高齢者の車買い替えサポカー補助金は終了！代替案と費用を抑えるコツ

高齢者の皆さまが安全な車への買い替えを検討される際、まず気になるのが補助金制度ではないでしょうか。

かつて多くの高齢ドライバーに活用された「サポカー補助金」は残念ながら終了してしまいましたが、現在でも利用できる補助制度や費用を抑える方法は複数存在します。

この記事では、サポカー補助金終了後の現在利用できる補助金制度や、高齢者の方が車の買い替え費用を抑えるための具体的な方法を詳しく解説します。

高齢者向け車買い替え補助金「サポカー補助金」終了の今

高齢ドライバーの交通事故防止対策として実施されていた「サポカー補助金」。この補助金制度の終了と、現在利用できる支援制度について解説します。

以下より、詳しく解説します。

「サポカー補助金」は2021年に受付終了

サポカー補助金（安全運転サポート車普及促進事業費補助金）は、2021年11月29日（月曜日）の到着分（16時まで）をもって申請受付を終了しました。

サポカー補助金は、2020年3月9日から開始された国の補助金制度で、予算総額1,098億円が用意されていました。対象となっていたのは令和3年度（2021年度）中に満65歳以上となる方でした。

この補助金は、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置を搭載した「サポカー」の購入を支援するものでした。多くの高齢ドライバーがこの制度を活用し、より安全な車への買い替えを実現していました。

今使える支援制度の全体像（補助金・税制優遇・費用削減）

サポカー補助金は終了しましたが、高齢者の方が車の買い替え時に活用できる支援制度はまだ複数存在しています。

大きく分けて以下の3つのカテゴリーで支援を受けることができます。

これらの制度を上手く組み合わせることで、サポカー補助金がなくても車の買い替え費用を大幅に抑えることが可能です。

特に注目すべきは、各自治体によって独自に補助金を交付している地域もあるという点です。自治体の補助金は地域によって内容が大きく異なるため、まずはお住まいの市区町村での制度確認が重要となります。

【税制優遇】高齢者・障害者が使える減税制度

車の購入・維持にかかる税金を軽減できる制度が複数用意されています。特に福祉車両や環境性能の高い車を選ぶことで、大きな節税効果が期待できます。

以下より、詳しく解説します。

福祉車両の消費税非課税措置（車椅子仕様車など）

車椅子および電動車椅子を使用する者を車椅子等とともに搬送できるよう、車椅子等昇降装置を装備し、かつ、車椅子等の固定等に必要な手段を施した自動車は、消費税が非課税となります。

例えば、300万円の福祉車両を購入する場合、通常なら30万円の消費税がかかりますが、この措置により30万円分が非課税となります。

福祉車両の消費税は最初から非課税で、障がいの有無、つまり手帳の有無はまったく関係なく誰が買っても消費税はかからないという点も重要です。高齢者の方が将来を見据えて福祉車両を選択することも賢い選択といえるでしょう。

自動車税・軽自動車税の減免制度（条件と申請方法）

身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、自動車税・軽自動車税の減免を受けることができます。

身体障害者等が取得し、または所有する自動車等で、身体障害者自身が運転するものまたは通勤などのためにその生計同一者が運転するものについては、自動車税、軽自動車税、自動車取得税を免税する制度があります。

申請方法は各都道府県税事務所で異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

減免額は自治体により異なりますが、自動車税が年間最大45,000円程度、軽自動車税が年間最大10,800円程度減免されるケースが一般的です。

環境性能に応じた「エコカー減税」の活用

環境性能に優れた車を購入することで、自動車重量税や環境性能割（旧：自動車取得税）が軽減される「エコカー減税」も活用できます。

2024年以降も制度は継続されており、電気自動車やハイブリッド車などの環境性能に優れた車両が対象となっています。

例えば、重量税が年間16,400円の普通車で100％減税対象車を選んだ場合、初回車検までの3年間で49,200円の節税となります。

【自治体独自の補助金】地域の支援制度を活用

国のサポカー補助金は終了しましたが、多くの自治体で独自の補助金制度が実施されています。地域により内容は異なりますが、後付け安全装置への補助が中心です。

以下より、詳しく解説します。

後付け安全装置（踏み間違い防止等）の設置補助

各地の自治体において高齢者安全運転支援補助金の制度が実施されています。特に後付けペダル踏み間違い防止装置の設置費用を補助する自治体が増えています。

国土交通省の性能認定を受けた装置が対象となることが多く、補助額は自治体により異なりますが、設置費用の1/2から2/3程度、上限2～5万円というケースが一般的です。

対象年齢は自治体により異なりますが、多くは65歳以上または70歳以上の高齢者を対象としています。

申請には以下の書類が一般的に必要です。

• 補助金交付申請書
• 運転免許証の写し
• 装置の購入・設置を証明する書類（領収書等）
• 装置の性能認定証の写し
• 車検証の写し

高齢者向け車両購入補助（地域により実施）

一部の自治体では、高齢者向けの車両購入補助も実施されています。ただし、実施している自治体は限定的で、条件も厳しい傾向があります。

各自治体によっては、電気自動車やハイブリッド車などの購入に補助金を受けられるケースがあります。これらの環境対応車への補助は年齢制限がない場合が多く、高齢者の方も活用できます。

主な補助内容としては以下のようなものがあります。

これらの補助金は予算の範囲内で先着順となることが多いため、早めの申請が重要です。

自分の自治体の制度を探す方法（検索キーワードと担当課）

お住まいの地域でどのような補助金制度があるか調べる方法をご紹介します。

（参考）自治体の補助金制度の具体例

2024年6月時点での補助金実施例として、以下のような自治体で制度が確認されています。

岡山県内では、玉野市、笠岡市、井原市、総社市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、美作市、和気町などで後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の購入に関する補助を実施しています。

【限定的な国の補助金】CEV補助金の活用可能性

電気自動車などのクリーンエネルギー車を対象とした「CEV補助金」は、高齢者に限定されない国の補助金として現在も実施されています。

以下より、詳しく解説します。

CEV補助金とは？（電気自動車等が対象・高齢者には限定的）

CEV補助金とは「クリーンエネルギー自動車（CEV : Clean Energy Vehicle）」の普及促進を目的とした国の補助金です。正式名称を「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」といいます。

この補助金は年齢制限がなく、高齢者の方も利用可能ですが、対象車種が限定されているため、すべての高齢者にとって現実的な選択肢とは言えない側面があります。

対象車種と補助金額の目安

2025年度のCEV補助金の上限額は、EV（普通車）が最大90万円、小型・軽EVは最大58万円、PHEVは最大60万円となっています。

日産サクラのグレードG（2WD）モデルを購入する場合、メーカー希望小売価格3,082,200円のところ、補助金を活用することで1,958,200円で購入が可能という例もあります。

高齢者にとってのメリット・デメリット

CEV補助金対象車を高齢者が選ぶ場合のメリットとデメリットを整理します。

電気自動車は最新技術が搭載されており、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い防止装置などの安全装備が標準で装備されていることが多いです。

特に充電設備については、自宅に設置する場合は10～30万円程度の追加費用が必要になることがあります。

高齢者必見！補助金以外で車の買い替え費用を抑える3つのコツ

補助金だけでなく、車の売却方法や維持費の見直しで、買い替え費用を大幅に削減できます。ここでは実践的な3つのコツをご紹介します。

以下より、詳しく解説します。

【コツ1】愛車は「下取り」ではなく「買取」で高く売る

車の買い替え時、ディーラーでの下取りより買取専門店での売却の方が高額になることが多いです。

下取りとは、新しく新車または中古車を買うお店に今まで乗っていたクルマを引き取ってもらうことです。買取とは、買取専門店や販売店に、新しいクルマの購入とは関係なく直接クルマを売却することを指します。

買取専門店は中古車市場の需要に敏感で、人気車種や装備品などが買取価格に反映されやすく、下取りよりも高値が付く傾向にあります。

実際の価格差は車種や状態により異なりますが、10～30万円程度の差が出ることも珍しくありません。

【コツ2】自動車保険の見直しで保険料を節約

高齢になると自動車保険料が高くなりがちですが、適切な見直しで大幅な節約が可能です。

自動車保険は「代理店型」から「ネット型」に切り替えるだけで、保険料を節約できることがあります。実際に代理店型から「おとなの自動車保険」に切り替えた契約者へのアンケートでは、平均で21,943円も節約できたという結果も出ています。

特に高齢者の場合、運転頻度が減少している方も多いため、走行距離による割引は大きな節約につながります。年間5,000km以下の場合、保険料が30～40％安くなることもあります。

【コツ3】JAFの長期継続会員特典を活用する

10年以上継続いただいている個人会員の皆様には、さまざまな特典が用意されています。長年JAF会員を続けている高齢者の方は、この特典を活用しない手はありません。

JAFと提携する自動車保険にご加入であれば、JAF会員の無料サービスの範囲拡大など、プラスαの優遇サービスが適用されます。

例えば、自動車保険のロードサービスとJAFの両方に加入している場合、以下のようなメリットがあります。

• レッカー移動の無料距離が延長
• バッテリー上がりの対応回数増加
• パンク修理の部品代補償

まとめ｜あなたに合った支援制度の組み合わせを

サポカー補助金は2021年11月に終了してしまいましたが、高齢者の方が車の買い替え費用を抑える方法はまだまだ存在しています。

重要なのは、複数の制度を上手く組み合わせて活用することです。

例えば、以下のような組み合わせが考えられます。

高齢になっても安全で快適なカーライフを続けるために、まずはお住まいの自治体に問い合わせることから始めてみてください。

市区町村の窓口では、高齢者向けの様々な支援制度について総合的に案内してもらえることも多いです。

車は単なる移動手段ではなく、生活の質を保つ大切なパートナーです。

適切な支援制度を活用することで、高齢になっても安心して車との生活を続けることができます。

この記事が、あなたの車選びと費用節約の参考になれば幸いです。