理由3】3年で半額に?リセールバリューの低さ
よく言われる、「3年で半額」という言葉は極端に聞こえるかもしれませんが、ボルボを含む輸入車のリセールバリューは国産車と比較すると確かに見劣りするのが現実です。
実際の市場データを見てみましょう。
車種・カテゴリー | 1年後 | 3年後 | 5年後 |
ボルボ XC40 | 15~70% | 50~63% | 45~50% |
ボルボ XC60 | 65~71% | 50~57% | 45~51% |
ボルボ XC90 | 60~69% | 45~58% | 40~45% |
輸入車平均(SUV) | 60~70% | 40~50% | 35~45% |
国産SUV(人気車種) | 80~90% | 80~99% | 60~80% |
※残価率は車両の状態、走行距離、色、グレードによって大きく変動します。上記は2024年~2025年の市場データに基づく一般的な目安です。
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特に人気の国産SUVでは3年後でも80~99%という高い残価率を維持している車種がある一方で、ボルボのSUVは3年後には45~63%程度まで下落してしまうのが現状です。
- 日本での輸入車需要の限定性
- 維持費の高さによる中古車需要の低下
- 新車価格の高さによる値下がり幅の大きさ
- モデルチェンジによる旧型の価値低下
- 部品供給や整備体制への不安
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このように、リセールバリューの低さは総所有コストを大きく押し上げる要因となっており、購入時には十分な検討が必要です。
【理由4】地方では特に不便?ディーラー網の少なさ
日本全国のボルボディーラー数は58社、新車販売店舗数は104店舗(2023年時点)です。
これは国産車メーカーと比較して圧倒的に少ない数字です。
- 最寄りのディーラーまで片道1時間以上かかる地域も
- 緊急時の対応が困難
- 定期メンテナンスのたびに遠出が必要
- 代車の受け取りや返却も手間
特に地方在住の方にとっては、メンテナンスのハードルが高くなってしまいます。
都市部では比較的ディーラーへのアクセスは良好ですが、東京・大阪・名古屋などの大都市圏に集中している傾向があります。
【理由5】年収600万円以上必要?高い購入ハードル
ボルボの新車価格は、エントリーモデルでも高額です。
- EX30(電気自動車) ⇒ 559万円~
- V60(ステーションワゴン) ⇒ 649~919万円
- XC60(ミッドサイズSUV) ⇒ 789~879万円
車両価格に加えて、年間30万円以上の維持費を考慮すると、相応の経済力が必要になります。
- 頭金 ⇒ 140万円(20%)
- ローン返済 ⇒ 月々約10万円(5年ローン)
- 維持費 ⇒ 月々約3万円
- 合計 ⇒ 月々約13万円の支出
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買ってはいけない理由を解消!ボルボと上手く付き合う方法
上記の問題点を解決し、満足度の高いボルボライフを送るための具体策を紹介します。
- 【解消1】維持費を年間10万円以上削減する3つの方法
- 【解消2】故障を未然に防ぐ予防整備スケジュール
- 【解消3】リセールバリューを最大化する購入戦略
- 【解消4】ディーラー以外の頼れるサービス網構築法
- 【解消5】年収500万円台でも買える!賢い購入プラン
以下より、詳しく解説します。
【解消1】維持費を年間10万円以上削減する3つの方法
高額な維持費も、工夫次第で大幅に削減可能です。
- 保険の見直し
- 整備工場の使い分け
- PHEVモデルの活用
以下より、各方法を詳しく見ていきます。
保険の見直し
自動車保険は複数社で見積もりを取ることで、年間2~3万円の節約が可能です。
- ネット型保険への切り替え ⇒ 代理店型より20~30%安い
- 車両保険の見直し ⇒ 新車から3年目以降は限定型も検討
- 運転者限定・年齢条件の適切な設定
- ゴールド免許割引の活用
整備工場の使い分け
すべての整備をディーラーで行う必要はありません。
- 保証修理・リコール ⇒ ディーラー(無料)
- 定期点検・車検 ⇒ ボルボ専門の独立系工場(20~30%安い)
- オイル交換・タイヤ交換 ⇒ カー用品店(最も安価)
- 複雑な電装系修理 ⇒ ディーラー(専門知識が必要)
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PHEVモデルの活用
プラグインハイブリッド(PHEV)モデルを選ぶことで、燃料費を大幅に削減できます。
- 日常の通勤は電気のみで走行可能
- ガソリン代を月1万円以上節約
- エコカー減税の適用
- 環境性能割の軽減
【解消2】故障を未然に防ぐ予防整備スケジュール
定期的な予防整備により、大きな故障の70%以上は防げると言われています。
- エンジンオイル交換 ⇒ 5,000km毎または6ヶ月毎
- ブレーキフルード交換 ⇒ 2年毎
- 冷却水交換 ⇒ 2年毎
- エアフィルター交換 ⇒ 1年毎
- バッテリー点検 ⇒ 6ヶ月毎
特に電装系トラブルの予防には、以下の対策が効果的です。
- 定期的な診断機によるエラーチェック
- バッテリー電圧の維持管理
- コネクター部の清掃・防錆処理
- ソフトウェアアップデートの実施
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また、保証延長プログラムの活用も重要です。
ボルボの延長保証は最長5年まで加入可能。電装系の高額修理もカバーされるため、結果的に維持費を抑えられます。
【解消3】リセールバリューを最大化する購入戦略
リセールバリューを考慮した賢い購入により、売却時の損失を最小限に抑えられます。
- 人気色を選ぶ ⇒ 白・黒・シルバーが基本
- 人気グレードを選ぶ ⇒ 中間グレードが狙い目
- SUVモデルを優先 ⇒ XC40、XC60は需要が高い
- PHEVモデルも検討 ⇒ 環境意識の高まりで需要増
また、点検や車の乗り方でもリセールバリューを少しでも高くする事は可能です。
- 定期的なディーラー整備記録を残す
- 走行距離を抑える(年間1万km以内)
さらに、認定中古車として売却する方法も効果的です。
- ディーラーでの整備履歴が評価される
- 一般買取より10~15%高く売却可能
- 次のオーナーへの保証継承でさらに高評価
【解消4】ディーラー以外の頼れるサービス網構築法
ディーラーが遠くても、代替のサービス網を構築すれば安心です。
- 「ボルボ 専門店 + 地域名」で検索
- ボルボオーナーズクラブで情報収集
- 中古車販売店併設の整備工場をチェック
- 元ディーラーメカニックの独立店を探す
最新の遠隔診断サービスも活用できます。
- Volvo On Call ⇒ 車両の状態をスマホで確認
- 遠隔診断 ⇒ エラーコードの読み取り
- オンラインサポート ⇒ トラブル時の初期対応
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【解消5】年収500万円台でも買える!賢い購入プラン
工夫次第で、年収500万円台でもボルボオーナーになれます。
- 認定中古車の活用
- 残価設定ローンの利用
- サブスクリプションサービス
以下より、各プランの詳細を解説します。
認定中古車の活用
- 新車の60~70%の価格で購入可能
- 最長2年の保証付き
- 整備済みで安心
- 低走行の優良車が多い
残価設定ローンの利用
- 月々の支払いを30~40%削減
- 3~5年後に買取・返却・乗り換えを選択
- 車検費用も月々の支払いに含められる
サブスクリプションサービス
ボルボは「SMAVO(スマボ)」というサブスクリプションサービスを提供しています。
- 頭金0円で乗り始められる
- 保険・税金・メンテナンスすべて込み
- 月々定額で家計管理が簡単
- 3年後に乗り換えも可能
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ボルボは選ぶ価値がある!3つのメリットとは?
懸念点を理解した上で、なおボルボを選ぶメリットを解説します。
- 【メリット1】世界トップクラスの安全性能
- 【メリット2】環境への配慮とサステナビリティ
- 【メリット3】北欧デザインと快適な車内空間
以下より、詳しく解説します。
【メリット1】世界トップクラスの安全性能
ボルボの安全性能は、世界の自動車メーカーの中でもトップクラスです。
- ユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得(EX30)
- 米国IIHSから2024年トップセーフティピックプラスに選出(XC90)
- SIPSとサイドエアバッグで胸部重傷を50%以上軽減
- 3点式シートベルトを世界で初めて開発
実際の事故でも、その安全性は証明されています。
2020年11月、徳島県で起きた特急電車とボルボXC40の衝突事故では、列車との衝突にもかかわらず車のダメージは少なく、乗員も軽傷で済みました。
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【メリット2】環境への配慮とサステナビリティ
ボルボは環境先進ブランドとして、業界をリードしています。
- 2030年までに販売台数の90~100%を電動車両に
- 車両一台あたりのCO2排出量を65~75%削減(2018年比)
- 全モデルが電動化済み(PHEVまたは48Vハイブリッド)
- サステナブルな素材の積極採用
将来的な環境規制を考えると、電動化に積極的なボルボは賢い選択と言えるでしょう。
【メリット3】北欧デザインと快適な車内空間
ボルボの魅力は、シンプルで機能的な北欧デザインにもあります。
- ミニマルで洗練された外観デザイン
- 人間工学に基づいた快適なシート
- クリーンで直感的なインテリア
- 長距離ドライブでも疲れにくい設計
車男爵
ボルボを買っても後悔しない人の3つの特徴
ボルボオーナーとして満足度が高い人の共通点を分析します。
- 【特徴1】安全性と環境性能を重視する人
- 【特徴2】計画的なメンテナンスができる人
- 【特徴3】ブランドの哲学に共感できる人
以下より、詳しく解説します。
【特徴1】安全性と環境性能を重視する人
車の本質的価値を理解し、ブランドの理念に共感できる人は、ボルボに満足する傾向があります。
- 家族の安全を最優先に考える人
- 環境負荷の少ない車を選びたい人
- 長期的な視点で車を選ぶ人
- ブランドの社会的責任を重視する人
【特徴2】計画的なメンテナンスができる人
予防整備の重要性を理解し、長期的な視点で車と付き合える人は、ボルボと良好な関係を築けます。
- 定期点検を欠かさない
- 整備記録をきちんと管理する
- 異音や違和感を放置しない
- 予算に整備費用を組み込んでいる
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【特徴3】ブランドの哲学に共感できる人
北欧の価値観とライフスタイルに魅力を感じる人は、ボルボオーナーとしての満足度が高い傾向にあります。
- 「Less is More」のデザイン哲学
- 人と環境を大切にする企業姿勢
- 派手さより実用性を重視する価値観
- 長く使い続けることを前提とした設計
2025年最新!買うべきボルボ・避けるべきボルボ
最新モデルラインナップから、初心者にも安心のモデルを厳選します。
- コスパ最強のおすすめモデルTOP3
- 初心者は避けるべきモデルと理由
- 電動化モデル(EV・PHEV)は買いか?
以下より、詳しく解説します。
コスパ最強のおすすめモデルTOP3
初めてのボルボとして、維持費と価格のバランスが良いモデルを厳選しました。
順位 | モデル名 | 価格帯 | おすすめ理由 |
第1位 | XC40 | 500万円台~ | コンパクトで扱いやすく、維持費も比較的安い |
第2位 | V60 | 649~919万円 | 実用性の高いワゴン、PHEVモデルも選択可 |
第3位 | XC60 | 789~879万円 | 人気No.1のミドルSUV、リセールも良好 |
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初心者は避けるべきモデルと理由
維持費が高額になりやすい上級モデルは、初心者にはハードルが高いです。
- XC90 ⇒ 大型SUVで維持費が最も高額
- S90 ⇒ フラッグシップセダン、部品代が高い
- V90 ⇒ 大型ワゴン、駐車場選びも困難
- 年間維持費が50万円を超えることも
- タイヤサイズが大きく交換費用が高額
- 燃費が悪く、ハイオク指定
- 修理時の部品調達に時間がかかる
電動化モデル(EV・PHEV)は買いか?
ボルボの電動化モデルは、使い方次第で大きなメリットがあります。
- EV(電気自動車)モデル
- PHEV(プラグインハイブリッド)モデル
以下より、それぞれの特徴を解説します。
EV(電気自動車)モデル
- ボルボ最小・最安価のEV
- 補助金活用で実質400万円台も可能
- 都市部での使用に最適
- 維持費が圧倒的に安い
EX30は2024年の販売が好調で、日本市場でもEVの需要が高まっていることを証明しました。
PHEV(プラグインハイブリッド)モデル
- 日常は電気のみで走行可能(約50km)
- 長距離もガソリンで安心
- 燃料費を大幅削減
- 環境性能と実用性の両立
車男爵
まとめ|ボルボは「買い方と付き合い方」次第で最高の車になる
ボルボには確かに「買ってはいけない」と言われる理由があります。
- 年間30万円以上の維持費
- 電装系を中心とした故障リスク
- リセールバリューの低さ
- 少ないディーラー網
- 高い購入価格
しかし、これらの問題点は適切な対策と工夫で十分に解消可能です。
保険の見直しや整備工場の使い分けで維持費を削減し、予防整備で故障を防ぎ、賢い購入戦略でリセールバリューを最大化する。さらに、認定中古車やサブスクリプションを活用すれば、年収500万円台でもボルボオーナーになれます。
何より、ボルボには他のブランドにはない確かな価値があります。
- 世界トップクラスの安全性能で家族を守る
- 環境に配慮した持続可能なモビリティ
- 時代に左右されない北欧デザイン
- 長く愛用できる堅実な作り
結論として、ボルボは「安全性と環境性能を重視し、計画的なメンテナンスができ、ブランドの哲学に共感できる人」にとって、最高のパートナーとなる車です。
車男爵