車を停めてエンジンを切った瞬間、ドラレコの画面もプツンと消えるのをみて「ドライブレコーダーってエンジン切っても録画されるのかな?」と疑問ですよね。
結論から言うと、標準の状態ではエンジン停止と同時に録画も終了します。
しかし、諦める必要はありません。「駐車監視機能」と「適切な電源」を組み合わせることで、あなたが車から離れている間も愛車を見守り続けることが可能です。
この記事では、エンジンを切っても録画を続けるための具体的な方法と、バッテリー上がりを防ぐための重要な注意点について、詳しく解説します。
結論|ドライブレコーダーはエンジンを切っても録画される?
多くのドライバーが抱く「エンジンを切っても録画されるのか?」という疑問ですが、前述の通り、通常の取り付け方では録画されません。
まずは、なぜ録画が止まってしまうのか、そして録画するには何が必要なのか、その仕組みを解説します。
- 基本は録画されません
- 「駐車監視機能」があり「電源が確保」できれば録画可能
以下より、詳しく解説します。
基本は録画されません
一般的なドライブレコーダーは、エンジン(またはハイブリッドシステムの起動)と連動して電源が入るように設計されています。
これは、車の「ACC(アクセサリー)電源」という仕組みを利用しているためです。
キーを回す(またはボタンを押す)ことで通電する電源のこと。
エンジン停止(ACC OFF)と同時に、ここからの電力供給も遮断されます。
多くのドラレコはシガーソケットから電源を取りますが、国産車のほとんどは、このシガーソケットもACC連動です。
つまり、あなたが車を降りてエンジンを切った瞬間、ドラレコへの電気供給も物理的に断たれ、強制的に電源が落ちる(録画が終了する)仕組みになっているのです。
車男爵
「駐車監視機能」があり「電源が確保」できれば録画可能
では、エンジン停止後も録画を続けるにはどうすればよいのでしょうか。
それには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。
- 条件1 ⇒ ドライブレコーダー本体に「駐車監視機能(パーキングモード)」が搭載されていること
- 条件2 ⇒ エンジン停止中も電力を供給できる「常時電源」が確保されていること
通常の走行時録画モードのまま駐車監視を行うと、消費電力が大きく、メモリ容量もすぐに一杯になってしまいます。
そのため、エンジン停止を検知して「衝撃検知」や「タイムラプス」といった省電力な「駐車監視モード」に切り替わる機能を持つ機種が必要です。
さらに、その機能を動かすための電気を、シガーソケット(ACC)以外の場所から供給する配線やバッテリーが必要になります。
エンジン切ってもドライブレコーダーに録画する3つの方法(電源の取り方)
駐車監視を実現するための「電源の取り方」には、大きく分けて3つの方法があります。
それぞれ予算や録画できる時間、リスクが異なるため、自分の目的に合った方法を選びましょう。
- 【方法1】内蔵バッテリーで録画(手軽だが短時間)
- 【方法2】車両バッテリーから給電(長時間だがバッテリー上がりのリスクあり)
- 【方法3】専用の外部バッテリーを設置(長時間でバッテリー上がりのリスクなし)
以下より、詳しく解説します。
【方法1】内蔵バッテリーで録画(手軽だが短時間)
ドライブレコーダー本体に内蔵されたバッテリーを使って、エンジン停止後もしばらく録画を続ける方法です。
- 特別な配線工事が不要
- 追加費用がかからない
非常に手軽ですが、録画可能時間は「20分~40分程度」と非常に短いのが最大の弱点です。
多くのドラレコに搭載されている内蔵電池は、あくまで事故時のファイル保護用(スーパーキャパシタ等)であり、長時間録画用ではありません。
- 録画時間が短く、長時間の駐車には不向き
- バッテリーが劣化するとさらに時間が短くなる
この方法は、「コンビニでの買い物中」や「短時間の用事」など、ごく短い時間の当て逃げ対策として割り切る必要があります。
【方法2】車両バッテリーから給電(長時間だがバッテリー上がりのリスクあり)
車のバッテリー(常時電源)から直接電気をもらう方法です。現在、最も一般的に普及している方法です。
多くのメーカーから「駐車監視・直接配線コード」というオプション品が販売されており、これを使ってヒューズボックス等から電源を取ります。
- 数千円のケーブル代だけで導入できる(コストが安い)
- 数時間~半日程度の長時間監視が可能
- 配線が隠れて見た目がスッキリする
しかし、この方法には「バッテリー上がり」という重大なリスクが伴います。
JAFの出動理由でも「過放電バッテリー」は常にトップを占めており、駐車監視による電力消費がその引き金になるケースも少なくありません。
- エンジンの始動に必要な電力まで使い切ってしまう恐れがある
- バッテリーの劣化を早め、寿命を縮める原因になる
- 特に「毎日乗らない車」や「短距離走行中心の車」ではリスクが高い
この方法を選ぶ場合は、後述する「電圧監視機能(カットオフ)」の設定が必須となります。
【方法3】専用の外部バッテリーを設置(長時間でバッテリー上がりのリスクなし)
車のバッテリーとは別に、ドラレコ専用のサブバッテリー(外部バッテリー)を設置する方法です。
「iCELL」などの製品が有名で、走行中に急速充電し、駐車中はそこからドラレコに電気を送ります。
- 車両バッテリーへの負担がゼロ(バッテリー上がりの心配なし)
- 最大12時間~70時間以上の超長時間録画が可能
- 毎日乗らない車でも安心して監視できる
- 導入コストが高い(本体+工賃で数万円~)
- 設置スペース(座席下など)が必要
コストはかかりますが、「絶対にバッテリー上がりを起こしたくない」「週末しか乗らないけれど、平日の駐車中もずっと監視したい」という方には、プロも推奨する最も確実で安全な方法です。
車男爵
参考
ドライブレコーダー補助バッテリー iCELLiKEEP
要注意|エンジン切っての録画によるバッテリー上がり防止設定
車両バッテリーを使用して駐車監視を行う場合、最大の敵は「バッテリー上がり」です。
JAFの出動理由トップであるバッテリートラブルを避けるため、ドライブレコーダー側で必ず以下の設定を行ってください。これらは「設定推奨」ではなく「必須設定」と考えてください。
- 電圧監視機能(カットオフ)を必ず設定する
- タイマー設定で録画時間を制限する
- ※もしバッテリーが上がってしまったら?
以下より、詳細をお伝えします。
電圧監視機能(カットオフ)を必ず設定する
これは、車両バッテリーの電圧が「ある一定の値」を下回った瞬間に、強制的に録画を停止して電源を落とす機能です。
多くの機種では、カットオフ電圧をいくつかの段階(例 ⇒ 11.6V / 11.8V / 12.0V / 12.2V)から選択できます。
- 11.6Vや11.8Vといった低い設定は、バッテリーの「深放電」を招きます。
- ここまで使い切ると、特に冬場などはエンジンがかからなくなる危険性が高まります。
ギリギリまで粘って録画したい気持ちは分かりますが、バッテリーを痛めて寿命を縮める原因になります。
推奨設定値は「12.0V」または「12.2V」です。
ただし、電圧を高く設定すると、エンジン停止直後の電圧降下ですぐに録画が止まってしまう(数時間しか撮れない)というジレンマが発生します。これが車両バッテリー給電の限界点でもあります。
タイマー設定で録画時間を制限する
電圧監視はあくまで「最後の命綱」です。基本的には「タイマー設定」をメインに使用し、必要な時間だけ動かす運用が賢明です。
「30分 / 1時間 / … / 12時間 / 24時間」といった設定が可能ですが、ご自身のライフスタイルに合わせてリスク管理を行いましょう。
- 自宅ガレージ(安全) ⇒ 駐車監視OFF または 30分(帰宅直後の放熱発火監視など)
- スーパーや外食(中リスク) ⇒ 1時間~3時間
- コインパーキング(高リスク) ⇒ 6時間~12時間
場所に応じて設定を変えるのが面倒な場合は、バッテリーへのダメージを考慮し、長くても「12時間」以内に留めることをお勧めします。
特に「次に乗るのが翌朝」という場合、一晩中監視し続けるとバッテリーの回復が追いつかず、徐々に弱っていきます。
※もしバッテリーが上がってしまったら?
対策をしていても、バッテリーの劣化具合や急激な気温低下により、バッテリー上がりは起こり得ます。
万が一エンジンがかからなくなった場合は、焦らずにロードサービスを呼ぶか、車載していればジャンプスターターを使用してください。
車男爵
目的別|ドライブレコーダーの録画モードの選び方
駐車監視機能にはいくつかの「録画モード」があり、それぞれ得意なシーンと苦手なシーンがあります。
「何を撮りたいか(防犯か、当て逃げか)」と「バッテリーへの負担」のバランスを考えて選びましょう。
- 【衝撃検知】バッテリーに優しいが傷程度では反応しないリスク
- 【動体検知・モーションセンサー】防犯に向くが人通りが多い場所ではバッテリー消耗が激しい
- 【タイムラプス】長時間監視で防犯力が高いがバッテリー消耗が激しい
では、これらのポイントについて順番に詳しく見ていきましょう。
【衝撃検知】バッテリーに優しいが傷程度では反応しないリスク
通常はスリープ状態(待機中)で、車に「ドンッ」という衝撃があった時だけ目覚めて録画するモードです。
- 待機中の消費電力が極めて少ない
- 車両バッテリーへの負担が最小限
- 長期間(数日~数週間)の待機が可能
消費電力が少ないため、自宅駐車場での長期保管などに最適です。しかし、証拠能力には穴があります。
- 10円パンチ(ひっかき傷)やスプレーの落書きには反応しない
- 軽いドアパンチでは衝撃が弱すぎて反応しない(スルーされる)
- 起動タイムラグにより、当て逃げ犯が走り去った後しか映っていない場合がある
Gセンサーの感度設定にもよりますが、「車が揺れるレベルの衝撃」がないと記録されないため、軽微なイタズラ対策には不向きです。
【動体検知・モーションセンサー】防犯に向くが人通りが多い場所ではバッテリー消耗が激しい
カメラの映像内で「動くもの」を検知した時に録画するモードです。
不審者が車の周りをうろつく様子など、被害の「予兆」から記録できるため、防犯カメラとしての性能が高いのが特徴です。
ただし、設置場所によっては注意点も。
- 人通りや車通りの多い場所では、センサーが反応しっぱなしになる
- 結果として「常時録画」と同じくらい電力を消費する
- SDカードの容量をすぐに使い切ってしまう
人通りの少ない月極駐車場などでは有効ですが、街中のコインパーキングや道路沿いでは、誤検知(False Positive)が多発してバッテリーがすぐに無くなる可能性があります。
【タイムラプス】長時間監視で防犯力が高いがバッテリー消耗が激しい
パラパラ漫画のように、1秒間に数コマの写真を連続して撮り続けるモードです。近年のドラレコの主流になりつつあります。
- 常に撮影しているため「撮り逃し」が理論上ない
- データ容量を大幅に節約でき、長時間分の映像を残せる
- 微細なドアパンチやいたずらも確実に証拠として残る
最強の証拠能力を持ちますが、常にカメラが動いているため消費電力は最大級です。
車両バッテリー給電でこのモードを使うと、電圧カットオフに到達するのが最も早くなります。
このモードをフル活用したい場合は、前述の「外部バッテリー」との併用を強く推奨します。
エンジン切ってもしっかり録画するために欲しいスペック
せっかく駐車監視を導入しても、「真っ暗で何も映っていない」「肝心のぶつかった場所が映っていない」では意味がありません。
これからドラレコを購入・買い替えするなら、以下の2つのスペックに注目してください。
- 夜間が不安なら「暗所に強いセンサー/補正」重視
- 死角が気になるなら「画角・カメラ数(前後/360度)」を環境で選ぶ
それぞれについて、詳しい選び方を解説します。
夜間が不安なら「暗所に強いセンサー/補正」重視
駐車中のトラブル、特に車上荒らしやいたずらは夜間に集中します。しかし、一般的なカメラセンサーは暗闇が苦手で、ノイズだらけの映像になりがちです。
そこで重要になるのが、「STARVIS(スタービス)」などの高感度センサー技術です。
- STARVIS / STARVIS 2 搭載 ⇒ ソニー製の監視カメラ用センサー技術。わずかな光でもカラーで明るく記録できる。
- HDR / WDR 搭載 ⇒ 白飛びや黒つぶれを補正し、街灯やヘッドライトの逆光でもナンバーを読み取りやすくする。
特に最新の「STARVIS 2」は、暗所の明るさとダイナミックレンジ(明暗の差への強さ)が大幅に向上しています。夜間の月極駐車場などを利用する方は、このロゴがついている製品を選ぶのが鉄則です。
死角が気になるなら「画角・カメラ数(前後/360度)」を環境で選ぶ
「どこを守りたいか」によって、必要なカメラの数や種類が変わります。
例えば、ドアパンチは「側面」で起きますが、一般的な前後2カメラでは側面はほとんど映りません。
- 前後2カメラ ⇒ 後ろからの追突やあおり運転対策に強い。(側面は死角になりやすい)
- 360度カメラ ⇒ 全方位を映せるため、ドアパンチや車内への侵入対策に強い。(ナンバーの解像度はやや劣る傾向)
- 3カメラ(前後+車内/側面) ⇒ 前後の高画質と、側面のカバー範囲を両立した最強構成。
「隣の車との距離が近い」「繁華街によく停める」といった場合は、側面までカバーできる360度モデルや3カメラモデルが安心です。
車男爵
よくある質問(FAQ)
最後に、駐車監視機能の導入に関するよくある疑問にお答えします。
- Q. 駐車監視機能は後付けできますか?
- Q. エンジンを切っても赤いランプがついているのはなぜ?
- Q. 毎日乗らない車でも駐車監視して大丈夫?
以下より、回答します。
Q. 駐車監視機能は後付けできますか?
対応機種であれば可能です。
多くの国産ドラレコは、本体機能として駐車監視モードを持っていますが、購入時の標準ケーブル(シガーソケット用)では機能しません。
メーカー指定の「駐車監視用電源コード(常時電源ケーブル)」を別途購入し、配線をやり直すことで機能を有効化できます。
ただし、格安の海外製モデルなどで本体に機能自体がない場合は、残念ながら買い替えが必要です。
Q. エンジンを切っても赤いランプがついているのはなぜ?
それは「駐車監視モードが正常に働いているサイン」または「セキュリティ警告(威嚇)」の可能性が高いです。
機種によってLEDの色や点滅パターンは異なります(例 ⇒ 録画中は赤点滅、待機中は青点滅など)。
詳しくは取扱説明書の「インジケーター(LED)表示」の項目を確認してください。
逆に、駐車監視を設定していないのにランプがつきっぱなしの場合は、配線ミス(ACCと常時のつなぎ間違い)や故障の可能性があります。
Q. 毎日乗らない車でも駐車監視して大丈夫?
車両バッテリーから電源を取る方法(方法2)の場合、推奨できません。
週末しか乗らない車などは、走行による充電が不足しがちです。その状態で駐車監視を行うと、バッテリー上がりを招くだけでなく、バッテリーの寿命を急速に縮めてしまいます。
充電不足の状態が続くと「サルフェーション」という現象が起き、バッテリーが復活しなくなります。
車男爵
まとめ
ドライブレコーダーは、正しい知識と設定があって初めて「駐車中の守り神」になります。
- 基本的にはエンジン停止で録画も止まる(ACC電源のため)
- 駐車監視には「対応機種」と「常時電源の確保」が必要
- 手軽なのは内蔵バッテリーだが、短時間しか持たない
- 車両バッテリー給電は一般的だが、「電圧カットオフ」と「タイマー設定」が必須
- 毎日乗らない車や長時間監視には「外部バッテリー」が最適解
あなたの車の使い方に合わせた方法を選び、バッテリー上がりを防ぎつつ、大切な愛車をしっかりと守りましょう。


