車を購入してから3年という節目は、多くのドライバーにとって乗り換えるかどうかの重要な判断時期となります。
「まだまだ乗れるのに買い替えるのはもったいない」と感じる方もいれば、「新しい車に乗り換えたい」と考える方もいるでしょう。
実は、3年での乗り換えは、条件次第では長期保有よりも経済的にお得になるケースがあります。
この記事では、車を3年で乗り換えることのメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたにとって最適な選択ができるようサポートします。
【結論】車の3年乗り換えが得になる人・損をする人とは?
車の3年乗り換えは、すべての人にとってお得というわけではありません。
ライフスタイルや車の使い方、経済状況によって、得する人と損する人がはっきりと分かれます。
- 得になる人
- 損をする人
以下より、それぞれの特徴を詳しく解説します。
得になる人
車の3年乗り換えで得をする人には、明確な特徴があります。
- 常に最新の車に乗りたい人 ⇒ 最新の安全装備や燃費性能を享受できる
- 安全装備や最新技術を重視する人 ⇒ 3年ごとに進化する先進技術の恩恵を受けられる
- 年間走行距離が1万km程度の人 ⇒ 3年で3万km以下なら高い査定額を維持できる
- 年間走行距離が2万km以上の人 ⇒ 10万km超えの大幅減額前に売却できる(3年なら6万km程度)
- リセールバリューの高い車種を選べる人 ⇒ 残価率66%以上なら長期保有よりコスパが良い
- 車のメンテナンスに手間をかけたくない人 ⇒ 保証期間内で故障リスクが低く維持費を抑制できる
- 3年完済の短期ローンが組める人 ⇒ 売却時に残債がなくスムーズに乗り換えできる
特に重要なのは、3年後の残価率(リセールバリュー)が66%以上の車種を選ぶことです。
人気のSUVやトヨタのランドクルーザー、アルファードなどは、3年後でも新車価格の60~70%で売却できる可能性があります。
車男爵
また、年間走行距離が少ない方は、3年後の査定でも高評価を得やすく、乗り換えのメリットを最大限に活かせます。
損をする人
一方で、3年乗り換えが経済的に不利になる人もいます。
- 5年以上の長期ローンを組んでいる人 ⇒ 3年時点で残債が多く一括返済や借り換えの負担が大きい
- 車に愛着を持って長く乗りたい人 ⇒ まだ乗れる車を手放すことに精神的な抵抗がある
- 初期費用の負担が大きいと感じる人 ⇒ 諸費用20~30万円を3年ごとに支払う必要がある
- 買い替えの手間を面倒に感じる人 ⇒ 車選びから売却まで数か月の時間と労力が必要
- リセールバリューの低い車種を選んでしまう人 ⇒ 不人気車や特殊な色は残価率40%以下になることも
- 車の価値より実用性を重視する人 ⇒ まだ十分使える車を売却損を出して手放すことになる
特に問題となるのは、5年ローンを組んでいる場合の残債処理です。
3年で乗り換える場合、残り2年分のローンを一括返済するか、新しいローンに組み込む必要があり、金銭的負担が大きくなります。
車男爵
【メリット】車を3年で乗り換えるで得られる利益
3年周期で車を買い替えることには、経済的なメリットだけでなく、安全性や快適性の面でも多くの利点があります。
- 常に最新の車に乗れる安心感
- 大きな故障が少なく維持費が抑えられる
- 車検費用を支出しなくて済む
- 高いリセールバリューで車を手放せる
- 任意保険の新車割引を継続できる
以下より、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
常に最新の車に乗れる安心感
3年ごとの乗り換えで得られる最大のメリットは、常に最新の安全装備と技術を享受できることです。
自動車の技術革新は目覚ましく、特に安全装備は年々進化しています。
- 衝突被害軽減ブレーキの精度向上
- 車線維持支援システムの高度化
- アダプティブクルーズコントロールの進化
- スマートフォン連携機能の充実
- 燃費性能の向上(ハイブリッド技術など)
例えば、3年前の車と最新モデルを比較すると、燃費性能で10~20%の改善が見られることも珍しくありません。
ガソリン価格が高騰している現在、この燃費差は年間の維持費に大きな影響を与えます。
車男爵
大きな故障が少なく維持費が抑えられる
新車から3年以内は、メーカー保証期間内であることが大きなメリットです。
一般的に新車のメーカー保証は「3年間または6万km」となっており、この期間内であれば多くの故障が無償で修理されます。
- エンジン・トランスミッションの大きな故障
- エアコンコンプレッサーの故障
- パワーステアリングの不具合
- バッテリー交換(通常3~5年で交換)
- タイヤ交換(年1万km走行なら3~4年で交換)
- ブレーキパッド交換(通常3~5万kmで交換)
実際のコスト比較でも、3年ごとに乗り換える場合と9年間同じ車に乗り続ける場合で、トータルコストにそれほど大きな差がないことが分かっています。
| 項目 | 3年ごとに乗り換え(9年間) | 9年間同じ車に乗る |
| 車検代 | 0円 | 約61万円 |
| タイヤ代 | 0円 | 約12万円 |
| バッテリー代 | 0円 | 約4万円 |
| 車両代(差額) | 300万円 | 250万円 |
| 合計 | 300万円 | 327万円 |
※車両価格260万円、3年後の下取り160万円、9年後の下取り10万円で計算
車検費用を支出しなくて済む
新車の初回車検は購入から3年後に実施されます。
3年以内に乗り換えることで、車検費用を一切支払わずに済むのは大きなメリットです。
- 軽自動車 ⇒ 6~8万円
- 普通車(1,500cc) ⇒ 8~10万円
- 普通車(2,000cc) ⇒ 10~12万円
- 大型車(3,000cc以上) ⇒ 12~15万円
これらの費用には、法定費用(自賠責保険料、重量税、印紙代)と整備費用が含まれています。
3年ごとの乗り換えなら、この費用を次の車の購入資金に充てることができます。
車男爵
高いリセールバリューで車を手放せる
3年落ちの車は、中古車市場で「高年式車」として扱われ、高い需要があります。
一般的に、新車から3年後のリセールバリューは新車価格の50~60%程度とされています。
- トヨタ ランドクルーザー ⇒ 70~80%
- トヨタ アルファード ⇒ 65~70%
- スズキ ジムニー ⇒ 65~75%
- ホンダ N-BOX ⇒ 60~65%
- マツダ CX-5 ⇒ 55~60%
特に人気のSUVや軽自動車は、3年後でも高い査定額が期待できます。
ただし、これらの数値は市場の需給バランスや車の状態によって変動するため、あくまで目安として考えてください。
任意保険の新車割引を継続できる
3年ごとに新車に乗り換えることで、任意保険の新車割引を継続的に受けられるメリットがあります。
多くの保険会社では、初度登録から一定期間内の車両に対して割引を適用しています。
- 初度登録から25か月以内 ⇒ 最大30%割引
- 25か月~49か月以内 ⇒ 最大20%割引
- 対人賠償責任保険 ⇒ 10~30%割引
- 車両保険 ⇒ 20~30%割引
例えば、年間保険料が10万円の場合、新車割引で2~3万円の節約が可能です。
3年ごとに乗り換えることで、この割引を途切れさせることなく継続できます。
車男爵
【デメリット】車を3年で乗り換える際の注意点
3年での乗り換えにはメリットが多い一方で、注意すべきデメリットも存在します。
これらのデメリットを理解した上で、自分に合った選択をすることが重要です。
- ローン残債の精算が必要になる
- 買い替えコストが累積して割高になる
- 初期費用や諸経費を繰り返し負担する
- 車選び・購入手続きなど手間が発生する
- 愛着が湧いた車とすぐ別れることになる
以下より、それぞれの注意点について詳しく解説します。
ローン残債の精算が必要になる
車購入時の一般的なローン期間は5年(60回払い)が主流です。
3年で乗り換える場合、残り2年分のローン残債を処理する必要があります。
- 売却代金で一括返済する
- 貯金を切り崩して返済する
- 新しいローンに残債を上乗せする
- ローンの借り換えを検討する
例えば、300万円の車を5年ローン(金利3%)で購入した場合、3年後の残債は約120万円になります。
売却額が150万円なら問題ありませんが、100万円の場合は20万円の不足分を自己資金で補う必要があります。
車男爵
買い替えコストが累積して割高になる
3年ごとの乗り換えでは、売却額と購入額の差額が累積していくことに注意が必要です。
どんなに人気車種でも、新車価格と同額で売却することは不可能です。
| 購入回数 | 新車価格 | 売却額(60%想定) | 差額損失 |
| 1回目(3年後) | 300万円 | 180万円 | 120万円 |
| 2回目(6年後) | 300万円 | 180万円 | 120万円 |
| 3回目(9年後) | 300万円 | 180万円 | 120万円 |
| 9年間の累積損失 | – | – | 360万円 |
このように、3年ごとの乗り換えでは9年間で360万円の差額損失が発生します。
ただし、前述の通り車検やメンテナンス費用を考慮すると、長期保有との差は縮小します。
初期費用や諸経費を繰り返し負担する
新車購入時には、車両本体価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。
3年ごとの乗り換えでは、これらの費用を繰り返し支払うことになります。
- 自動車税(購入時期により変動)
- 自動車重量税(3年分)
- 自賠責保険料(37か月分)
- 登録諸費用 ⇒ 3~5万円
- 納車費用 ⇒ 1~2万円
- リサイクル料金 ⇒ 1~2万円
300万円クラスの普通車の場合、諸費用の合計は約20~30万円になります。
9年間で3回乗り換えると、諸費用だけで60~90万円の出費となります。
車選び・購入手続きなど手間が発生する
3年ごとの乗り換えでは、定期的に車選びと購入手続きを行う必要があります。
これらの作業には相当な時間と労力が必要です。
車男爵
愛着が湧いた車とすぐ別れることになる
車は単なる移動手段ではなく、思い出を共有する大切なパートナーでもあります。
3年という期間は、ようやく車に慣れて愛着が湧いてきた頃でもあります。
- 家族との思い出が詰まった車との別れ
- カスタマイズした愛車を手放す寂しさ
- まだまだ乗れる車を売却する罪悪感
- 次の車への期待と不安の混在
特に初めて購入した車や、子供が生まれた時に購入した車など、特別な思い入れがある場合は、3年での買い替えは精神的に辛いものがあります。
車を3年で乗り換えて損をしないためのポイント
3年サイクルでの乗り換えを成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。
ここでは、出費を抑えてリセールバリューを最大化するための具体的なポイントを紹介します。
- リセールバリューの高い人気車種を選ぶ
- 次のモデルチェンジ時期を見据えて購入する
- 売却は車検前かつ需要期を狙う
- 下取りと買取査定を併用して最高値を探す
- 日頃から車の状態を良好に保つ
- ローン・支払いプランを工夫する
- カーリース・サブスクを活用する
以下より、それぞれのポイントを詳しく解説します。
リセールバリューの高い人気車種を選ぶ
3年乗り換えで最も重要なのは、3年後の残価率が高い車種を選ぶことです。
残価率66%以上の車種なら、10年乗るよりもコストパフォーマンスが良くなる可能性があります。
- 人気のSUV(需要が高い)
- 軽自動車(維持費が安く需要安定)
- ハイブリッド車(燃費性能で人気)
- 限定車・特別仕様車(希少性が高い)
- 定番カラー(白・黒・シルバー)
特におすすめなのは、トヨタのランドクルーザーやアルファード、スズキのジムニーなど、中古車市場でも人気が衰えない車種です。
これらの車種は3年後でも新車価格の70%前後で売却できることがあります。
車男爵
次のモデルチェンジ時期を見据えて購入する
車の価値はモデルチェンジによって大きく変動します。
フルモデルチェンジ直前に購入したり、直後に売却したりすると、大きな損失につながります。
理想的なのは、モデルチェンジ直後から1~2年以内の車を購入することです。
これなら3年後もまだ現行モデルとして扱われ、査定額の大幅な下落を避けられます。
売却は車検前かつ需要期を狙う
車の売却タイミングは、査定額に大きな影響を与えます。
初回車検前かつ中古車需要が高まる時期に売却することで、最高値での売却が期待できます。
- 3月(年度末・決算期)
- 9月(中間決算期)
- 12月(年末商戦)
- ボーナス時期(6月・12月)
特に3月は、新生活に向けて中古車需要が最も高まる時期です。
この時期を狙って売却すれば、通常時より5~10%高い査定額が期待できます。
下取りと買取査定を併用して最高値を探す
車を売却する際は、ディーラー下取りだけでなく、複数の買取業者にも査定を依頼することが重要です。
競争原理を働かせることで、より高い売却額を引き出せます。
- まずディーラーで下取り査定を取る
- 大手買取店3~5社で査定を取る
- 一括査定サイトを活用する
- 最高値を提示した業者と交渉する
買取専門店は中間マージンが少なく、ディーラー下取りより10~20%高い査定額を提示することもあります。
ただし、新車購入時の値引き交渉も含めて総合的に判断することが大切です。
車男爵
日頃から車の状態を良好に保つ
3年後の査定額を最大化するには、日頃からの丁寧な扱いが不可欠です。
些細な傷や汚れも、積み重なれば大きな減額要因となります。
- 定期的な洗車とワックスがけ
- 室内の清掃と消臭
- 小さな傷の早期補修
- 定期点検の確実な実施
- 整備記録簿の保管
特に重要なのは、禁煙車として維持することです。
喫煙車と禁煙車では、査定額に10万円以上の差が出ることもあります。
ローン・支払いプランを工夫する
3年での乗り換えを前提とするなら、残価設定ローンの活用が最も効果的です。
通常のローンと比べて、月々の支払いを大幅に抑えることができます。
| 項目 | 通常ローン(5年) | 残価設定ローン(3年) |
| 車両価格 | 300万円 | 300万円 |
| 頭金 | 50万円 | 50万円 |
| ローン対象額 | 250万円 | 130万円(残価120万円設定) |
| 月々の支払い | 約4.5万円 | 約3.8万円 |
残価設定ローンなら、3年後は車を返却して新しい車に乗り換えるだけで、残債の心配がありません。
カーリース・サブスクを活用する
最近注目されているのが、カーリースやカーサブスクの活用です。
これらのサービスなら、初期費用や売却の手間なく、3年ごとに新車に乗り換えられます。
- 頭金不要で新車に乗れる
- 月額料金に税金・保険料が含まれる
- 契約期間を3年に設定可能
- 売却手続きが不要
- メンテナンスパック付きプランもある
月額料金は購入時のローンより高めですが、諸費用込みで考えると、トータルコストはそれほど変わりません。
手間を省きたい方や、予算を平準化したい方には最適な選択肢です。
車男爵
まとめ
車を3年で乗り換えることは、条件次第では非常に賢い選択となります。
特に、リセールバリューの高い車種を選び、残価設定ローンを活用すれば、常に最新の車に乗りながら、経済的な負担を最小限に抑えることが可能です。
- 3年乗り換えが得になる人 ⇒ 最新技術を重視し、年間走行距離が少なく、人気車種を選べる人
- 3年乗り換えで損する人 ⇒ 長期ローンを組んでおり、走行距離が多く、車に愛着を持って長く乗りたい人
- 成功のポイント ⇒ 残価率66%以上の車種選び、適切な売却タイミング、残価設定ローンの活用
重要なのは、自分のライフスタイルや価値観に合った選択をすることです。
経済的なメリットだけでなく、車に対する考え方や使い方を総合的に判断して、最適な乗り換えサイクルを見つけてください。
3年での乗り換えを検討している方は、まず現在の車の査定額を確認し、次に購入する車のリセールバリューを調査することから始めましょう。
適切な計画と戦略があれば、3年ごとの乗り換えでも、満足度の高いカーライフを送ることができるはずです。


