200系クラウンは中古価格が比較的安く購入しやすいのが魅力ですが、10年以上前に発売された車なので故障が発生することも事実。
そこで、購入前に200系クラウンの弱点や故障しやすい個所を知って、維持費がどれくらい掛かるのか目安にしておいた方が安心です。
この記事では、僕が所有している200系クラウンの実際に行った修理箇所に合わせて、口コミであった不具合、トヨタがアナウンスした延長保証とリコール情報についても解説しています。
車男爵
購入すべき?もし中古の200系クラウンを買なら3つの条件を意識して
車の程度にもよりますが、発売当時に500万円以上した高級セダンが約100万円ほどでを買えてしまうので、僕は買うべきだと思います。
200系クラウンの中古相場は約40万円~約200万円で、ローダウンやエアロ装着などカスタムした個体だと約160万円~約240万円とノーマルモデルよりも高額な傾向にあります。
そんな200系クラウンの、僕が考える買うべきだと考える個体は、以下の条件を満たしているものです。
- カスタム車よりノーマル車はガタが少ない
- 走行距離は5万km以内でも安い個体があるのでお買い得
- 修復歴は絶対に「なし」を選ぶべき
車男爵
僕がお伝えした条件の理由を解説します。
【条件1】カスタム車よりノーマル車はガタが少ない
200系クラウンを購入後はローダウン、エアロ、ホイール変更などカスタムしようと考えている方もいると思います。
であれば、最初からカスタムした個体を購入した方が良いと考えますが、それは間違っていると僕は考えます。
中古の200系クラウンを購入するのであれば、エアロやホイールは良いとして、ローダウンしていない個体を購入しましょう。
車高を落としていない個体を購入する理由は、最初から車高調やローダウンサスが付いている場合、付けたい車高調やローダウンサスの種類が選べないのが欠点です。
また、前所有者が車高調を付けていた場合はノーマルサスペンションと比べて、フレームやブッシュなど負荷がかかりガタが来ている可能性が高いからです。
ローダウンしたいのであれば、ノーマルの個体に自分で選んだ車高調を取り付ける方が良いでしょう。
車男爵
【条件2】走行距離は5万km以内でも安い個体があるのでお買い得
走行距離だけがパーツ劣化の要因ではないですが、走行距離が5万km以内なら劣化の具合が少ない傾向にあると判断する目安になります。
また、経年劣化による故障ではない、走行距離(使用した機関)による劣化に対して5万km以内の個体であれば優位性を持つ事が出来ます。
例えば10万kmで交換が推奨されている、「オルタネーター」「プラグ」「イグニッションコイル」などは、5万km以内ではまだ劣化していないと考える事が出来ます。
さらに、前オーナーがメンテナンスをしっかりとやっていなかった場合を想定すると、出来るだけ走行距離が少ない方が車に対するダメージは少ないと言えます。
200系クラウンに関していえば、走行距離は5万km以内の個体であっても、約80万円~約120万円で購入が可能なので、それほど高い価格ではないのも大きな魅力です。
販売から数年の車であれば走行距離に応じて価格が変動しますが、200系クラウンは最終モデルでも2012年なので、そもそもが10年以上前の個体しかありません。
それが理由のような気もするのですが、「走行距離が少ないから販売価格が高いということが無い」のが200系クラウンの良さだと思います。
モデルにもよるかと思いますが、走行距離が5万kmの個体でも、走行距離8万km以上の個体より販売価格が安い時もあります。
車男爵
【条件3】修復歴は絶対に「なし」を選ぶべき
どんな故障をしたのか分からないので修復歴は無い方がよいでしょう。
車男爵
僕が乗ってる200系クラウンの弱点と不具合
僕が実際に修理した箇所や気になる個所をお伝えします。
弱点や不具合が結構あるように見えますが、個人的に神経質なところもあり、細かな不具合も気になる性格です。
ゆえに、普通の人であれば気にならない箇所もお伝えしているとは思いますが、参考にしていただければと思います。
- 10万kmで交換した部品(オルタネーター、ウォーターポンプなど)
- リヤブレーキキャリパのピンの錆び
- HIDヘッドライトのプロジェクター部分の白濁り
- パワーウインドウの誤作動
- 室内できしみ音
- ゴム類、プラスチック類の劣化
以上に内容について、詳細を解説いたします。
10万kmで交換した部品(オルタネーター、ウォーターポンプなど)
10万kmを超えた200系クラウンなので、以下のパーツを交換しました。
- オルタネーター
- セルモーター(スターター)
- ウォーターポンプ
- 点火プラグ&イグニッションコイル
- ベルト&プーリー類
これらの部品は200系クラウンに限らず、10万kmを超えた車なら絶対に変えた方が良い部品です。
車男爵
オルタネーター
オルタネーターは車の発電機です。エンジンの回転を電力に変換する装置です。
僕の200系クラウンも、ベルト類を交換する際にオルタネーターのクラッチプーリーの軸がずれていて音が鳴るとの事で交換しました。
交換時の走行距離は約11万キロです。
バッテリーの電圧が低いなど、壊れる前の前兆があるとも聞きますが、実際には前兆なくいきなり壊れる事も多いので、10万キロを超えた個体であれば交換しておいた方が良いと思います。
交換費用は新品で約12万円。リビルト品で約5万円ほどです。
セルモーター(スターター)
セルモーターも前兆なく壊れる部品です。壊れるとエンジンがかかりません。
実際に僕も、さっきまでエンジンがかかっていたのに、駐車後にいきなりエンジンがかからず焦りました。
僕は車検の時にオルタネーターを交換したのですが、その時に一緒にセルモーターも交換してと伝えていました。ですが、まだ壊れていないとの事で交換せずにいました。
車男爵
オルタネーター同様に、10万キロを超えた個体であれば交換しておいた方が良いと思います。
新品で約8万円でした。リビルト品なら5万くらいだそうです。
ウォーターポンプ
11万キロでも壊れていなかったと思いますが、壊れると最悪オーバーヒートするので車検時にオルタネーター交換と一緒に交換しました。
点火プラグ&イグニッションコイル
10万キロが交換の目安なので、点火の不具合はありませんでしたが、11万キロで交換しました。
ベルト&プーリー類
ウォーターポンプを取り外す際に一緒に取り外すパーツなので、ついでにベルト&プーリー類も新品にしました。
リヤブレーキキャリパのピンの錆び
200系クラウンの持病ですね。
2022年に整備工場で見てもらった時は錆がなく、スムーズにキャリパーが動いているとの事でしたが2023年には錆びているとの事。
民間の整備工場とディーラーの整備工場なので、見た人が違います。
もしかすると最初に見た人が見落としたのか、1年で錆びたのかどちらかだと思います。
HIDヘッドライトのプロジェクター部分の白濁り
ヘッドライトの表面ではなく、中にあるHIDヘッドライトのプロジェクター部分の白濁りです。
プロジェクターの中を拭いても曇りは取れなかったと整備士の方が言っていて、プロジェクターのみの交換も出来ないようなので、ヘッドライトを丸ごと交換するしかありませんでした。
新品で左右で約40万円(片方で20万円)です。
車男爵
パワーウインドウの誤作動
後ろのパワーウインドウが一旦は完全に閉まるけど、直後に少し下がって止まる現象です。
結構、200系クラウンのあるあるみたいです。
窓ガラスの両サイドにあるゴムにシリコンスプレーをすると直りました。
車男爵
室内できしみ音
10年以上前の車なんで、フレームが微妙にゆがんだりプラスチックやゴムが劣化して隙間が出来て、ダッシュボード回りや後部ドアあたりから、カタカタといった音か出る事があります。
車男爵
ゴム類、プラスチック類の劣化
室内できしみ音と同様に、エンジンルームや足回りなど車の外側のパーツに使われている、ゴム類やプラスチック類も劣化して割れたり硬化したりします。
200系クラウンに関わらず、10年以上経過したゴム類やプラスチック類の宿命でしょう。
僕の場合、スタビライザーのブッシュは交換したのですが、その他の箇所については未交換。
車男爵
口コミであった200系クラウン弱点と不具合
- エアコンのコンプレッサー
- AFS警告灯がつきっぱなし
- ATの変速ショック
エアコンのコンプレッサー
エアコンのコンプレッサーは、通常7年で故障すると言われています。
エンジンルームからガラガラと音がしていたらコンプレッサーの不具合かもしれません。また焼き付きによる故障もあります。
僕の場合は、新車登録から15年、走行距離11万キロでも壊れていません。
もし、壊れた場合の費用は、新品で20万円、リビルト品で10万円ほどです。
修理費用が高額な理由は、エキスパンションバルブやリキッドタンクなどで詰まりがあると、異常な高圧になってコンプレッサーが故障するので、これらの部品も同時に交換する必要があります。
15年で11万万キロ走っている僕の200系クラウンはまだ壊れていません。
AFS警告灯がつきっぱなし
ローダウンした200系クラウンでは、AFS警告灯がつきっぱなしになる場合があります。
物理的にセンサーを移動すれば警告灯は消えます。
また、ノーマル車高に戻しても警告灯が消えない場合は、AFS警告灯の初期化をする必要があります。
ATの変速ショック
ATの変速ショックがギクシャクする場合は、NAVI-AI-SHIFT(AIシフト)が原因の時があります。
メカの問題ではなく制御系の問題なので、AIシフトをOFFにするとギクシャクが改善します。
トヨタがアナウンスした200系クラウンの弱点と不具合
「延長保証した箇所」と「リコールがあった箇所」に分けてお伝えします。
延長保証した箇所
- リヤショックからのオイル漏れ
- ハイマウントストップランプの球切れ
- トヨタ純正マップオンデマンド対応ナビゲーション
- ブレーキ関係(ブースター、アクチュエータ、キャリパ)
リヤショックからのオイル漏れ
【トヨタ自動車のアナウンス内容】
路面からの上下入力が極めて小さい道路を、繰り返し長期間走行しますと、リヤショックアブソーバのロッド表面のめっきが局部的に摩耗し、摩耗粉でオイルシールが傷付いてシール不良となり、オイルが早期ににじむことがあります。
修理期限は新車登録日から9年以内
ハイマウントストップランプの球切れ
【トヨタ自動車のアナウンス内容】
補助制動灯(ハイマウントストップランプ)に使用しているLED(発光体)が、高温下で渋滞時などブレーキを踏み続けるような使われ方を繰り返しますと、熱ストレスによって寿命が低下し一部不点灯となる場合があります。
修理期限は新車登録日から9年以内
対応車種は平成20年~平成21年に生産された、GRS200、GRS201、GRS202、GRS203、GRS204
トヨタ純正マップオンデマンド対応ナビゲーション
【トヨタ自動車のアナウンス内容】
ナビゲーションの地図更新機能に関わるプログラムが不適切なため、地図更新のための配信データを受信しても、地図更新できないことがあります。
このため、ナビゲーションを点検し、該当する場合はナビゲーションのプログラムと地図データの更新を実施致します。
ブレーキ関係(ブースター、アクチュエータ、キャリパ)
次の3つがトヨタ自動車のアナウンス内容です。修理期限は新車登録日から9年以内となっています。
リコールがあった箇所
- 燃料漏れ
- ブレーキマスターシリンダー
燃料漏れ
エンジンルーム内でガソリンが漏れる故障です。
エアコンを外気にするとガソリンの匂いがすします。ガソリンがエンジンルーム内の高温箇所に触れると車両火災のリスクもあります。
燃料を送る為のデリバリーパイプの圧力センサーの箇所が緩むことが燃料漏れの原因で、燃圧センサーの締結面の研磨とガスケットの新品交換といった修理が行われます。
対象モデルは、平成20年1月~平成24年4月に生産された、GRS200(2.5ロイヤル、2.5アスリート)、RS201(2.5ロイヤル4WD、2.5アスリート4WD)、GRS202(3.0ロイヤル)、GRS203(3.0ロイヤル4WD)、GRS204(3.5アスリート)
対象台数は約12万6000台です。
ブレーキマスターシリンダー
ブレーキマスタシリンダー内のゴムパッキンが劣化してオイル漏れ起こる故障です。
ブレーキオイルが減るとブレーキが利かなくなる危険があります。
ブレーキオイルの量やブレーキオイルリザーバータンクの周りにオイル漏れがないか確認するようにしましょう。
対象モデルは、平成22年6月~24年3月に生産された、GRS200(2.5Lアスリート)、GRS201(2.5Lアスリート 4WD)、GRS204(3.5Lアスリート)
まとめ
いつ壊れるかを特定するのは難しいのですが、10万キロを超えたら修理しておいた方が良いパーツがあるのは事実です。
故障してから手間がかかるよりも、前もって交換しておくべきパーツをして快適に200系クラウンを乗りましょう。